実写版パトレイバー公開記念トークイベント「マモルの部屋」、第1回のゲストは千葉繁! 押井守:「半分ぐらいはアドリブでしょ?」

2014年04月16日 12:040

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名作アニメ「機動警察パトレイバー」の実写版である「THE NEXT GENERATION パトレイバー」だが、総監督・押井守さんによるトークイベント第1弾が4月15日に行われた。



実写版パトレイバー、2014年4月から全7章をイベント上映! 完全オリジナル新作「THE NEXT GENERATION PATLABOR」

 

全長8mもの実物大98式イングラムやレイバードッグ併設の二課棟までを完全実体化するなど総製作費22億円を投入して制作していることでも注目の本作。第1章(第0話~第1話)は4月5日より公開中で、5月31日には第2章(第2話~第3話)が公開となる。


今回、総監督の押井守さんがホストとなってゲストを招くトークイベント「マモルの部屋」がスタート。4月15日に新宿ピカデリーで実施した第1回目のゲストは、長年一緒に仕事をしている千葉繁さん。「パトレイバー」のシバシゲオ役だけにとどまらず、「赤い眼鏡」「うる星やつら」など往年の押井作品についてのトークも展開され、予定時間を30分もオーバーするほどの盛り上がりだった。以下、イベントの模様。




 

