【インタビュー】亜咲花、19歳の“今”を詰め込んだ初のミニアルバム「19BOX」をリリース！

「valkyrie PARTY」は、音源化が特に望まれていた曲です

── 4曲目からタイアップ曲が並んでいます。「valkyrie PARTY」は「RejetシチュエーションCD 第七特命課『十狂セメタリー』」のテーマソングです。作詞を亜咲花さんがされていますね。

亜咲花　作品が刑事モノということで、刑事と犯人、追う者と追われる者の関係性を表現したいなと思いました。高校3年生の冬で、冬休みの課題に追われながら作詞をして、本当に大変だったのを覚えています。でも、RejetさんのCDは以前から好きで聴いていたので、歌わせていただけることが本当にうれしかったです！ Rejetさんの歌詞は当て字が多いですよね（笑）それを見ていたので、私も当て字を多く使った歌詞にしました。

── 「偽善者」と書いて「ヒト」とか、「虚空」と書いて「そら」とか、「悲劇」と書いて「ノイズ」とか。一番個性的だなと思ったのは、「洗脳てくれてた」を「おしえてくれた」「うたってくれた」という2通りの読み方をしているところです。

亜咲花　自分でもいい言葉のチョイスができたと思っています。オタクをしていた経験が生きました。中二病っぽくもあるんですけど、そこは振り切って書きました。

── ボーカルは、かっこいい方向に寄せてますね。

亜咲花　はい。でも、最初の4行は「壊れかけた少女が語りかけているような感じで」というディレクションでバックの音の静かなので、雰囲気を変えて歌いました。

── この曲も、演じるように歌った曲ですね。

亜咲花　等身大の自分を出せる部分はまったくない曲です。高校卒業間近の忙しい時期に制作していたので、かえって現実逃避できました（笑）。この曲はファンのみなさんから厚い支持をいただいていて、早く音源化してほしいという要望がたくさんあったんです。また、女性のリスナーさんに私を知っていただくきっかけの曲にもなりました。

── ファン待望の音源化なんですね。次は「CITYSCAPE」。乙女ゲーム「Collar×Malice –Unlimited-」のエンディングテーマ1です。

亜咲花　「Collar×Malice –Unlimited-」は人気の作品で、主題歌を歌うことが決まってから私もプレイしてみました。男女2人が辛い経験を乗り越えて、この先、明るい未来をともに歩んでいこうハッピーエンドの曲なんですね。プレイヤーがいろいろな攻略をして、やっと2人を幸せに導けたというときに流れるので、神様とか太陽のような大きな存在が2人に微笑みかけているような歌声を意識しました。

── 包み込まれるような、やさしい歌声でした。

亜咲花　いつものように力強く歌う曲ではないなと思いました。でも、英語詞も入っていますし、亜咲花色をボーカルでも忘れないようにしようと。包み込む歌声と自分の持ち味のバランスに気をつけて歌いました。

── 次は、ゲーム「勇者ネプテューヌ 世界よ宇宙よ刮目せよ!! アルティメットRPG宣言!!」のエンディングテーマ「Never ending true stories」。

亜咲花　ピコピコです。この曲も、今までの自分にはなかったジャンルでした。歌詞はゲームのキャラクター視点で描かれていて、ゲームが終わってエンディングを聴いたとしても、またもう一度会いにきてよねという内容です。

── キャラクターがプレイヤーに語りかけているような曲ですね。

亜咲花　はい。「もっと遊んでよー！」って。そういう無邪気な気持ちをこめて、歌いました。歌詞が天真爛漫なのでボーカルもとても明るくなっています。

── ミニアルバムのラストは「Place of promise」。ゲーム「夢現Re:Master」のオープニングテーマで、壮大な曲です。

亜咲花　「夢現Re:Master」はふんわりした、女の子同士の恋愛のゲームなので、とても柔らかな曲になりました。でも、女の子同士とか、逆に男女の恋愛とか関係性を限定せずに、リスナーのみなさんが自由に相手の姿を想像できるような曲にしたくて、恋愛という大きなくくりで歌うように心がけました。「恋ってこうだよね」というように、漠然とした恋のイメージを思い浮かべつつ歌ったという感じです。

── 4曲目から7曲目は制作順に収録されているということでしたが、「Place of promise」はラストを飾るにふさわしい曲ですよね。

亜咲花　そうなんです！　この曲は2018年の秋にレコーディングしました。実はレコーディング前にゲームのイベントがあって、そこで一度披露しているんです。お客さんの前で歌ってからのレコーディングだったので、曲の感触がすごく掴めていて歌いやすかったです。

── つまり、ディレクターさんと細かく作り上げる前に、自分なりの歌を作って、みんなの前で披露していたということですね。

亜咲花　はい、自分で固めていきました。ですから、レコーディングでは「亜咲花の好きなように歌って」と、私に任せていただけました。

── 落ち着きがあって、印象深いボーカルになっていると感じました。今の季節に聴くのが合う曲でもあるんですよね。

亜咲花　冬の曲です。やさしい気持ちになれる曲なので、みなさんに聴いていただきたいです。

── この曲は間奏のギターも大好きです。

亜咲花　わかります！　2番が終わった後の間奏部分ですよね。かっこよくて、私も大好きです。

── 全7曲、本当にいろいろなタイプに分かれていて、聴き応えがありました。

亜咲花　最初にお話しした通り、この7曲で亜咲花の全部を知っていただける、そんなミニアルバムになりました。