※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。
デビュー曲「嵐の中で輝いて」は、私のテーマソングです
── 「嵐の中で輝いて」のシングルをリリースしてデビューされたのは、1996年1月24日です。そもそも、どのような経緯でOVA「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」の主題歌を歌うことになったんですか? 米倉 デビュー前から事務所に所属していて、デモテープを作ってプロモーション活動をしていたんです。その中の1曲だった「未来の二人に」が、「08MS小隊」の主題歌アーティストを探していたキングレコードの方に届いて、私を選んでくださったのがきっかけでした。それで、オープニングの「嵐の中で輝いて」とエンディングの「10 YEARS AFTER」の両方を私が歌うことになったんです。また、「未来の二人に」も「08MS小隊」の世界観に合うということで、挿入歌に選ばれました。
── なるほど、「未来の二人に」が最初に米倉さんとキングレコードを結びつけたんですね。 米倉 そうなんです。作詞の工藤哲雄さんも作曲の都志見隆さんも、数々の有名シンガーに詞曲を提供されている方で、なぜ、デビュー前の素人だった私に書いてくださったのか不思議なくらいでした。当時、すごくうれしかったのを覚えています。
── 事務所に所属されることになったきっかけは、何だったんですか? 米倉 大学に通いながら、いろいろなオーディションを受けていて、4年生のときにとあるラジオ番組で、島田歌穂さんの「君にできること」をカバーして歌ったものがオンエアされたんですね。それを事務所の方が聴いていてスカウトされました。その先にキングレコードとの出会いがあったという感じですね。
── ということは、最初からアニメソングのシンガーを目指していたわけではなかったんですね。 米倉 目指してなかったですね。そのころは今のようにアニメソングが広く認知されていなかったですし、私は歌手になりたいという一心で、いろいろなオーディションを受けていたんです。ですから、「ガンダム」シリーズの主題歌を歌うことが決まったときも、アニメに詳しくなかった分、気負わずにいられました(笑)。
── そんな感覚だったんですね。でも「嵐の中で輝いて」は、のちのちガンダムソングの中でも人気最上位曲のひとつになっていきます。 米倉 「嵐の中で輝いて」をガンダムファンのみなさんがずっと愛してくださっていることは肌で感じていましたが、「08小隊」はOVA作品でTVアニメほどの認知度はないと思っていたので、人気投票で上位になったのは、自分の頬をつねって夢じゃないことを確かめたくなるくらいの出来事でした。私にとっては自分のテーマソングのような曲なので、泣けてくるほど光栄でした。
── 自身のテーマソングだと思ったのは、どういう理由からですか? 米倉 私は中学生のときに、将来、絶対に歌手になろうと思ったんです。それまで、どうしようもないくらい恥ずかしがり屋で、人前に出られないタイプだったんですけど、中学校の謝恩会で歌う機会があって、歌ならみんなとコミュニケーションが取れると思ったんですね。その経験が大きな自信になり、人前で笑顔になったり、あがらずにしゃべる練習を始めて、大学時代にオーディションを受けるようになっていったんです。そのころの私は、どうしたら今いる場所から抜け出せるんだろうと思いながら、まさに嵐の中を生きていたので、「嵐の中で輝いて」をいただいたとき、これは私自身のことを歌った曲だと思えて、すごく感動しました。
── そんな経緯があったんですね。「08小隊」はエンディングの「10 YEARS AFTER」も、いい曲でした。 米倉 ありがとうございます。「08MS小隊」はドラマ的にもすばらしくて、主題歌の2曲も作品とぴったりマッチしていたので、改めて、デビュー時からいい作品と巡り会えたんだなと思います。「10 YEARS AFTER」は、「25 YEARS AFTER ~All Time Best~」のタイトルの元ネタにもなりました。