【インタビュー】夏川椎菜が2ndアルバム「コンポジット」をリリース。喜怒哀楽をテーマに感情をゆさぶる楽曲が並んだ、パワフルな1枚に！

「ナイトフライトライト」は、バンド「ヒヨコ労働組合」が好き勝手に演奏してくれました（笑）

── 10曲目は「すーぱーだーりー」。これも夏川さんの作詞です。ここから先が最後の「楽」のパートですね。

夏川　「すーぱーだーりー」は最近ほとんど歌っていなかった、かわいい系の曲です。ソロデビュー当初から聴いてくださっているファンの方に、「今も、こういう系統の曲を歌うんだ」と喜んでいただきたいなと思って、アルバムに入れました。むしろ今やっておかないと、今後はさらに、かわいい系の曲をやりにくくなるような気がするんです（笑）。

── 夏川さんはかわいい系の曲から離れてしまったんじゃないかという誤解を消しておきたいということですね。

夏川　私自身、かわいい系の曲も好きですから！　ただ、シングルの内容的にカップリングさせづらい時期が続いていたので、今回のアルバムがいい機会になりました。新曲にかわいい系の曲があることで、「Daisy Days」や「フワリ、コロリ、カラン、コロン」、「グルグルオブラート」といった初期のかわいい系の楽曲を、ライブのセットリストに組み込みやすくなるという思いもありました。

── 歌詞は、どういうイメージで書きましたか？

夏川　単にかわいいだけじゃない私らしさを加えました。今の私がこういう系統の曲を歌うなら、こんな感じになりますよというメッセージが、歌詞には込められています。

── 11曲目は「That’s All Right !」。5thシングル「クラクトリトルプライド」のカップリング曲で、山崎真吾さんの作詞・作曲・編曲です。歌詞には英語が多めに使われ、曲調的にもアルバムの中でもっともおしゃれな感じになっています。

夏川　「楽しい」というより「楽にいきましょう」というほうの「楽」で、力を抜いて歌える曲にしていただきました。サビではシンプルに「That’s All Right !」というタイトルのフレーズを何度も繰り返していて、みんなにもリラックスして聴いていただけると思います。簡単な振りを付けて、お客さんと一緒に踊れるようにしたので、ライブで一緒に楽しんでもらいたいです(※すでにPre-2ndで披露済みなので)。

── 続いては「ナイトフライトライト」。ワタナベハジメさんの作詞で、川口圭太さんの作曲・編曲です。

夏川　ワタナベさんには、私がPre-2ndで感じたことを、作詞していただきました。ライブがいつものようにできない悔しさもありつつ、やっぱりこの場所が大事なんだという私の思いを、うまく歌詞に織り込んでいただけたと思います。作曲・編曲の川口圭太さんは去年7月のライブのバンド隊「ヒヨコ労働組合」のメンバーですし、レコーディングには「ヒヨコ労働組合」のほかのメンバーも参加してくれて、みんなのライブへの思いが込められた曲になりました。

── 楽器の音がいろいろ入っていて、しかも、すごく自由に弾いているんですよね。「ヒヨコ労働組合」のみなさんの楽しんでいる感が伝わってきました。

夏川　ライブのノリのままレコーディングしたという感じで、みんな、かなり好き勝手に演奏してましたね（笑）。自然と私の歌い方もライブに近くなっていきました。

── そしてラストが「クラクトリトルプライド」です。作詞が夏川さん、作曲が田淵さん、編曲がHAMA-kgnさんという布陣ですが、改めて、この曲への思いをお聞かせください。

夏川　だいたいの曲はラスサビでもっとも熱量が高くなって、歌うのも大変になるんですけど、「クラクトリトルプライド」は出だしから1サビまでが一番難しくて、そこを越えれば逆に楽になってくるという珍しい構成になっているんです。とは言っても、ものすごい体力が必要なとんでもない楽曲で、ライブで歌うと死にそうになります（笑）。しかも、田淵さんには「ライブの最後に歌う、大団円の曲を書いてください」とお願いして作っていただいたので、セットリスト的にもきついところで、この曲がやって来るんです。そういうこともあって、私を一気に成長させてくれた曲になりました。


── 「はったりで、ぶっただけ、くっだらね」という歌詞から始まるパートが、おそらくもっとも難易度が高いですよね。

夏川　その通りで、自分で歌詞を書いていなかったら、ここは歌えなかったんじゃないかと思います。

── 歌詞全体については、どのように捉えていますか？

夏川　1stアルバムから2ndアルバムまでの3年間の心境の変化が、一番凝縮されている歌詞になっていると思います。そういう意味では、今の私のテーマ曲と言っていいんじゃないかなと。

