【インタビュー】常に進化を遂げてきた25年。米倉千尋が全60曲収録のベスト盤「25 YEARS AFTER ~All Time Best~」をリリース

2021年04月27日 11:000

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何度も新しい自分を発見しながら、歌ってきました


── 米倉さんが主題歌を歌ってきたアニメの中でも、異色と言えるのが「よんでますよ、アザゼルさん。」だと思います。Team.ねこかん[猫]とのコラボで「ぱんでみっく!!」(TV第1期)、「りばいばる」(TV第2期)、「ミラクル とらぶる New Face!」(OAD)と、オープニングテーマ3曲を歌われました。

米倉 「アザゼルさん。」はまず原作の漫画を読んで、大ファンになったんです。キャラクターはかわいいのにギャグはお下劣で、「ヤバイ!最高!」と思い(笑)、アニメに関われるのが楽しみになりました。さらに、「ぱんでみっく!!」は、Team.ねこかん[猫]くんによる最先端すぎるエキセントリックな曲で、「単純に歌っただけじゃつまらない。これをどう歌おうか?」と悩みに悩みました。それで、アザゼルさんが悪魔探偵の芥辺(あくたべ)さんに召喚されていじめられてダメダメになる感じや、天使的な雰囲気といった作品のいろいろな要素を、歌声を変えることで表現してみたんです。

── 曲の中で歌い方がどんどん変わっていくんですよね。

米倉 そうなんです。Aメロはビブラートをかけて悪魔の声にして、Bメロはいつも通りの私の声、そして、サビは天使のような明るい声というふうに歌い分けてみました。それがスタッフさんにも好評で、TV第2期とOADのオープニングテーマも、悪魔と天使と普段の私の声を使い分けるというスタイルで歌っていくことになりました。声優さんのように、歌声で演じ分けることに初めて挑戦した作品であり、これもまた、私にとってのターニングポイントになりました。

── 声の使い分けは要求されたのではなく、米倉さんからの発案だったんですね。

米倉 はい、誰から言われたわけではなく私の判断で。オープニングテーマを聴いただけで、この作品の面白さが伝わるようにできたらいいなと思いました。

── 「アザゼルさん。」の3曲はDISC 3とDISC4に収録されていて、ベストアルバムはそれを越えると最近の楽曲のゾーンに入っていきます。主にゲーム主題歌で、もっとも長く関わっているのがPCゲームの「9-nine-」シリーズです。

米倉 「9-nine-」は2017年に第1作が発売されてからずっと、オープニングテーマを歌わせていただいているシリーズです。挿入歌やエンディングテーマもすべて歌わせていただいて、ここまで私の歌を必要としてくださったというのは、光栄なことですね。「9-nine-」シリーズの曲には、今まであまり使ってこなかったファルセットが合うと思って、声を出すためにトレーニングに通ったりして、また新たに自分のボーカルを磨くことができた作品になりました。「アザゼルさん。」もそうでしたが、キャリアを重ねていく中で、何度も新しい自分を発見できるというのは、本当に大きな喜びですね。

── お話をうかがっていると、作品との出会いで次々と新しい可能性を見出してきた25年だったということがわかります。

米倉 楽曲制作者の方から「米倉さんだったらもっと歌えるんじゃないかと思って、つい難しい曲を書いちゃうんですよ」というお言葉をいただいたことがあって、私も、現状に満足して留まっているわけにはいかないと思いました。難しい曲やレンジが広い曲をいただいて、うまく歌えたときは、まるで高い山に登ったような達成感があります。

── 特に最近は若いクリエーターが作った曲を歌うことが多くなって、刺激を受けるのではないでしょうか?

米倉 たしかに、自分の発想にはないところから矢が飛んでくるような曲をいただくことが多くなりました。それを歌でしっかり打ち返していくというのは、非常にやりがいがありますね。

── ベストアルバムの収録曲を順番に聴いていると、90年代から現在にいたるアニメ・ゲーム系音楽のサウンドの変遷の歴史が凝縮されていると思いました。

米倉 4枚を通して聴くと、サウンドの変化を明確に感じていただけると思います。それによって、私のボーカルもどんどん進化していって、私自身、25年という時の流れを実感したオールタイムベストになりました。今はサブスクリプションによって、昔の曲も今の曲も並列で聴ける環境になり、逆に昔の曲のサウンド感が瑞々しいものとして、若いリスナーに受け入れられている一面があると思うんです。そんな中でもアニメソングの息は長くて、現在までずっと生き続けている曲がたくさんあるので、その魅力をひとりでも多くの方に感じていただきたいと思います。

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