アニソンシンガー・TRUEがたどりついた風景とは……「TRUE TOURS 2018~Lonely Queen's Libration Party~」東京公演レポート!

2018年08月10日 13:170

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

アニソンシンガー・TRUEさんが、最新の3rdアルバム「Lonely Queen’s Liberation Party」を引っさげてのツアーを開催。2018年7月29日に、東京・LIQUIDROOMにてツアーファイナルを迎えた。

数多くのアニソンを歌ってきたTRUEさんだが、ライブ会場もどんどん大きくなり、この日も晴れてソールドアウト。その勢いは増すいっぽうだ。今回は大きな歌声とクラップ、そして笑顔に包まれたツアーファイナルの模様をレポートする。

 

孤独な女王の見せる圧倒的なパフォーマンス!

会場が暗転すると大きな拍手と歓声が起こる。美しいピアノの旋律が響き渡るなか、ゆっくりとTRUEさんがセンターに歩みを進める。待ち望んだ歌姫の登場にさらに大きな声が上がり、「Lonely Queen’s Liberation Party」からライブが始まる。ゆったりとした曲ながら、圧倒的な声量と力強いボーカルに会場が震える。背後から強く照らされる光に包まれる姿に、神々しさすら感じた。

 

「今日はツアーファイナル。最後まで心を込めて歌います」と宣言してライブを再開。クラップが起こった「サンドリヨン」や、客席も声を出して盛り上がった「パズル」では、まったく違う色のキュートなボーカルを聴かせる。歌の表現力の幅広さはもちろんだが、音楽を心から楽しんでいるというのを体中で表現したパフォーマンスも魅力的だった。

 

 

3rdアルバムのタイトルは「Lonely Queen’s Liberation Party」。これはツアータイトルでもあるが、孤独な女王を解放する仲間たちという意味。アーティストとして活躍している方に楽曲を提供してもらい、さらなる自分を解放していくという意欲作だ。TRUEさんは、そんなアルバムのコンセプトを話したあと「みんなが普段聴かないような(ジャンルの)楽曲もあるかもしれないけど、みんなも心を解放して、最後まで安全に健全に楽しんでいってくれたらと思います!」と言うと、雰囲気をガラッと変えて、少しオトナなムードの楽曲を続けていく。アルバム曲「終わりたい世界」では、バンドのソロ回しなどもあって、演奏も素晴らしくカッコいい! 続く「Dear answer」は、観客も大きな歓声で喜びを表現。サビで手をあげてジャンプしながら曲を感じる。「Roadmap」ではイントロから大きな大きなシンガロング。TRUEさんもお立ち台に登ったり、そこにしゃがみこんで熱唱したり、盛り上げるだけ盛り上げていく。

 

その後、TRUEさんのライブでは恒例のカバー。「作詞家・唐沢美帆」としても現在大活躍中である自身の作詞曲を歌っていく。まずは新田恵海さんの「盟約の彼方」(TVアニメ「ラクエンロジック」ED主題歌)から。原曲とはまた違った力強さで聴かせると、続いては、「アイカツスターズ!」の2ndシーズンOP主題歌「STARDOM」をカバー。メルヘンなイントロから歓声が沸き、最後は手を左右に振りながらハッピーなムードを演出していた。

 

アニメの名シーンを想起させるタイアップ曲たち

ワンマンライブだけあって、いろんな景色を見せてくれるTRUEさんのライブ。今度はバラード曲をピアノとともに届ける。「オーイシさんは楽しい曲もいっぱい作ってるけど、私はオーイシさんが作るバラードが好きなんです。素朴で人の心に寄り添うような曲を作る方だなと思っていました」と、次の曲についてのエピソードを話していく。「曲が届いたときは、ちょうど祖母が亡くなった頃で、私は母を支えたいと思ったんです。そのときに感じたことを曲として取っておかないといけないと思って作りました」と語り、オーイシマサヨシさん作曲の「酸素」を歌う。

そうやって曲の背景を知ることによって、広がる景色や生まれる感動というものがある。スポットライトを浴びながら、ひと言ひと言を大事に歌って伝えようとしているのが伝わってきた。