── やっぱり、アルバムのラストを飾るにふさわしい曲なんですね。

「Pre-2nd」ツアーのライブ映像は、自分を勇気づけてくれる映像でもあるんです

── 完全生産限定盤のBlu-rayには、先ほどもお話に出た去年7月のライブ「夏川椎菜 Zepp Live Tour 2020-2021 Pre-2nd」@Zepp DiverCity(TOKYO)の映像が収録されています。

夏川　2度の延期の後、やっと開催できたツアーで、当日もいろいろな制約がある中でやらせていただきました。だから、悔しい思いもいっぱいあったんですけど、たくさんの人の助けによって完走できて、しかもこうやって映像に残すことができたのは、大きな意味があることだと思います。私にとっては初めて生バンドを背負って開催したツアーで、たくさん成長させていただきましたし、いろいろな事情で現場に来ることを断念したファンの方も多かったと思うので、アルバムの特典Blu-rayという形でみんなに見ていただけるのは、すごくうれしいです。

── コロナ禍の今、ライブ映像を公式で出してくれるのは、本当に助かります。

夏川　私が音楽活動をしていく中で大事にしているのが、昔の映像を公式の形でちゃんと残して、最近知った人も手軽に初期から私の曲を追える状態を作っておくことなんです。それに、もし今後、私が歌への自信を失ってしまうことがあっても、この映像を見ることによって勇気づけられると思うんですよね（笑）。

── それだけいいライブだったということですね。完全生産限定盤は、ほかにも特典が盛りだくさんです。

夏川　ブックレットや缶バッジ＆ピンバッジ、それからバッジ類を飾れる「総督ファブリック」と、いろいろな特典が付いてきます。それらがスペシャルボックスに収納されているんですけど、このボックスは今までの夏川のCDを収納できるボックスでもあるんです。どのアイテムもぜひ、普段使いしていただきたいですね（笑）。

── 2022年4月17日には、恒例のイベント「令和4年度417の日」の開催が決まっています。この日を楽しみにしているファンが多いと思うので、最後に抱負をお聞かせください。

夏川　今年はビッグ417の日（令和4年1月7日）が年明けにあり、2月には2ndアルバム「コンポジット」のリリースがあり、その先にはアーティスト活動5周年も控えているんですよね。私にとってもヒヨコ群にとってもメモリアルな年なので、「417の日」も今まで以上に盛り上げていきたいと思います。私の頭の中には、会場のみんなを幸せにする、バカバカしい企画のアイデアがいろいろあって、スタッフからのＯＫが出ればいいなと思っていて（笑）。「417の日」、ぜひ遊びに来てください！。

夏川椎菜プロフィール

なつかわしいな／1996年7月18日生まれ。千葉県出身。
TrySailのメンバーとして、2015年から歌手活動をスタート。2017年4月5日、1stシングル「グレープフルーツムーン」をリリースし、ソロとしての活動も始める。現在までに、フルアルバム1枚、シングル5枚、EPシングル1枚をCDリリース。また、2021年には、初となるバンドを背負ったZeppツアーを完遂。そのときの音源をEPシングルとして配信限定リリース中。

CDデータ

2ndアルバム「コンポジット」

〈収録曲〉
01. ハレノバテイクオーバー
02. 烏合讃歌
03. アンチテーゼ
04. トオボエ
05. RUNNY NOSE
06. サメルマデ
07. 奔放ストラテジー
08. ミザントロープ
09. ボクはゾンビ
10. すーぱーだーりー
11. That’s All Right !
12. ナイトフライトライト
13. クラクトリトルプライド

〈Blu-ray収録内容〉

・「ハレノバテイクオーバー」Music Video
・「夏川椎菜 Zepp Live Tour 2020-2021 Pre-2nd」@Zepp DiverCity(TOKYO) ライブ映像　※完全生産限定盤のみ
・「ハレノバテイクオーバー」Music Video Making　※初回生産限定盤のみ

〈完全生産限定盤 詳細〉

インフォメーション

■「令和4年度 417の日」
2022年4月17日(日) 千葉・森のホール21 (松戸市文化会館)
※詳細はオフィシャルサイト https://www.natsukawashiina.jp まで

（取材・文／鈴木隆詩）