秋アニメ「星屑テレパス」はかわいいだけじゃない! 青春の苦楽をリアルに描く熱いドラマに注目してほしい! 船戸ゆり絵×深川芹亜×永牟田萌×青木志貴メインキャストインタビュー

2023年11月03日 18:000

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「まんがタイムきらら」(芳文社)で連載中の4コマ漫画「星屑テレパス」(原作:大熊らすこ)がアニメ化。現在絶賛放送中だ。

物語は、人とのコミュニケーションが苦手な女子高生・小ノ星海果(このほし・うみか)が、自称宇宙人の明内(あけうち)ユウと出会うところから始まる。ユウを宇宙に帰すためロケットを作ろうとする海果は、隣の席に座る副学級委員長・宝木遥乃(たからぎ・はるの)と、不登校だが機械に強い雷門瞬(らいもん・またたき)とともにロケット作りをしていく。

 

4人でロケット作りをしていく青春感や部活感、ユウという不思議な存在、そして各キャラクターの成長、さらには絵のかわいさ。そんな原作のさまざまな魅力を余すことなく、というより音楽や動きがつくことでさらに素晴らしい作品に仕上げてくれているのがTVアニメ「星屑テレパス」だ。

 

今回、小ノ星海果役・船戸ゆり絵さん、明内ユウ役・深川芹亜さん、宝木遥乃役・永牟田萌さん、雷門瞬役・青木志貴さんに、作品の魅力からアフレコでの思い出までを語ってもらった。

 

 

■引っ込み思案の女の子が想いを伝えようとするところが素晴らしい

 

──11月9日に20周年を迎える「まんがタイムきらら」ですが、TVアニメでも、これまで数多くの作品が世に送り出されてきました。それらは“きららアニメ”というひとつのジャンルにもなっていったのですが、きらら作品に対しての印象はどんなものがありますか?

 

船戸 きらら作品でいうと、きらきらでふわふわな日常系の作品という印象があったんです。今回私は初めてきらら作品のオーディションを受けさせていただいたんですけど、「星屑テレパス」を読んでみたら、ただの日常系の作品ではないし、青春を感じるところもありつつ、かなりしんどいシーンがあったりするんですよね。なので思っていた作品の雰囲気とは違う!という印象でした。

 

船戸ゆり絵さん

──きららアニメへの憧れみたいなものはありましたか?

 

船戸 中学の時に「けいおん!」を見ていて、あの「けいおん!」のきらら!というイメージが最初にあったので、出演できることはとっても光栄に感じています。

 

深川 きららアニメと言えば、今だと「ゆるキャン△」にでてくるような、女の子たちの日常を、こっそり壁になって覗かせていただきます!というイメージがあったんです。それでいうと「星屑テレパス」はいい意味で裏切られたような感じがして、読んでいくと「あら!! あらら!」みたいな感じもあって、嬉しかったです。

 

──わりとキャラ同士がぶつかったりもするんですよね。永牟田さんはいかがですか?

 

永牟田 私は初めて見たきららアニメが「がっこうぐらし!」だったんです。オタクであることを親に隠していたので、こっそり夜中に見ていたから、初めて見た深夜アニメがきららアニメでもありました。それ以降は「ハナヤマタ」とか、いろいろな作品を見ていたと思います。なので今回「星屑テレパス」で、私もきらら作品に出られるの!と思って、すごく嬉しかったんです。

 

──「ハナヤマタ」は、結構ノリが近いかもしれないですね。

 

永牟田 そうですね! 青春というか。しんどいこともありながら、主人公が成長していくという意味では近いかもしれないです。

 

青木 僕も高校の時がドンピシャで「けいおん!」だったんですよ。ただゲームオタクだったのでアニメってあまり見ていなくて、きらら作品でちゃんと見ていたのは「けいおん!」くらいなんです。だから日常系で、女の子たちががんばっている楽しい青春ストーリーというイメージがあったんですけど、「星屑テレパス」を読んだら、青春ストーリーではあるけど、すごくリアルな描写もあっていい意味で裏切られました。かわいいだけではない、キラキラしているだけではない女の子たちが描かれていたので、グッと刺さるものがありました。

 

きららアニメって、かわいい女の子がいっぱい出てくる作品が多いですよね。僕自身、戦う女の役とかを演じることが多かったので、ご縁はないんだろうと思っていたんです。だからオーディションをいただけるなんて思っていなかったし、受かるともまったく思っていなかったからすごい衝撃で! 僕以上にファンの方が、「志貴さんがきらら声優に!」って喜んでくれたのが印象的で、そこでもきららアニメの人気の強さや、みんなからの支持を感じました。

 

──瞬に関しては、期待を裏切らない攻撃性でしたけどね(笑)。

 

青木 あははは(笑)。瞬はそうですよね。キラキラ系の女子ではないから、ある意味やりやすかったです。

 

深川 ツンデレなので!