さらに、毎回感動させられたアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のイメージソング「未来のひとへ」を披露。戦うことしか知らず、人の気持ちを理解できなかった主人公・ヴァイオレットが「愛してる」の言葉の意味を知るために代筆業に就き、人と触れ合いながら感情を知っていく物語だったが、言葉を綴る作詞家であり、表現者でもあるTRUEさんにとっても心に響く作品だったとのこと。希望のある曲を美しいピアノとともに歌い終えると、拍手がしばらく鳴り止まなかった。

 

 

再びバンド編成になり、彼女の代表曲の別アレンジ曲「サウンドスケープ~Loving nostalgia Ver.~」へ。作品(響け!ユーフォニアム2)に寄り添いつつも、自身の思いにも重なるこの楽曲を大切に歌い、「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」の感動や切なさを思い出す「フロム」までを歌い、ライブは後半に差しかかっていく。

 

歌への愛情とファンの熱気が渦巻くライブ後半!

ライブ後半からは、さらに会場の熱気も上昇していく。「JUMPIN'」では、大きなコール&レスポンス、そしてみんなで一斉に大ジャンプ。そして拳を突き上げた「分身」、声を張り上げた「次の僕へ」とアルバム曲を連投。ここまで激しい曲を続けても、まだまだ限界を突破していくのがTRUEさんのライブスタイル。「飛竜の騎士」「Divine Spell」「BUTTERFLY EFFECTOR」と今度はタイアップ曲を連投して加速していく。バンドメンバーもステージ狭しと激しいパフォーマンスを行う。

そして、みんなでタオルを振り回しながら“Wo Wo Wo Wo”と大合唱した「カレイドスコープ」。

それにしてもTRUEさんのファンの熱気はものすごい! 全員が心からこのライブを楽しんでいるのが伝わってきた。もちろん、それはTRUEさん自身が一歩ずつ大切にこの空間を育てて来たからだと思うが、この一体感は、とても清々しい心地よさがあった。

 

 

一瞬で過ぎていったライブ。「最高に楽しかった! ありがとう! 最後に感謝の気持ちを込めてこの曲を聴いてください」と、アコギのストロークから始まったのは「Anchors Step」。最新アルバムの最後に収録されているポップナンバーで、マイペースにこれからも歩き続けていこうという思いが込められている曲だが、観客も大きクラップでパーカッションとして曲に参加。最後はラララと一緒に歌い、幸せな気持ちでライブ本編を締めくくった。

 

鳴り止まない拍手に応えてのアンコール。「次の曲は、これまでシンガーとして作詞家として歩んできて、ここに辿り着くべくして辿り着いたと思わせてくれた楽曲であり作品です。これからも大切に歌っていきたいと思います」と言って、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のOP主題歌「Sincerely」をしっとり、そして力強く響かせる。続く代表曲「DREAM SOLISTER」では、大きな盛り上がりの中、大合唱が鳴り響いた。

 

 

ダブルアンコールでは、10月からスタートのTVアニメ「転生したらスライムだった件」ED主題歌を担当することを発表。そのED主題歌「Another colony」は誰にも負けない強い曲だそう。さらにTRUEさんの5周年記念ライブを開催することが決定。これにはファンも大歓喜だった。

 

そして本当の最後の曲。「歌うことと書くことしか能がない。初めてマイクを持ったときから10年以上、何にもないからこそここまできました。ライブをやれることが私には遠いことで、ずっと夢に見ていた景色がここにあります。こうして5周年をTRUEとして迎えられるのも、こうして足を運んでくれて支えてくれる皆さんのおかげです」と語る。作品への愛情や歌への愛情、その真摯さが聞き手にも音楽を通して伝わってくるから、こうやって彼女自身が愛されているのだと思う。「泣くのは私らしくないので、思い切り笑ってお別れしましょう!」と、最後は「サウンドスケープ」でこの日一番の盛り上がりを見せて、笑顔でライブを締めくくった。

 

 

(取材/塚越淳一)

 

