【季節を楽しむオススメ作品第6回】食欲の秋到来! 食は人生。その奥深さを味わうグルメアニメ

アキバ総研 | 2015年09月14日 19:00
【季節を楽しむオススメ作品第6回】食欲の秋到来! 食は人生。その奥深さを味わうグルメアニメ

四季折々、この時期にこそ楽しめるアニメがある! 季節の話題にまつわる新旧の良作品をアニメライターが紹介します。

すっかり涼しくなってきて、季節は「食欲の秋」。食の楽しみや幸せを、アニメはさまざまなキャラクターやドラマ、五感に訴える描写で見せてきました。幅広い作品を見比べて、その奥深さにひたってみませんか? さあ、お好きな一皿から召し上がれ♪


食戟のソーマ」(2015年放送)


定食屋「ゆきひら」の二代目、幸平創真(ゆきひらそうま)は、料理人の父のすすめでエリート料理学校「遠月学園」に編入しました。実地で磨いた料理センスと度胸をあわせ持った創真は、学園で同年代のライバルや、生活を共にする寮の仲間たちと出会い、「食戟」と呼ばれる料理対決を経て成長していきます。目指すは、学園のトップ「遠月十傑」の第一席!

 

「週刊少年ジャンプ」連載のコミックが原作の「料理対決もの」であり、寮生活を中心とした学園もの。「努力・友情・勝利」をきっちり押さえた王道エンターテインメントです。

 

原作からして、美味の極限描写が、脱いだりイっちゃったりで「無駄にエロい」と話題でしたが、アニメでもそのセンスは健在。キャラクターも、イケメンもかわいい女の子もそろっていて、男子も女子も笑って楽しめます。個人的なオススメは、最初はダメダメだけれど料理人としても人間としてもきっちり成長していく、田所恵ちゃんです。



幸腹グラフィティ」(2015年放送)


料理上手な中学生の町子リョウは、一緒に暮らしていた大好きな祖母が亡くなって1人暮らしになってから、どんな料理も美味しいと思えなくなってしまいます。でも同い年のはとこである森野きりんが泊まりにきたことで、リョウはご飯のおいしさ、あたたかさを思い出します。リョウの友人の椎名も仲間に加わり、食でつながるあたたかい青春の日々が始まります。

4コマ漫画が原作で、かわいい女の子いっぱいの食の青春模様。料理の質や味つけではなく、「寂しいときに誰かと一緒に食事をすることで、あたたかい気持ちになれる」をテーマにしているところがユニークです。あたりまえのようで一番大事な「食べる幸せ」について考えさせられます。

食事シーンがじっくり描かれていて、なかなかつやっぽい一面も。四季折々の食材を、自分で料理して、仲のいい人と楽しく食べるおいしさが、ふんだんに伝わってきます。


ミスター味っ子」(1987年放送)


味吉陽一は、母とふたりで日之出食堂を切り盛りする中学生で、「ミスター味っ子」と呼ばれる天才少年料理人。味皇料理会の「味皇」こと村田源二郎に見いだされて、数々のプロの料理人たちと味勝負を繰り広げていくことになります。

すべてのグルメアニメの源流とも言える、まぎれもない名作です。「うーまーいーぞーーー!」と叫ぶ味皇が、口からビームを放ち、爆発し、花の中から登場し、山を駆け上り、ふんどし一枚になり、恍惚となって宇宙を飛び深海をたゆたう。「おいしい!」というリアクションをいかにアニメで表現するか、全99話を通してありとあらゆる描写と演出が極めつくされ、のちの作品に多大な影響を与えました。

パロディやお遊び満載の明るく楽しいシリーズの終盤は一転、驚きのシリアス展開となります。味皇が記憶を失い、ライバルたちは失意のうちに散り散りに去り、陽一の母親が丸井シェフに求婚され、幼なじみのしげるが交通事故に。これでもかというドン底展開の中で、最後に陽一がたどりついた真実、作った一品の料理とは……? 原作コミックとは異なるアニメ「ミスター味っ子」のラストは、なかなか渋く奥深いので、機会があればぜひご覧ください。


美味しんぼ」(1988年放送)


東西新聞文化部の記者、山岡士郎と栗田ゆう子は、新聞社の創立100周年記念事業として「究極のメニュー」を作成することになりました。そこへライバル紙の帝都新聞が「至高のメニュー」という企画を立ち上げたため、「究極」VS「至高」の料理対決が始まることに。「至高のメニュー」を監修する美食倶楽部主宰の海原雄山は、士郎が絶縁した実の父親。料理対決は親子対決の様相も呈します。

「ミスター味っ子」の1年後にスタートしたグルメアニメで、こちらは「おいしい」の描写をもっとリアルに大人向けになっていました。栗田ゆう子の、決して大仰ではない感情のこもった「おいしい!」という一言を聞くと、ついその料理が食べたくなります。