・イベントの模様
~第一章上映後、押井監督と千葉繁さんが登場すると場内は割れんばかりの拍手に包まれた。

千葉:本日は短い時間ですが、よろしくお願いします!
押井:帰りの電車もあるので時間厳守でやっていこうと思います。(笑)短い時間ですが、楽しい話ができたらと思っています。宜しくお願いします。
MC:この実写版「パトレイバー」シリーズは第7章まであるのですが、この"マモルの部屋"毎回行っていきます。このコーナーについて抱負を一言頂けますでしょうか?
押井:ひどいタイトルですね。(笑)
(場内爆笑)
千葉:あれですよね?最近お昼の時間帯に移動した…(笑)
押井:(タイトル)ちょっと何とかなんない?って…(笑)
MC:(笑)ホストが押井さんなので、今後毎回ゲストを招いてお話を伺っていければということで、宜しくお願いいたします。
押井:呼びたくない人間の方が多いからなぁ…(笑)
千葉:安倍総理とか呼びたいよね!最終回になっちゃうか…(笑)
押井:できるだけきれいどころを呼びたいよね!
~押井監督のこれまでの作品を振り返りながら、千葉さんとの出会いとなった作品「ニルス~」「うる星やつら」の話になるとトークは一層盛り上がる。
MC:「うる星やつら」のテレビシリーズの監督はほぼやられてなかったんですね!
押井:(監督をしたのは)1話だけですね。実は千葉さんとは「ニルス~」「うる星やつら」の前にもやってるんですよね。ガッチャマンとヤッターマンで。
千葉:でもなかなか交流がなくて。何回かお会いしたけど直接お話したことがなかったんです。たまたまお昼ごはんを食べに行ったら押井監督がいらっしゃって、初めて二、三言お話ししました。「ニルス~」「うる星やつら」のときもあまり話さず、一言二言。
押井:「うる星やつら」のとき、当時の録音監督に「この"メガネ"っていう役は千葉君でお願いします、と言ったんです。ところが、第1回を録音して、次にスタジオに行くと千葉さんじゃないんですよ。別の人が来ちゃった。びっくりして、「あれ、なんで千葉君いないの?」って聞いたら、録音監督が「えっ、彼レギュラーでやるんですか?」って。(笑)
千葉:(笑)最初は"生徒A"でしたもんね。
押井:最初はメガネっていう名前もなかった。でも僕はずっとその(レギュラーで出演してもらう)つもりだったので、当然千葉さんもそう思ってるだろうと勝手に思ってた。だから2回目のアフレコに行っていなかったときはあれ!?って。驚いた。でもやっぱりあまりしゃべらなくて…。だから本当にしゃべるようになったのは「紅い眼鏡」やってからじゃないかな?
MC:「紅い眼鏡」は押井さんの企画なんですか?
押井:当時の録音監督が千葉繁さんのプロモーションビデオを撮ろうとしていて、僕が「彼は役者だからどうせなら映画にしちゃったら?」と言って『紅い眼鏡/The Red Spectacles』ができた。どんどん話が大きくなちゃって…本当は150分くらいだったんだけど、長いとお金がかかるじゃない?(笑)だから何とか2時間に収めました。
千葉:実はフランス語版も作ったんだよ。カンヌに持っていくって!本当なんだから!
押井:実際にフランスにも売ったんだけどね。
~そしてパトレイバーシリーズを振り返るお二人。
押井:シバシゲオという役は名前の通り千葉繁さんをモデルにしているのは間違いない。
千葉:スタジオに行ったら画面俺がいたんだよ!(笑)
押井:「俺がいる!」って叫んでたよね。(笑)
MC:演技指導はあったのでしょうか?
千葉:何にもなかったですね。野放し。
押井:完全にお任せ。(笑)どうせ何言っても毎回やることが違うし。指導してもしなくても同じだからしなかったんだよ。半分ぐらいはアドリブでしょ?
千葉:半分は(セリフを)ちゃんとしゃべったじゃない!(笑)
MC:今回の実写シリーズでもそんな感じだったのですか?
千葉:いや、もう一語一句…!
押井:そんなワケないじゃない。(笑)後半ちょっとシビアな役になっていくんですけど、そこではちゃんと芝居してたかな。前半は…。(笑)
千葉:でも、あくまでも整備員班長としてのアドリブですよ!(笑)そういうところはきちんとやりましたよ!
MC:押井監督の中で千葉さんの印象は昔と今では変わりましたか?
押井:老けたよね!(笑)
千葉:老けた!(笑)
押井:昔は痩せていたのに…。
千葉:役作りですよ!整備班班長だから!(笑)
MC:千葉さんの中で押井監督の印象は昔と今では変わりましたか?
千葉:最初に出会った時と全然変わってないですね!昔より丸くなったのはあるかもしれないですけど。それはみんなそうなんじゃないでしょうか。若いころはどうしてもとんがりたいでしょう。
MC:押井監督自身、演出面で昔と変わったところはありますか?
押井:変わりましたね。役者と向き合って仕事したというか。役者さんをとにかく撮る、ということをしました。昔は思い通りに動いてくれないからイラついちゃって…アニメとは違うじゃない。なんでもっと速く走れないの?もっと速く動けないの?って。(笑)
千葉:「なんで4m飛べないの?」って、そりゃ生身の人間は4?飛べませんから!(笑)
MC:今回の作品、絵コンテを使われないと伺ったのですがそれはどうしてですか?
押井:実は絵コンテはとっくに使ってないんです。今回は現場に台本を持っていきませんでした。台本は一回も開いていないと思う。ほとんど覚えてるというのもあるけど、その日役者さんを見て、とりあえず好きに芝居してもらって、そこからいじり始めるという風に今回変えました。役者さんを撮るというのが今回のテーマ。役者の動きに合わせて瞬間的に演出するのも今回のテーマ。それによってある種のライブ感が出ると思うんですよ。構図を考えちゃうと役者さんを型にはめちゃうから、どんどん芝居か小さくなっちゃう。今回は役者さんの芝居に合わせて構図も決め、カメラワークも決めました。
MC:では最後に一言お願いします。
千葉:短い時間でしたがありがとうございました。このパトレイバー、皆さんの愛だけが頼りでございます!これから来年のGW長編公開まで宜しくお願いします!もう3回も観て下さった方もいらっしゃるようで…本当にありがたい。後4回観てください!(笑)
押井:シリーズは回を重ねる毎に面白くなっていく仕掛けになっております。個人的にはエピソード3はかなり気に入っているんですが…3は真野がかわいい!4はカーシャがカッコいい。それしか覚えてないな。(笑)続けて観ていただければより楽しさが倍増するという仕掛けになっています。ここでコケちゃうと大変なことになっちゃう…。どえらいお金を使っちゃたので。(笑)次回のこの機会にまたお会いできればと思います。本日はどうもありがとうございました!

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関連作品

機動警察パトレイバー(TVシリーズ)

機動警察パトレイバー(TVシリーズ)

放送日: 1989年10月11日~1990年9月26日   制作会社: サンライズ
キャスト: 冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、大林隆介、榊原良子、郷里大輔、井上瑤、よこざわけい子、千葉繁、阪脩、西村知道、合野琢真、鈴置洋孝、土師孝也
(C) HEADGEAR/BV/TFC

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