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「夢幻SPIRAL」のテーマは、己との戦いです
── 収録曲について、1曲ずつお話を聞かせてください。1曲目「∞」はアルバムの序章的なインストゥルメンタルで、2曲目「ENERGY MAKER」からボーカル曲がスタートします。「ENERGY MAKER」も茅原さんの作詞ですね。 茅原 「ENERGY MAKER」は今年作ってもらった新曲なんですけど、曲を擬人化して、それを私が俯瞰しているようなイメージを持ちつつ歌詞を書いていきました。こういう作詞のアプローチは初めてだったので、面白かったです。
── 歌詞に「午前10時刻む音が」と、具体的な時間が書かれているんですけど、どういうイメージなのでしょうか? 茅原 作詞や作曲をしていると気づけば朝になっていて、いつの間にか寝ちゃって、翌日このくらいの時間に目覚めることがよくあったので…(笑)。「“呼ばれた”その日は、とても嬉しかった」というのは、楽曲が生まれてくる瞬間ですね。
── なるほど。茅原さんが神様みたいになって、擬人化された音楽を生み出しているという。 茅原 レコーディングのときも、神の目線になって曲たちを見おろしているような感覚で歌いました(笑)。
── 「ENERGY MAKER」の次が、リード曲の「夢幻SPIRAL」です。この曲のテーマはなんだったのでしょう? 茅原 己との戦いです。詞を書くのも曲を作るのも、歌を歌うのも演奏するのもそれぞれが自分との戦いだと思うんです。そして、個の力が合わさってひとつの曲が完成したときに、とてつもなく強大な力が生まれるんですよね。自分との戦いに打ち勝つためには、日々さまざまな場面で感じている負の感情も正の感情も丸ごと糧にして前に進んでいくんだ! っていう、今私の中にある強い気持ちを歌詞に込めました。Dメロには(グルグルグルグル…)というコーラスが入っているんですが、そこもスパイラルからのインスピレーションで、楽しむことも忘れずに作詞できたと思います。ライブでは、ファンのみんなと一緒に盛り上がりたいです。
── 最初にうかがった、みんなでからみ合って進んでいくという「SPIRAL」のイメージとも重なりますね。歌詞にもサウンドにも、力強さを感じました。 茅原 Elements Gardenの菊田大介さんが作ってくださった楽曲の持つエネルギーに導かれて、どんどん攻める歌詞に仕上がっていきました。
── 「ENERGY MAKER」も「夢幻SPIRAL」も菊田さんの作曲ですが、この2曲だけでなく、今回のアルバムは菊田さんが大活躍なんですよね。 茅原 そうなんです! 7曲目の「奇跡」以外はすべて、菊田さんの作曲なんです。菊田大介 featuring 茅原実里といっても過言ではないアルバムです(笑)。
── 菊田さんの名前が先でいいのでしょうか?(笑)。 茅原 いいんです(笑)。菊田さんは茅原実里の音楽の基盤を作ってくださった方で、今回のアルバム制作に関しても、安心して委ねつつ、ディスカッションを重ねながらスムーズに進めていくことができました。全体を引っ張ってくださいましたね。菊田さんと積み重ねてきた長年の絆があるからこそできたことだと思います。
── 「夢幻SPIRAL」は、MVが作られていますね。かっこいい茅原さんが炸裂、という映像でした。 茅原 見ていただけましたか? ありがとうございます! 「夢幻SPIRAL」は潔くいきたかったんです。髪を束ねてボディスーツで体のラインを出しているのですが、着飾ることなく、これが茅原実里ですっていうシンプルな自分を見せたいなと思いました。赤のスーツは、スタイリストさんとの打ち合わせの中で、メッシュも使って通気性のいいものにしていただいたんですが、MV撮影のときはそれでも暑くて大変でした(笑)。
── 「潔さ」という言葉に納得しました。基本的に演奏シーンのみの直球勝負のMVでした。 茅原 気持ちの面でもビジュアル的にも、自分の輪郭をはっきりと出したいと思いました。進めば進むほどシンプルになってきているのかもしれないですね。