食に対するうんちくがたっぷりで、「至高」「まったり」などの流行語も生み出した話題作。原作コミック(ビッグコミックス)第36巻までのエピソードがアニメ化されています。


トリコ」(2011年放送)


世は、美食が世界に普及した「グルメ時代」。ホテルグルメの料理長を務める青年・小松は、未知の食材を求めて冒険する美食屋のトリコと出会い、彼の旅に同行することになります。捕獲の難易度が高い食材である、秘境に生息する猛獣や植物を追い求めながら、小松は「美食屋四天王」と呼ばれる、国際グルメ機関IGOに所属のトリコの仲間たちと出会っていくことに。そして一行は行く先々で、トリコたちが所属するIGOと対立する組織・美食會の美食屋と、食材をめぐってバトルを展開します。

食を「冒険」と肉弾戦的な「バトル」「ヒーロー」に直結させた、異色のグルメアニメ。食材は見上げるような怪物であり、倒すことによって世にもまれなる美味を味わえる、あるいは依頼人から与えられた任務を遂行できる、報酬がもらえるために、筋骨隆々とした男どもが力を尽くして戦うシーンが続きます。破天荒な設定に見えて、食べることは命の源であり、野性とつながっているという真理にもつながっています。

子どもがワクワクするモンスターとアクション満載のアニメですが、「食べる前には手を合わせて『いただきます』という」「食材に敬意を払って残さず食べる」という心を教える、意外や、教育的な“よい子のアニメ”だったりもします。



夢色パティシエール」(2009年放送)


14歳の女の子、天野いちごは、一流パティシエのアンリ・リュカスにスカウトされて、聖マリー学園に転入。そこで、見た者は夢が叶うといわれる伝説のスイーツ精霊(スピリッツ)と出会います。同級生は、「スイーツ王子」と呼ばれる3人の男の子たち。スイーツ精霊のバニラと共に、いちごはお菓子作りの道を一歩ずつ進んでいきます。夢は、亡くなったおばあちゃんが作ってくれたいちごタルトの味を再現すること!

こちらは、「りぼん」連載コミックが原作の少女アニメ。小学生女子のなりたい職業No.1「パティシエール(菓子職人「パティシエ」の女性形)」を題材にして、妖精も魔法もかっこいい男の子も登場するという、女の子の夢をいっぱいに詰め込んだ作品です。主人公のいちごが、一生懸命努力して成長していく、少女アニメの王道作品。見ているといちごと一緒に、スイーツの知識をいろいろ学ぶことができます。

第2期として続編の「夢色パティシエールSP プロフェッショナル」(2010年放送)も制作されました。2年間のパリ留学を終えて帰国し、高等部1年生となったいちごが、樫野や仲間とともに新しいショップをまかされることになる話。恋バナもちょっとあって、成長したいちごが見られます。


西洋骨董洋菓子店~アンティーク~」(2010年放送)


会社をやめて洋菓子店を開くことにした橘圭一郎のために、裕福な親が連れてきた天才パティシエの小野裕介は、なんと橘が高校生のときにふったゲイでした。改めてビジネスパートナーとなったふたりのところに、元ボクサーのパティシエ見習いの神田エイジ、橘の幼なじみでお目付役の小早川千影が集まってきて、イケメン4人が働く洋菓子店が誕生。店と4人を中心とした人間模様が描かれます。

「魔性のゲイ」である小野の恋愛ネタも絡みますが、いわゆるボーイズラブ作品ではありません。大事件は起こらず、心にそれなりの傷を抱えたオトナたちが、そこから目をそらしたり、見つめ直したりするような小さなドラマが描かれます。終盤は、小さいころに誘拐された過去を持つ橘を中心とした展開になります。

住宅街の真ん中にひっそりと存在する、深夜まで営業していて終電帰りでも寄ることができる、本格派の洋菓子店「アンティーク」。そこでは本物の西洋骨董で供される珈琲とケーキを、イケメンのサーブで味わえる。オトナ女子やスイーツ好き男子にとって夢の設定といえるでしょう。


リストランテ・パラディーゾ」(2009年放送)


舞台はイタリアのローマ。母親が再婚したため祖父母に預けられて育った娘ニコレッタは、21歳になって田舎から出てきました。母親が再婚したリストランテのオーナーに、妻には娘がいるとバラすつもりです。訪れたリストランテ「カゼッタ・デッロルソ」では、従業員は老眼鏡をつけた紳士ばかり。彼らが目当ての女性客で連日にぎわう、ちょっと変わった店でした。ニコレッタはこの店で見習いシェフとして働きはじめ、いつしかひとりの紳士、クラウディオが気になりはじめます。

人生の酸いも甘いも噛みわけ、品格があってガツガツせず、女性にやさしくかわいらしく、愛も悲しみも知っている。そんな「老眼鏡紳士」の魅力を世間に知らしめた、オノ・ナツメのコミック「リストランテ・パラディーゾ」「GENTE~リストランテの人々~」のアニメ化です。

さまざまな経験を経てきた老紳士たち1人ひとりのドラマは、それぞれにほろ苦いものでした。リストランテでさまざまなことを学んだニコレッタは、少しずつ成長し、変わっていく。しみじみと心癒され、幸せな気分になれます。そして、見ればおいしいイタリアンが食べたくなること請け合いです!


