ここからさらに未来へ。5周年を迎えたナノが、力作「The Crossing」をリリース！

自分で作詞作曲した「Milestone」は、一番歌うのが難しかったです

── 次の「Milestone」は、作詞だけでなく作曲もナノさんです。

ナノ　アルバムの中では爽やかなイメージの曲になりました。ロックを歌い続けているんですけど、今まで自分が聴いてきた音楽はむしろこういう曲調が多くて、自分らしい曲になりました。

── ナノさんにとっては、素に近いサウンド感になったと？

ナノ　龍田洪さんの編曲でオシャレな雰囲気になってはいるんですけど、かっこつけていない自分の素が出ていると思います。自分が作曲した時よりもテンポが上がっていてリズムも際立っていたので、アレンジを最初に聴いた時は意外に感じて。でも、聴けば聴くほど、前へ前へと進んでいく感じが「Milestone」という歌詞のテーマには合っているなと。

── 「Milestone」は日本語で言うと「一里塚」。それが繋がって音楽の道が続いているという歌詞ですね。

ナノ　次のマイルストーン、さらに次のマイルストーンに、立ち止まることなく未来だけを見つめて進んでいくという歌詞なので、このテンポ感でよかったと思いました。

── 自分自身で作曲されたので、レコーディングでは歌いやすかったのではないですか？

ナノ　いえ、逆に一番苦労したかもしれないです。自分が作り出した世界だから、自分だけにしか正解がわからなくて。歌いながら、それを探っていくしかありませんでしたし、自分の曲だから演じることができないんですよね。どれだけ歌っても完成させることができたのかどうかわからないという感覚で、後を引くものが大きくて。でも、仕上がった曲を聴いたら、これでよかったんだと思いました。自分にとっては、一番生々しい曲ですね。

── 素が出すぎてしまって。

ナノ　むき出しの状態で歌っていると、どんどん自信がなくなっていくというか、そんな姿は誰にも見られたくないというか。でも、そこは乗り越えなくてはいけない課題で、この曲を歌えたことはよかったと思います。

── 次は、ゆよゆっぺさんの作曲・編曲による「Pentagram」。

ナノ　この曲は5周年のテーマ曲です。「Pentagram」は点と点を5つ繋ぎ合わせてできる星なので、5周年にぴったりだなと。ゆよゆっぺさんのデモを聴いた時に、これもまたストライクの曲で、世界観が見事にできあがっていました。もともとアルバムを作る時に、5周年のテーマ曲を作ろうと思っていたんですけど、この曲を聴いた瞬間に、これだなと。パワフルで愛に満ちていて包容力があって、歌詞を書くのが楽しみになりました。

── そしてラストがタイトル曲の「The Crossing」。壮大な曲になりましたね。

ナノ　歌詞は「死別」をテーマに書こうというインスピレーションがあって、そこからイメージが広がっていった曲です。今回のアルバムでは、今までに書いたことのないテーマに、1曲は必ず挑戦したいと思っていたんです。戦いとか自分との葛藤は、今までもいろいろな形で書いてきたんですけど、喪失、訣別というのはテーマにしたことがなくて。生きていくうえで必ず経験しなければいけないことであり、誰もが共感できる歌詞になるんじゃないかと思いました。

── 作曲・編曲は、SHO from MY FIRST STORY。ナノさんとは関わりが深い方ですね。

ナノ　楽曲には爽やかな印象があって、だからこそ歌詞のテーマを重たくしたいなと。聴けば聴くほど、自分の中で納得がいく曲ですし、人の心にスッと入っていく曲になったと思います。リードトラックにふさわしい１曲です。