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【オフィシャルインタビュー】※敬称略
※原作の内容展開に言及している箇所がありますのでご注意ください。
■プロフィール
落合福嗣[おちあい ふくし]
8月20日生まれ。声優・ナレーター。青二プロダクション所属。主な出演作は「ダイヤのA SECOND SEAZON」玉木浩司、「灰と幻想のグリムガル」モグゾー、「ちるらん」島田魁、「信長の忍びシリーズ」今川氏真、「ALL OUT!!」熱田猛雄など。
――まずは『加瀬さん。シリーズ』を読んだきっかけを教えてください。
僕は『加瀬さん。シリーズ』を読む前から、原作の高嶋ひろみ先生の作品が好きだったんですよ。好きになったきっかけは『はれたら明日!』(新書館)だったんですけど、行きつけの本屋で見かけたときに、イラストとタイトルの語呂のよさに惹かれて衝動買いしたんです。そうしたら内容がすごく僕好みで面白かったので「ほかにも高嶋先生の漫画はないかな~」と探しまして。『放課後おわらいぶ』や『未満れんあい』(ともに双葉社)などいろいろと読んでいき、最後に『加瀬さん。シリーズ』と出会いました。ただ、僕が一番初めに読んだのは、2巻目の『おべんとうと加瀬さん。』だったんですよ(笑)。
――なぜそんなことに?(笑)
『加瀬さん。シリーズ』って表紙に「第1巻」とか書いてないじゃないですか。それで僕がちょうど本屋で漫画を見つけたときに『あさがおと加瀬さん。』だけ売り切れだったというのもあって、『おべんとうと加瀬さん。』が1巻目だと勘違いしてしまったんです(笑)。『おべんとうと加瀬さん。』だとすでに山田たちが付き合っていたり、いきなり新学期がスタートしたりしていたから、初めて読んだときは「珍しい物語の始まりだな」って思っちゃいました(笑)。
――では『あさがおと加瀬さん。』は最後に読まれたのでしょうか?
そうそう。『あさがおと加瀬さん。』は『ショートケーキと加瀬さん。』も読み終わったあと、続編を探していたときに見つけたんです。だから山田と加瀬さんがまだ出会っていなくて「あれ?」となって……ビックリしましたし、そこでようやく『あさがおと加瀬さん。』が1巻目だったことに気付き、改めて正式な順番で読み直しました(笑)。
『加瀬さん。シリーズ』は、疲れたときの癒しとして読むことが多いんですけど、本当にどの物語も読みやすくて、爽やかな要素ばかりなんです。もちろんキャラクターたちが悩んだりモヤモヤしたりするシーンはありますが、作品全体のイメージは明るくて。そのうえ、コミカルなタッチで描かれているところと大人びた表情が描かれているところのバランスがすごくいいんですよ。そういったところが作品の魅力なんじゃないかなと感じます。
――そんな『加瀬さん。シリーズ』に登場するキャラクターたちの印象をお聞かせください。
山田は感情表現がものすごく豊か。心配ごとがあったら「うぅ……」ってひとりで抱え込んでしまったり、嬉しいことがあったら表情がぱあって明るくなったりするから、まるで仔犬みたいだなって思います。あと個人的に、植物を育てている女の子って素敵だなと感じますね。僕もガーデニングが趣味なんですけど、ガーデニングって毎日ちょっとずつ手入れをしないといけないから大変なんですよ。それなのに山田って、そういう地道な作業をほぼひとりでやっているわけじゃないですか。そんなの屋上から見ていたら気になりますし、加瀬さんじゃなくても好きになっちゃいますって!(笑)
――加瀬さんに共感しますか?(笑)
はい、共感しちゃいます。加瀬さんが山田の白い肌を見てドキドキするシーン(『自転車と加瀬さん。』)や、修学旅行で山田に嫌われたと思って少しだけ距離を置いてしまうシーン(『砂浜と加瀬さん。』)などでは、バカだなぁと思いつつも、加瀬さんの気持ちがかなり分かりました。
――そんな加瀬さんの印象はいかがですか?
僕の周りで『加瀬さん。シリーズ』を読んでいる人はみんな「イケメン」って言いますが、僕はむっつり男子、あるいは小学校高学年くらいの思春期な少年だと思います(笑)。加瀬さんって、山田に対してガツンと前にいけないことがけっこうありますよね。「これは大丈夫かな?」「よし、いってみようかな?」って心の中で躊躇うことがあるんです。だからこそタイプやクラスが全然違う山田に初めて声をかけたときは、すごく頑張ったんだろうなってしみじみ思いました。そういう点で、加瀬さんのことはカッコいいというよりも可愛いなと感じることのほうが多いですね。
――先ほど山田は仔犬のようだとおっしゃっていましたが、加瀬さんは動物に例えると何ですか?
シェパードやゴールデンレトリバーのような大型犬かな。見た目はキリッとしていてカッコいいのに、性格は愛嬌があって可愛らしい。かといって、その愛嬌のよさを押し付けて来ないところが似ているなって感じます。
――では、山田の友達である三河っちの印象についてはいかがでしょうか?
三河っちは、要所要所で話を締めたり緩めたりしてくれるキャラクターなのかなと。彼女がいなかったら、山田と加瀬さんはここまでうまくいっていなかったような気がするんですよ。本当に山田のいい友達ですし、そんな三河っちだからこそ加瀬さんも安心して山田を預けられているのかなと思います。それと、テニス部だったのに体育のときに「ダルいな~」って悪態ついちゃうようなところも可愛らしいですよね。三河っちはちょっぴりSっ気があるし、「私についてこい!」みたいなイメージがあるから、僕はカルガモっぽいなって勝手に思っています(笑)。いつか三河っちのサイドストーリーも読んでみたいです。
(C)2017 高嶋ひろみ/新書館・緑化委員会