 

 

──すでにいくつかキーワードは出ていましたが、改めて、4人が思うTVアニメ「星屑テレパス」の魅力を教えてください。

 

深川 実は私たち、まだアニメを見られていないんです。(※インタビューは先行上映会前に実施しました)だからアフレコ時の話しかできないんですけど、自慢できるのは、取材をしていただくと、何話か観られたインタビュアーさんが「すごくよかったよ」と言ってくださるんです。それが嬉しかったので、私たちも早く観たい!(笑)役者陣のハードルは、今ものすごく上がってます!

 

青木 でもPVの時点で絵はヤバすぎて、劇伴もすごくいいし、OP・EDテーマもいいんですよ。原作のイラストってグラデーションがすごくきれいなんですけど、アニメでも海果の髪の毛の色のグラデーションがきれいで! これを動かすのは大変だろうなって思うんですけど、その再現度にこだわりを感じました。

 

船戸 ロケットを飛ばすシーンもめちゃめちゃていねいに繊細に作っていただいていたので、早く観たいです。

 

深川 繰り返し何度も見られる作品になっていると思っていて。漫画でこんな感じだったけど、アニメではどんな表現になっているんだろうっていう見方もできるし、自分の推しを見つけて観ていただくこともできる。こんなところにいたんだ!って感じで、キャラが端っこに隠れていたりすることもあると思うんです。そういうところも見てほしいし、引っ込み思案の女の子ががんばって想いを伝えようとするところが、本当に素晴らしいので、みんなに応援していただきたいです!

 

船戸 海果のいいところを全部語ってくれてる(笑)。

 

青木 この作品のよさって、それぞれが成長していくところだと思います。遥乃も壁にぶつかるし、瞬も常に葛藤しているし、ユウなんて、自分の存在自体がわからない状態なので。

 

永牟田 ユウちゃんに関しては、本当に第2期をやってほしい!

 

船戸 間違いない!

 

青木 まだ始まってないけど、第2期は本当にみんな熱望しているよね(笑)。

 

深川 海果が主人公ではあるけど、誰もが主人公という感覚もあります。全部が繋がっているし、キャラクターが魅力的すぎるんですよね!

 

青木 そうだね。誰かしらに感情移入できると思うし。

 

深川 それにみんな否定しないんです。ユウちゃんがうわーって言っても否定しないし、海果ちゃんのことも否定しない。そこを見てほしい!

 

深川芹亜さん

──否定しない懐の深さでいうと、遥乃もそうですよね?

 

青木 すべてを受け入れてくれるからね。でも、それ故に瞬に結構言われちゃったりもするんだけど。

 

永牟田 そうなんですよね。これから先の話になるんですけど、あそこまで踏み込む作品ってなかなかないからすごいなって思いました。八方美人なだけだって言われているようなものなので。でも、そういうところまできっちりと描かれる作品なんです。

 

 

──同性が見ても、共感するところが多そうですね。

 

青木 それはあると思います。

 

深川 学生時代って、自分のことに必死で、こんなことを言ったら相手が傷ついちゃうだろうなってわかっているけど、言いたい。自分の正義を伝えたいみたいなところがあって。そういうところも表現されているんですよね。

 

永牟田 海果ちゃんがひとりで反省会をするシーンがあるんですけど、私は本当に陰キャで、人見知りだったから、自分もめっちゃひとり反省会をしていたんです。だからすごくよくわかる!って思いました。でもそれがギャグタッチで描かれているから、明るく振り返られるんですよね。私の黒歴史を(笑)。

 

青木 でもやっぱり、キャラクターが自分の演じた声で動いているのを見るのはすごく感動しますね。アフレコではまだ絵ができていなかったので、どんなふうに動くのか、色が付くのかってわからなかったから。

 

船戸 アフレコは1年前くらいに終わっていたんですけど、ここは絵を変えるから好きにやっていいよって言っていただくこともあったんですよ。

 

深川 確かに、尺とか気にしなくていいよとか、演者にゆだねていただいた感じがすごくあったので、完成が本当に楽しみなんです! もちろんかおり監督から、リテイクをいただくこともあったりして、ここはこういう雰囲気でっていうのを最後まで突き詰めてくださったんですよね。それを汲み取るのも役者としては楽しかったです。

  

 

■キャラクターが生きているな!ってところを見てほしいです

  

──アフレコについても聞きたいのですが、どんな思い出がありますか?

