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2012年9月29日から東映系で上映開始されたアニメ映画「アシュラ」。
鬼才・ジョージ秋山原作で、1970年少年マガジン(講談社)にて連載され、有害図書として発禁問題を引き起こし、アニメ化できないマンガといわれたその映像化に、野沢雅子、北大路欣也といった声優界と俳優界の大御所が集結!
他キャスト陣も林原めぐみ、玄田哲章、平田広明、水島裕をはじめ錚々たるメンバーが名が連ねている。
あの『TIGER & BUNNY』のTV版も手掛けた、さとうけいいちさんに監督就任の経緯から作品への思いまでインタビューを行った。
-監督就任の経緯
実は、アシュラは当初別の方が作られていました。監修みたいな感覚でお伺いしたのですが、仕上がりがあまり宜しくないようで、このままではマズイので監督でお願いしますというオファーがあったのが最初のキッカケでした。なのでゼロから作り始めた訳ではないですね。元にあったものをどう形にするかといったことが最初で、そこから結果的に監督になりました。
2010年末頃で「TIGER & BUNNY」という作品の仕込みをやっている時でした。オンエア前のタイミングでお受けして、完全に仕上がったのが受けてから1年後ですね。
―途中から参加されて、しかもこれまでの作風と違いますが、どのようにまとめられたのでしょうか。
最初から自分の作風と違うのは分かっていました。関係者用の映像を見たときに、斧を振っているアシュラが出ていたのですが、最初にそこを見たのでアクション作品という感覚がありました。
求められている部分とは違うかもしれませんが、「さとうけいいち」にお願いするということは、エンターテイメントとしてのアクション時代劇っぽいものを、分かりやすくしてほしいのかなという、勝手な思いもあったので、エンターテイメントとして、どう作ろうかなぐらいだったんですよ。
元々の原作が持っている「うまく生きて行けずに人を食べるであったり、人を殺す」というところが、当時の自分にとって、かなり葛藤することになりました。そこまでのことを前に押して、物を作りたいとは思っていない時期だったんですね。(裏側では「TIGER & BUNNY」のようなコメディを仕掛けようとしていた)
「TIGER & BUNNY」の前にやっていた「鴉」は、落とすところまで落とすために、バイオレンス的な展開も持ち込んでいましたので、この作品は「鴉」の延長線上に思えました。ただ「鴉」のような活劇とは、語らないといけないことが全然違うので、エンターテイメントとしては難しいなと思いましたね。
なぜかというとアシュラという作品の「テーマ」が見つけられなかった。なんで作っているんですか?とプロデューサーにもお伺いしたぐらいでした。納得できる答えが出なかったのですがプロデューサーも信頼できる方でしたので、信頼を返さなくてはと思い、答えが見つからないまま、それでも形にはしようっていう気持ちだけで進めていましたが震災があり、そのときに自分の中で答えが見つかりました。