【インタビュー】ニューシングル「天使よ故郷を聞け／HOME」は、今までのMay'nの殻を破る挑戦だらけの1枚に

今の自分よりも若くて未熟な気持ちを歌った曲になりました

── もう1曲、「このままじゃ、だめなんだ。このままじゃ、いやなんだ。」という長いタイトルの曲が、シングルには収録されています。作詞はmeg rockさん、作曲は溝口雅大さんで、May'nさんにとっては初めての作家陣ではないですか？

May'n　はい。御二方とも初めてです。まず、カップリング候補曲としてたくさんのメロディを聴かせていただいた中で、すごく素敵だな、歌いたいなと思ったのが、溝口さんの曲でした。それを聴きながら考えたのは、毎日は選択の連続だなということでした。大きいことから小さいことまで、決めなければいけないことってたくさんありますよね。そうすると当然、迷いや後悔も生まれてくるじゃないですか。そういうマイナスな感情も認めて、私自身が私の選択に対して「わかるよ」って言ってあげたいという歌詞を、このメロディに乗せて歌いたいなと思ったんです。

── その思いが、meg rockさんに繋がっていったんですね？

May'n　私が今までの人生でもっとも悩んだ時期は10代後半から20代前半でした。あの頃の自分は、本当にいろいろなことに対して迷っていたんですね。meg rockさんが書かれたいろいろな曲を聴いて、この方だったら当時の私の気持ちをナチュラルな表現によって代弁してくださるんじゃないかなと思って、初めてお声を掛けさせていただきました。

── ナチュラルな表現とおっしゃいましたが、この曲の歌詞は、同じ言葉の繰り返しが絶妙に効いてますよね。

May'n　「私、何やってるんだろう？」って悩み続けている歌詞をお願いしますと、meg rockさんにお伝えしました。そのときに、最終的にはゴールにたどり着いていただきたいんですけど、果たしてゴールってどこだろうという話になったんです。日々の悩みを恋愛に置き換えた歌詞にすることになったので、だったら相手と付き合い始めるのがゴールなのかなって。でも、私が「どうしよう？」って悩んでいるときのゴールって、これに決めたって思った瞬間なんですよね。ですから、歌詞では「よし、告白するぞ」と自分の中で決めたところまでを描いていただいて、その後はまた次の話という内容になりました。

── そういう曲だったんですね。

May'n　「早く決めなよ、ちゃんとしなよ」って、悩んでいる自分自身にむかついてしまう気持ちも歌詞にはこめられていて、そういういら立ちみたいな感情にも素直に向き合って歌いました。

── 恋愛に持ち込んでしまうと、今の関係が壊れてしまうのを怖がっているようにも感じられました。

May'n　今の自分よりも若くて未熟な気持ちを歌った曲になりました。そういう曲を歌うというのも私にとっては珍しくて、10代後半や20代前半の頃は、むしろ背伸びをして大人の感情を歌いたいと思っていたんです。それが反転したというのは、私にとって新境地でしたし、この長いタイトルも新境地でした。meg rockさんは、私が今までのMay'nの殻を破りたいと思っていることも感じ取ってくださって、タイトルも含め新しい世界を見せてくださったんだと思います。

── ボーカルは焦燥しているというか、つまずきながら前に進んでいる感があります。

May'n　全ワードに力をこめて、「このままじゃ、だめなんだ」という感情を表現しました。同じ言葉が繰り返されるので、どうしようどうしようという焦りが高まっていきますし、「まだ自分はここにいるのか」といういら立ちを歌に乗せることができたと思います。

── 新しい挑戦が詰まったシングルになったということですね。