 

船戸 海果は心の声がすごく多くて、外に出す声よりも心でしゃべる声のほうが多いんです。台本を見ても、ずっと心の声、みたいな。同じ人物ではあるんですけど、外に出すときは、こう言いたいけど言えないもどかしさが伝わるよう心がけていました。海果自体はすごく熱い子で、一生懸命でがんばり屋なので、心の中では「よし! 明日こそは宇宙人さんと話すぞ!」みたいに元気なところが出るよう演じ分けていました。

 

──それはディレクションでも言われていたのですか?

 

船戸 同じ人物だから、繋がりは持たせつつも心の声だとわかりやすくするよう、緩急をがんばってみてとは言われていました。最初はそこのメリハリを付けるところは大変なところでしたし、声にならない声がめちゃめちゃ多かったので、「ん~~」とか「ふ~~」とか、台本には「……」しか書かれていないところとかを、どう表現するかを考えていました。

 

深川 セリフは書いてあるけど、ほとんど息みたいな感じでって言われてたりしたよね?

 

船戸 言われてました。こうしてほしいっていうディレクションは多かったと思います。だからすごく勉強にもなって、主役として、こんなにしゃべらせていただくことも初めてだったので、全部が勉強でした。

 

深川 ユウちゃんは海果といるときはお母さんというか、愛があふれている女の子なんです。バラとかムスクのようなかぐわしい香りを意識していて、みんなといるときは青春っぽく、元気いっぱいでみんなのことを引っ掻き回しちゃうムードメーカーだ! イエーイ!みたいな、ソーダのような香りを意識しながら演じさせていただきました。あと、宇宙人関係のSEみたいなものもユウでやらせていただいたので、そういうところも見つけてもらいたいです。

 

 

──ユウは宇宙人ですし、おでこぱしーがすごくいいんですよね。

 

深川 おでこぱしー、いいんですよ~! ……あっ! ひとつだけ文句を言っていいですか?「ペッギョヴ=モヴロヴ ピヴーバヴヴ=ヴヴ」って宇宙語は本当にたくさんリテイクをいただきました! ドイツ語っぽくとか、マグマが出るような感じでとか、いろいろ言われたのに、結局は普通にやってと言われ(笑)。

 

青木 「デスボイスみたいな感じで」とか言われてたよね(笑)。

 

深川 そうなんです! いろいろやったけど、流行語狙うにはわかりやすいほうがいいよねってところに落ち着いたんですよ! だからぜひ皆さんも言ってみてください(笑)。

 

永牟田 私は事務所に入って1年くらいの時に、この作品が決まったんです。名前があるキャラクターで、こんなにしゃべらせていただくことが初めてだったから、毎回収録が終わって、皆さんと別れたあとに泣きながら帰っていました。できなかったな~って。それこそかおり監督に「このままで大丈夫でしょうか」って泣き言を言ったことが一度だけあるんです。でもそのときに「私が永牟田さんを選んだのは、遥乃ちゃんと一緒に絶対に成長してくれると思ったからだよ」と言ってくださって……。

 

青木 それはめっちゃ嬉しいね。

 

永牟田 はい。それでちょうど遥乃ちゃんのお当番回があって、そこが自分の中でもターニングポイントになって、その話数くらいから、やっと自信をもってアフレコに臨めるようになったんです。遥乃ちゃん自身を見つめることも必要でしたけど、私自身が一緒に成長することで、遥乃ちゃんの壁も一緒に乗り越えられた気がしています。

 

永牟田萌さん

──ディレクションに瞬発力で応えていく仕事でもあるから、新人ならばなおさら大変ですよね。

 

永牟田 でも周りの先輩方が背中を押してくれる言葉をくださったり、大丈夫だよって励ましてくださったので、この4人だったから最後まで駆け抜けていけたのかなって思っています。

 

青木 こんないい話の後に話しづらいぞ(笑)。瞬は4人の中では唯一のツッコミ役で、本当に周りにボケしかいないんです。物語の中で緩急をつける役割を担っていると思ったので、メリハリを付けるお芝居をするよう、音響監督からも言われていました。ここはもっと怒ってとか、もっと冷たくしてとか、最初のほうのツンツンしている瞬へのディレクションが結構多くて、序盤は嫌われないかな?って僕自身も結構不安だったんです。でも回を重ねて仲良くなっていくごとに、ちょこちょこと瞬のかわいい部分が見えてきたりしたので、そこでかわいらしい瞬を最大限出せるように意識していました。そういう意味では、Cパートがわりとほんわかしていて、ギャグっぽいところもあったので、Cパートに救われたところはあります。

 

深川 瞬さんは、一番説明セリフが多いんですよ! そこは大変だろうなぁって思っていました。

 

船戸 専門用語とかもとってもあったからね。

 

永牟田 それなのにツッコミもひとりしかいない。

 

深川 それをいつもボケで被せてしまうから、申し訳ないなって思っていました。

 

青木 常に怒鳴っているから、カロリーは少し多めのキャラではありました(笑)。

 

青木志貴さん

──せっかく第3話の放送が終わったので、第3話ラストのユウが海果を勇気づけるシーンについて、アフレコを振り返っていただいてもいいですか?