【セットリスト】

01 Lonely Queen's Liberation Party

02 サンドリヨン

03 パズル

04 終わりたい世界

05 Dear answer

06 Roadmap

07 盟約の彼方

08 STARDOM!

09 酸素

10 未来のひとへ

11 サウンドスケープ~Loving nostalgia Ver.~

12 フロム

13 JUMPIN'

14 分身

15 次の僕へ

16 飛竜の騎士

17 Divine Spell

18 BUTTERFLY EFFECTOR

19 カレイドスコープ

20 Anchors Step

EN1 Sincerely

EN2 DREAM SOLISTER

WEN1 サウンドスケープ

 

【リリース情報】

■ニューシングル『Another colony』/TRUE

・発売日:11月7日(水)

・価格:1,200円(税別)

・発売、販売元:バンダイナムコアーツ

 

画像一覧

関連作品

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

放送日: 2018年1月10日~2018年4月4日   制作会社: 京都アニメーション
キャスト: 石川由依、子安武人、浪川大輔、遠藤綾、内山昂輝、茅原実里、戸松遥、田所あずさ、沢田敏子、木内秀信、各務立基、引坂理絵、齋藤綾
(C) 暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

響け!ユーフォニアム

響け!ユーフォニアム

放送日: 2015年4月7日~2015年6月30日   制作会社: 京都アニメーション
キャスト: 黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、石谷春貴、津田健次郎、小堀幸、藤村鼓乃美、山岡ゆり、日笠陽子、沼倉愛美、久川綾、櫻井孝宏
(C) 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~

劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~

上映開始日: 2016年4月23日   制作会社: 京都アニメーション
キャスト: 黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、石谷春貴、櫻井孝宏
(C) 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

響け!ユーフォニアム2

響け!ユーフォニアム2

放送日: 2016年10月5日~2016年12月28日   制作会社: 京都アニメーション
キャスト: 黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、藤村鼓乃美、山岡ゆり、種﨑敦美、東山奈央、石谷春貴、津田健次郎、小堀幸、沼倉愛美、久川綾、櫻井孝宏
(C) 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~

上映開始日: 2017年9月30日   制作会社: 京都アニメーション
キャスト: 黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、石谷春貴、沼倉愛美、櫻井孝宏
(C) 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~

上映開始日: 2019年4月19日   制作会社: 京都アニメーション
キャスト: 黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、石谷春貴、藤村鼓乃美、山岡ゆり、津田健次郎、小堀幸、雨宮天、七瀬彩夏、久野美咲、土屋神葉、寿美菜子、櫻井孝宏
(C) 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

ラクエンロジック

ラクエンロジック

放送日: 2016年1月9日~2016年3月26日   制作会社: 動画工房
キャスト: 小野賢章、上坂すみれ、種田梨沙、東山奈央、徳井青空、小見川千明、水瀬いのり、折笠富美子、愛美、水野理紗、橘田いずみ、松岡禎丞、郷田ほづみ、茅野愛衣、植田佳奈、中谷竜、三森すずこ、鳥海浩輔
(C) Project Luck & Logic

アイカツスターズ!

アイカツスターズ!

放送日: 2016年4月7日~2018年3月29日   制作会社: BN Pictures
キャスト: 富田美憂、朝井彩加、山口愛、村上奈津実、宮本侑芽、上田麗奈、津田美波、諸星すみれ、田所あずさ、大橋彩香、八代拓、上村祐翔、堀江瞬、ランズベリー・アーサー、平川大輔、神田朱未、岡田栄美、松本健太、興津和幸、日笠陽子、江口菜子、藤原夏海、前田佳織里
(C) BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

転生したらスライムだった件

転生したらスライムだった件

放送日: 2018年10月1日~2019年3月25日   制作会社: エイトビット
キャスト: 岡咲美保、豊口めぐみ、前野智昭、花守ゆみり、古川慎、千本木彩花、M・A・O、江口拓也、大塚芳忠、柳田淳一、山本兼平、石谷春貴、泊明日菜、小林親弘、斧アツシ、田中理恵、日高里菜、寺島拓篤、土師孝也、津田健次郎、成田剣、山本格、木島隆一、熊田茜音、高梨謙吾
(C) 川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

ログイン/会員登録をしてこのニュースにコメントしよう!

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。