「美樹本晴彦アニメ作品人気投票」結果発表！ 「カバネリ」と「マクロス」が1位を争うデッドヒートを展開！

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2021年11月19日～12月3日にかけて開催されていた、アキバ総研公式特別投票企画「美樹本晴彦アニメ作品人気投票」。その結果について発表しよう。

結果を見る前に、まず美樹本晴彦という人物について、もしかしたら知らない方もいるかもしれないので、簡単に説明しておこう。美樹本晴彦さんは、日本のアニメ界では「レジェンド」と言っていいほどの名声を築いたキャラクターデザインの巨匠である。その名が一躍知られるようになったのは、スタジオぬえが手がけた「超時空要塞マクロス」（1982）で、マクロスに登場する人物、特にヒロインのリン・ミンメイのカルト的な人気とともに、その作風が世に知られ、多くのアニメファンが美樹本さんの描くキャラクターの、当時としてはやや線が多めのタッチの虜になった。その後も、マクロスの後番組として放送された「超時空世紀オーガス」（1983）、さらにはOVAとして一世を風靡したSF作品の金字塔「メガゾーン23」（1985）、ガイナックスの出世作として知られるOVA「トップをねらえ！」（1988）とキャラクターデザインを担当し、これら80年代アニメを通じて、その名声は確固たるものとなった。

その後、2000年以降は、しばらくアニメ業界からは遠ざかっていたようだが、近年では、WIT STUDIO制作の「甲鉄城のカバネリ」（2016）でキャラクター原案として登場。さらに、今年は「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」（2021）のキャラクターデザイン原案としても活躍しており、往年のアニメファンを大いに喜ばせたのが記憶に新しい。

そんな美樹本晴彦さんの参加したアニメ作品で、アキバ総研ユーザーが好きと思った作品はどれになるのだろう。まずは、ベスト10の結果を見てみよう

1位：「甲鉄城のカバネリ」･･････38票
2位：「超時空要塞マクロス」･･････37票
3位：「タイタニア」･･････31票
4位：「トップをねらえ!」･･････22票
4位：「零花」･･････22票
6位：「超時空世紀オーガス」･･････14票
7位：「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」･･････13票
8位：「マクロス7」･･････11票
9位：「メガゾーン23」･･････6票
10位：「超時空世紀オーガス02」･･････4票

この結果を見てもおわかりのように、2作品が1票差で首位を争うという展開になった。そんな僅差で1位を獲得したのは、最近の美樹本作品として知られる「甲鉄城のカバネリ」。2016年放送の作品だけあって、多くのユーザーの記憶に残る1本だったのだろう。また、美樹本作品の多くを占める80年代アニメとは違い、CGをベースにした技術革新がなされている現代のアニメ作品である本作では、美樹本さん本来の線が多く細かいキャラデザインが、むしろリアルに浮かび上がってくるようでもあった。なお本作は、「進撃の巨人」のアニメ化を成功させたWIT STUDIOと荒木哲郎監督とのタッグ作品で、そこに美樹本さんのキャラ原案が加わったことで、実に印象深い作品になったことを付け加えておこう。

そんな「甲鉄城のカバネリ」とデッドヒートを演じた2位には、美樹本アニメの代表格である「超時空要塞マクロス」がつけた。超有名作なので多くを語る必要はないだろうが、まさに日本のアニメ史をさまざまな意味で変えた作品である。実在の兵器のような形から変形する主役メカ、人類とはサイズ感の異なる異星人、巨大宇宙戦艦の存在、そして何より、戦争と日常という2つの要素をうまく組み合わせ、その中で紡がれるラブストーリーと、「歌」の存在。この記念碑的作品を成功させられた大きな理由のひとつに、美樹本さんが描く、これまでのアニメとは違うキャラクターの存在があったことは言うまでもない。

この2作品がデッドヒートを演じたその裏で、着実な投票を重ね3位にランクインしたのは、「タイタニア」（2008）だ。ややマイナーな作品かもしれないが、「銀河英雄伝説」で知られる田中芳樹さん原作によるスペースオペラ的作品で、マクロスを手がけた石黒昇さんが監督を務めたという伝説的作品だ。本作でも、美樹本さんはキャラクター原案として参加しており、本作の壮大な世界観に花を添えている。

このほか、4位には、ガイナックス制作によるSF作品の金字塔「トップをねらえ！」がランクインしたほか、マクロスのメカ担当アニメーターとしてその名を確固たるものとした板野一郎さんと美樹本さん（キャラクターデザイン）がタッグを組んで制作したOVA作品「零花～rayca」（2001）が同じく4位にランクインするなど、なかなかマニアックな投票結果となった。

その他の投票結果は、下記ページをご覧いただきたい。