 

深川 あー! ベッドシーンですね!

 

船戸 言い方! まぁそうはそうなんだけど。

 

深川 あのシーンはオーディションの時からあったんですけど、一番好きなシーンだったんですよね。ここは本当に温度感のある、吐息を交えた演技をしたいなと思っていたら、アフレコのテストのときにふーちゃん(船戸)がすごく息っぽい演技をしてくれて。そのおかげで、私も女性らしさを出す演技ができました(笑)。

 

船戸 恥ずかしいから!

 

深川 ふーちゃんのおかげで、本当に2人だけの空間にできたかなって思っています。

 

船戸 それは私にも言えることで、ユウちゃんが普段と違うから、ちょっとドキッとしたんです。え? 明内さん?みたいなところがあったからこそ、できたシーンです!

 

青木 深川先生は、ユウというパワフルな明るいキャラクターを演じているけど、海果と一緒にいる瞬間だけ、急に大人っぽいお姉さんになるので、その差の付け方が絶妙で、素敵だなぁって思っていました。そこはぜひ、皆さんに何度も見ていただきたい。

 

永牟田 そこの収録前と収録後も、ふたりでイチャイチャしているんですよ! それを見て、いいな~って思っていました。見せつけるようでしたから。

 

青木 ホントに仲良しだからね。

 

深川 でも、そのあとすぐに海果は瞬のほうに行くし、瞬も遥乃とラブラブするし、なんだよ~ってなってましたけど!(笑)

 

 

──では最後に、この先の見どころを語っていただきましょう。

 

船戸 ここからロケット勝負をするところで、PVであれだけすごかったのだから、絶対に本編はもっとすごい描写になっているだろうとわくわくしています。やっぱりこの作品はロケットを飛ばすシーンがキーになっていると思うので。これから大会もあるし、そこからは苦しくなるシーンもたくさんあります。特に海果は泣いてばかりだから私も苦しくなっていたんですけど、それだけにキャラクターが生きているな!って感じたので、そういうところを観てほしいです!

 

深川 今、生きていると言ってくれましたけど、大熊先生の絵って漫画でも体温を感じるんですよね。それを私たちが受け継ぎながら声を入れて、そこにアニメーションの素晴らしい絵が付いてくる。アニメも体温が感じられる作品になっていると思うので、注目してほしいです。あと海果ちゃんがアドリブをたくさん入れていたので、そこも観てほしいです。みんな自分が思う正義を持って戦っている子たちなので、どんなにしんどいシーンでも最後はきらめく未来が見えています。安心して最後まで楽しんでほしいです。

 

永牟田 遥乃回は絶対に観て!という感じです。人当たりがよくて、どこかパワフルさも感じられる理由が明らかになると思います。あと第3話で瞬ちゃんが出てきて、4人でロケットを作っていくんですけど、瞬ちゃんが登場してくれたから、遥乃は自分と向き合うことができたんだと思うんです。このあとは4人だけでなく、ライバル校のキャラクターとかも出てきて、そこでの人間関係がすごくよくて、みんなが成長していくので、全部観てほしいです!

 

青木 みんながすでに言ってくれたんですけど、ひとつ壁が解消されたと思ったら、また新しい壁にぶつかっていくんです。そのたびにみんなで力を合わせて乗り越えていったり、個々で強くなり成長して行く姿が描かれるんですね。それが誇張表現でなく、等身大の女の子みたいな感じなので、本当にそこに生きているなって感じがしっくりくる言葉なんです。リアルな女子高生感、女の子たちの日常に注目してほしいです。あとは夢の力ってすごいなと改めて考えさせられる作品でした。もう一回熱くなれる気持ちを思い出させてくれたので、そういう意味でも青春を感じられる、めちゃめちゃいい作品なので多くの人に見てほしいです。そして青春や熱い気持ちを呼び覚ましてほしいなって思います。


(取材・文・撮影/塚越淳一)

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星屑テレパス

星屑テレパス

放送日: 2023年10月9日~2023年12月25日   制作会社: Studio五組
キャスト: 船戸ゆり絵、深川芹亜、永牟田萌、青木志貴、高森奈津美、羊宮妃那
(C) 大熊らすこ・芳文社/星屑テレパス製作委員会

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