「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」吉田りさこ監督インタビュー 「魔法科らしさ」はどこに宿るのか?

アキバ総研 | 2017年06月23日 19:00
「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」吉田りさこ監督インタビュー 「魔法科らしさ」はどこに宿るのか?

2014年放送のテレビアニメ「魔法科高校の劣等生」は主人公・司波達也の圧倒的な強さや、ヒロイン・深雪との仲むつまじい兄妹愛が大きな話題を集めた。兄を讃える深雪の「さすがはお兄様です」というセリフはファンの間で流行語となり、電撃文庫より刊行中の原作小説は累計790万部に達する大ヒットとなった。2017年6月17日からはシリーズ初の劇場版「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」が公開され、盛り上がりを見せている最中だ。
アキバ総研では、そんな本作の監督である吉田りさこさんへのインタビューを実施した。テレビシリーズでは各話の演出として携わり、劇場版で初監督を務めたクリエイターに「魔法科」の魅力を存分に引き出した演出術を語り尽くしてもらった。


達也が最強なのは当たり前


── 「魔法科高校の劣等生」のテレビシリーズに参加した経緯を教えてください。吉田さんはたしかコンテと演出を一緒にやられてましたよね?

吉田りさこ(以下、吉田) 総作監の吉川(真帆)さんから紹介されたことがきっかけでした。コンテと演出を同時に手掛けるのは、皆さんスケジュールなど様々な状況により変わるかと思いますが、私は「魔法科」に参加するまでは、どちらか片方だけを担当することが多かったです。テレビシリーズではローテーションのスタッフとして参加させていただくという事もあり、コンテと演出の両方をやりたいという気持ちはありました。 

── コンテと演出は異なるスタッフが担当することも多いです。両方を手がける利点はなんでしょうか?

吉田 ほかの方のコンテを演出する場合は、その意図を汲み取るまでに時間がかかってしまうんです。自分が両方やるのであれば、コンテを切る段階でその作品の世界観やキャラクター、前後のストーリーなども把握しますし、演出時のビジョンも持つことができます。演出家さんの中にはコンテと演出を切り離さないで必ず両方をやるという方もいらっしゃいます。私も実際に経験してみて、両方やったほうが早いなと感じました。とはいえ、ほかの方の描かれたコンテをみるのは、技術的、感覚的な気づきが有り、勉強になります。

── 原作を読まれた感想はいかがでしたか?

吉田 最初に文体がドッシリしているという印象を受けました。魔法の理論について細かく説明されていて、集中して読み込まないとと思いました。理解してやるぞ、と思わせるところも魅力なのかなと。


── テレビシリーズの放送中から話題になりましたが、視聴者の反応は伝わってきましたか?

吉田 まだ作業中だったので自分の担当話数を仕上げることで精一杯でした(笑)。ただテレビシリーズを終えて、なんとかローテーションをこなすことができたかな、と振り返ることはできました。

── 劇場版では監督に起用されました。映画の監督を務めるのは本作が初めてです。

吉田 実は「魔法科」が映画化することと、自分が監督だと知ったのは同時だったんです。キャラクターデザイン・総作画監督の石田(可奈)さんから“次の「魔法科」” のお仕事があるという話を聞いていましたが、その時点では2期かOVAかなと思っていました。だから次回作が劇場版で、しかも私が監督だと聞かされてビックリしました。私が子供のころに見ていた劇場作品に携わっていたのはすごい方々ばかりなので、分不相応なお話しをいただいたなと……。

── テレビと映画では違ったものが求められると考えていたのでしょうか?

吉田 テレビの画面と映画館のスクリーンではサイズがまったく違うので、絵がきれいであることは大前提ではないかと思います。テレビでは気にならなかった部分も丁寧に仕上げないとアラが見えてしまいます。キャラクターのどアップも、テレビで見ると気にならなくても、劇場の大きいスクリーンでみるとお客さんも「わっ」となってしまうのではないかなど、いろいろなことを考えましたが、あまりとらわれ過ぎると今度は何もできなくなってしまうので、結局は好きなようにやってしまったかもしれません(笑)。あとテレビシリーズでは自分の話数だけを把握していればよかったのですが、今回は監督として全体をまとめなければいけないという役職上の違いもありました。

── 劇場版の制作にあたっては何を軸にして作品を作り上げていきましたか?

吉田 テレビから引き続き、「『魔法科』らしさ」を大切にすることです。物事を決めるときには「魔法科」として違和感がないものを選ぶようにしました。その感覚は今回の劇場版にもテレビシリーズのメインスタッフの方々がいらっしゃったおかげで、随所で共有できたと思います。「達也だったらこんなことはしないだろう」といった行動や性格についてだけではなく、キャラクターの細かな仕草も「『魔法科』らしさ」の中に含まれています。とりわけポーズはキャラクターを表現する重要な記号ですから、できるだけカッコよく見えたり、かわいらしく見えたりするように気を付けました。石田さんに「このキャラクターにこのポーズはありですか?」と相談したこともありましたね。

── 達也の最強っぷりも「『魔法科』らしさ」のひとつでしょうか?

吉田 そうですね。でも「魔法科」という作品にとって達也が最強なのはごく普通のことだと思っています(笑)。当たり前のことなので、わざわざ強さをひけらかす必要すらないんです。特別に意識をしなくても、自然と最強になっている感じでしたね。

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