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「What A Beautiful World」は、そよぐ風のように歌いました
──今回のシングルは、「What A Beautiful World」と「ウイークエンド・ランデヴー」のダブルA面です。どちらも矢野さんの作詞・作曲・編曲ですが、まったくタイプの違った曲になっています。 牧野 「What A Beautiful World」は、牧野由依が今までやってきた音楽の延長線上にある楽曲です。きれいな雰囲気のバラードで、どこか浮き世離れした感があって。私が矢野さんの世界に飛び込んでいった曲ではなく、矢野さんが牧野由依の世界に寄せて書いてくださった曲ですね。
──矢野さんが書かれた歌詞については、どう感じましたか? 牧野 すごくみずみずしいなと思いました。それから、リアルがにじみ出てこないことの良さというか。ひとつのフィクションがそこにあるという静かな感じがすごく好きで、ゆったりとこの世界が広がっていく様子を歌で表現したいと思いました。
──たしかに誰かの心情を歌っているというより、風景がそこに広がっている、という印象があるんですよね。 牧野 風景の写真や映像をイメージして歌いました。感情をこめて訴えかけるのではなく、とつとつと語るように歌うというアプローチですね。
──牧野さんにとっては、慣れ親しんだ曲調や歌詞の世界観だったのではないでしょうか? 牧野 方向性としてはつかみやすい曲でしたが、難易度は高かったです。矢野さんも、「出来上がってみてわかったけど、この曲、難しいよね」と(笑)。4拍子で始まって、途中で8分の6拍子になるという拍子のチェンジや、細かな転調が何度もあったりして、そこがこの曲の心地いいところなんですけど、現実味を帯びないように気を配りながら、優雅に優美に歌うというのは難しくて。そよぐ風のように歌を乗せられるまで、かなり歌い込みました。
──テクニカルな曲を、軽々と歌わなくてはならなかったと? 牧野 ボーカルはひと皮もふた皮もむけないと、曲に負けてしまうと思いました。最初に聴いた時から、自分の中でゴールがはっきりイメージできていたので、そこにどうやったらたどり着けるかと試行錯誤しました。
──最後には、思っていたゴールにたどり着けましたか?
牧野 たどり着けたんじゃないかなと思います。何度も聴きたいなと、自分でも思える仕上がりになったので。