※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。
「にゃらんごろん」は、インディーズ時代の曲を猫言葉でリメイクしました
── 5曲目は「ほしのかけら」(作詞:幹葉・キタニタツヤ、作曲:キタニタツヤ、編曲:If I)。この曲と次の「サヨナラナミダ」(作詞:幹葉・Saku、作曲・編曲:Saku)はTVアニメ「戦翼のシグルドリーヴァ」のための楽曲ですね。7thシングルでダブルA面扱いとなりました。 幹葉 最初に作ったのはエンディングテーマの「サヨナラナミダ」で、「ほしのかけら」はTVシリーズの物語だけでなく、前日譚となる小説版も踏まえて作った挿入歌(第11話で使用)です。
── 制作順に「サヨナラナミダ」からおうかがいすると、この曲はスピラ・スピカにとって初の、バラードによるシングル表題曲になりました。 幹葉 そうですね。そもそもスピラ・スピカにはバラード曲が少なかったし、シングルに入っていてもカップリングでした。ファンの方にとっても、私たちの音楽はハッピーで明るいというイメージが大きいと思うので、バラードをシングルの表題曲にするのは挑戦でしたね。Sakuさんが切ないメロディを書いてくださいました。
── 「ほしのかけら」はいかがでしょうか? 幹葉 ソロアーティストとしてや、sajou no hana(さじょうのはな)などでも活躍するキタニタツヤさんが参加してくださって、ロックな曲になりました。ボーカルも楽器陣も全員が忙しい曲です(笑)。
ますだ 全体的に、とにかく音符の数が多いんです。
── 2曲の歌詞については、いかがでしょう? 幹葉 どちらも「悲しみ」をテーマにしていて、歌詞は対になっているんです。先にできた「サヨナラナミダ」では心の奥底で抱えている静かな悲しみを書いたので、「ほしのかけら」は「なんであのとき、行動できなかったんだろう」という後悔で自分自身を激しく責めている曲にしようと、最初に決めました。そのコンセプトは、歌詞だけでなくメロディやサウンドにも反映していると思います。
── 「ほしのかけら」のサウンド感は、スノーマンというバンド名で活動していたインディーズ時代を彷彿させるということですが? 寺西 そうですね。キタニタツヤさんの曲には、僕らが当時やっていたエモーショナルロックと呼ばれる音楽に近いものがあって、メンバーにとってもなじみやすいサウンド感でした。
── 続いては「にゃらんごろん」(作詞:幹葉、作曲:寺西裕二、編曲:If I)。これも勢いがあって、楽しい曲でした。インディーズ時代に作られた「だらんごろん」という曲のリメイクなのだそうですね。 幹葉 If Iさんにリアレンジをお願いし、私が歌詞を書き直してメンバーと共有しました。もともとの歌詞はファンタジー要素が強かったんですけど、それを現実に即した歌詞に直していったんです。
── タイトルの「だらんごろん」が「にゃらんごろん」に変わっているんですけど、歌詞も「やる気にゃんてにゃーい」みたいな猫言葉が多用されているんですよね。 幹葉 そっちのほうがかわいいし、おもしろいかなと思って(笑)。実は猫言葉に直したのは、いったんメンバーに猫言葉ではない歌詞を共有した後だったので、2人ともびっくりしたと思います。
寺西 いや、さらによくなったなと思いました(笑)。
幹葉 よく聴くと、リアルな猫の鳴き声も入っていて、楽しくてかわいい曲ができました。最近は、休みの取り方もわからなくなるくらい、仕事に追われている方もいるじゃないですか。そんながんばり過ぎちゃう人たちは、ぜひこの曲を聴いて、いったんだらけてほしいなと思います。
── 8曲目は「サークルフィッシュ」(作詞:幹葉、作曲・編曲:重永亮介)。めちゃくちゃ元気で勢いのある曲なんですけど、「スピラ・スピカのライブでもサークルモッシュ(フロアで観客が輪を描いてモッシュする)ができる曲を作ってみたい」というのが、制作の動機だったそうですね。 幹葉 スピラ・スピカのライブは、みんなで一緒に「楽しい」を作ることを大切にしていて、過去には一緒にじゃんけんをする曲とか、私の出身が徳島やけん、一緒に阿波踊りをする曲を作ってきたんです。アルバムを作るにあたって、「新たな『楽しい』がそろそろ欲しいな、何かないかな」と考えて、スピスピのライブでサークルモッシュが起こったら、めっちゃおもしろいなって思ったのが、きっかけでした。
寺西 うん、それは確かにおもしろい(笑)。
幹葉 でも、スピラ・スピカのお客さん的に、そこまで激しいモッシュは危ないから、「安全にゆっくり回るものって何だろう……、回転寿司か!」と思いついて、歌詞は回転寿司をイメージして書きました。
── そこもこの曲のおもしろいところですよね。回転寿司について歌っているんですけど、恋愛の歌でもあるというのがいいなと思いました。 幹葉 回転寿司だけに、いろいろなネタを仕込んでみました(笑)。何度も聴いて、深読みしていただきたい曲です。
── ユーモアたっぷりの曲で、「にゃらんごろん」と並んで収録されているというのも楽しかったです。 幹葉 しかも、シリアスな「サヨナラナミダ」からのこの2曲ですから。ここの曲順は完全に狙いました(笑)。