ノイタミナが1時間枠に拡大！ 「四畳半神話大系」「さらい屋五葉」TAF2010イベントレポート

4月から1時間に枠が拡大され、注目と期待がさらに高まる「ノイタミナ」枠の春新番組2本「四畳半神話大系」「さらい屋五葉」のステージイベントが「東京国際アニメフェア2010」（TAF2010）で開催された。


「ノイタミナ」といえば、深夜アニメ最高視聴率獲得をはじめ、AMDアワード・文化庁メディア芸術祭・東京アニメアワードでのアニメ部門賞受賞など、アニメの新しい方向性を示す存在としての地位を確立した、フジテレビの人気アニメ枠。

「東京国際アニメフェア2010」（TAF2010）では、AR（拡張現実）技術を用いた画期的なブース展開を行っていたが、春の新作「四畳半神話大系」「さらい屋五葉」のステージイベントの様子をお届けしよう。


まずは、レトロな雰囲気が特徴的な「四畳半神話大系」。

主人公は"薔薇色のキャンパスライフ"を夢見るが何も実らずに三回生を迎えた「私」。"もし、あの運命の時計台前で、○○サークルに入らず、ほかの道を選んでいれば、、、、"という仮定のもと、迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、「不毛と愚行の青春奇譚」（報道資料より）である。

なんだかんだ言いながらも"四畳半"から出られない主人公の「モラトリアム的くらしぶり」、風土の特異性までを表現した「京都」の街並み、実写・3D・大胆な色/形で描かれるさまざま「私」の日常/並行世界などが見どころとなっており、テニスサークル編、映画サークル編、サイクリングサークル編、ソフトボールサークル編など1話完結型で全11話が予定されている。

今回のイベントには、｢私｣役の浅沼晋太郎さん、小津役の吉野裕行さん、さらに「東のエデン」から滝沢朗役の木村良平さんが登場。AR（拡張現実）技術を使ったコーナーでは、四畳半ARマーカー＝浅沼さんが演じる「私」のセリフと声が文字としてスクリーン上に飛び交う、エデンARマーカー＝ノブレス携帯が現れてPVが流れる、といった演出で会場を沸かせた。

ちなみに、トークは、「webラジオ」「酒」「ラーメン」「吉野さんのランチパック」などアフレコ現場でのエピソードが中心に語られた。

そして、ドキッとするようなタイトルが印象的な「さらい屋五葉」。

内容は、江戸に出てきた気弱浪人・秋津政之助が、剣の腕を見込まれ、さらい屋（誘拐集団）に加えられてしまうところからはじまる時代劇。遊び人風の頭目・弥一、謎の酒好き妖艶美女・おたけ、元盗賊団の料理屋店主・梅造、元盗人の飾り職人・松吉ら「五葉」の仕事や各メンバーが抱える事情を通じて、政之助が成長していく姿を描いている。

原作は、アニメ化もされた「リストランテ・パラディーゾ」でもおなじみのオノ・ナツメ氏。アニメ制作は、何でもアリの新感覚時代劇「サムライチャンプルー」を手がけたマングローブ。全12話が予定されている。

今回のイベントには、秋津政之助役の浪川大輔さんと弥一役の櫻井孝宏さんが登場。AR（拡張現実）技術コーナーでは、用意されていた「さらい屋システム」が発動し、スクリーンに移った大勢の観客がひとり残らずさらわられて消えてしまう、という演出があった。

トークパートは、予想に反して（失礼！）興味深い内容。2人ともとにかく「セリフのない部分」を強調しており、静の場面での画や緊張感のある芝居（＝"間"）を一貫して大切にしている作品であるという。また、スタジオの雰囲気も独特らしく、「音響監督とか手料理の差し入れとか、監督が何でもかんでも全部やってます（笑）」といった裏話も。

このほか、「演者も少ないですし、じっくり――すごく考えて作られている」「静かで淡い作品ですが、みなさんの心を深く動かすと思います」といったコメントがあった。

なお、「さらい屋五葉」は4月15日からフジテレビ毎週木曜25：15（※初回は25：30）、「四畳半神話大系」は4月22日からフジテレビ毎週木曜24：45で放送される。


イラスト／中村佑介　(C)四畳半主義者の会
(C)2010 オノ・ナツメ／小学館・さらい屋五葉製作委員会

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