以上、食の楽しみと幸せを味わいつくすグルメアニメ8作品をご紹介しました。

料理を食べる、という行為は本当に奥が深いものです。食材から厳選して、心技体を尽くして調理し、最高の状態で提供するのが一流の料理。極めれば極めたで果てがない。

いっぽうで毎日家庭で大好きな人と味わう平凡な食事に、幸せの原点はすべて入っている気もします。誰かのために、心を込めておいしいものを作る……。食の話を極めると、最後の理想形はそこに行きつく気がします。

原作のコミックに比べると、色と動きと音がつくアニメにおいて、料理の描写はまさに得意技! キャラクターを生き生きと輝かせ、ドラマを盛り上げる「食材」や「料理」のおいしさを、目と耳で存分に味わってください。ただし、うっかり空腹時に見て、お腹がすいてたまらなくなっても責任はとれませんので、そのおつもりで。


(文/やまゆー)

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関連作品

食戟のソーマ

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放送日: 2015年4月3日~2015年9月25日   制作会社: J.C.STAFF
キャスト: 松岡禎丞、種田梨沙、高橋未奈美、石上静香、花江夏樹、小野友樹、櫻井孝宏、茅野愛衣、内田真礼、村田太志、小林裕介、大西沙織、中村悠一、能登麻美子、子安武人
(C) 附田祐斗・佐伯俊/集英社・遠月学園動画研究会

幸腹グラフィティ

幸腹グラフィティ

放送日: 2015年1月8日~2015年3月26日   制作会社: シャフト
キャスト: 佐藤利奈、大亀あすか、小松未可子、井口裕香、小林ゆう、野中藍
(C) 川井マコト・芳文社/幸腹グラフィティ製作委員会

ミスター味っ子

ミスター味っ子

放送日: 1987年10月8日~1989年9月28日

美味しんぼ

美味しんぼ

放送日: 1988年10月17日~1992年3月17日   制作会社: シンエイ動画
キャスト: 井上和彦、荘真由美、大塚周夫、阪脩、加藤精三、嶋俊介、加藤治、富田耕生、若本規夫、渡部猛、佐久間レイ、水原リン、福留功男、島津冴子
(C) 雁屋哲・花咲アキラ・小学館/シンエイ動画

トリコ

トリコ

放送日: 2011年4月3日~   制作会社: 東映アニメーション
キャスト: 置鮎龍太郎、朴璐美、櫻井孝宏、岩田光央、水樹奈々、田野アサミ
(C) 島袋光年/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

夢色パティシエール

夢色パティシエール

放送日: 2009年10月4日~2010年9月26日   制作会社: スタジオ雲雀
キャスト: 悠木碧、竹達彩奈、岡本信彦、山岡ゆり、浜添伸也、飯野茉優、代永翼、三澤紗千香、岸尾だいすけ
(C) 松本夏実 / 集英社・夢色パティシエール製作委員会 2009

夢色パティシエールSP プロフェッショナル

夢色パティシエールSP プロフェッショナル

放送日: 2010年10月3日~2010年12月26日   制作会社: スタジオ雲雀
キャスト: 悠木碧、竹達彩奈、岡本信彦、山岡ゆり、伊瀬茉莉也、小倉唯、陶山章央、茅原実里、代永翼、三澤紗千香、浜添伸也、飯野茉優、矢作紗友里、喜多村英梨、岸尾だいすけ
(C) 松本夏実 / 集英社・夢色パティシエール製作委員会 2009

西洋骨董洋菓子店 ~アンティーク~

西洋骨董洋菓子店 ~アンティーク~

放送日: 2008年7月3日~2008年9月18日
キャスト: 藤原啓治、三木眞一郎、宮野真守、花輪英司、河西智美
(C) よしながふみ・新書館/西洋骨董洋菓子店製作委員会

リストランテ・パラディーゾ

リストランテ・パラディーゾ

放送日: 2009年4月8日~2009年6月24日   制作会社: デイヴィッドプロダクション
キャスト: 折笠富美子、山野井仁、立川三貴、黒田崇矢、喜山茂雄、西松和彦、上田燿司、七緒はるひ、渡辺美佐、乃村健次、沢海陽子、岡和男、木村はるか、中原麻衣
(C) オノ・ナツメ / 太田出版 / リスパラ制作委員会

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