「今をときめく声優さんと最新のシティーハンターが作れて幸せ」──『劇場版シティーハンター 天使の涙』大ヒット記念! 神谷明(冴羽獠役)×伊倉一恵(槇村香役)インタビュー

2023年09月15日 10:000

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『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』から4年。再び劇場にシティーハンター・冴羽獠が帰ってきた!

シリーズ最新作のタイトルは『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』。エンジェルダストとは、ナノマシンを体内に注入することで身体性能を強化させ、投与された者を超人兵士へと変えるという、本作に登場する闇のテクノロジーだ。今回の劇場版では、それを巡って冴羽獠を戦士として育てあげた海原神との因縁、そして最強の敵との戦いが描かれる。

 

 

そんなファンだけでなく、冴羽獠という男を知る者なら誰もがその行く末を知りたくなるであろう『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』について、冴羽獠役の神谷明さんと槇村香役の伊倉一恵さんにお話をうかがった。


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アンジーは、沢城みゆきだからできた役

 

──『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』が制作されると聞いたときの感想をお聞かせください。

 

神谷 すごく嬉しかったです。この歳になりますと、体力的にも落ちてくるものですから早いほうがいいと思っていたのですが、よくよく考えると4年というのはいい間ではあったのかなと思いました。とは言っても早いほうがいいし、待ち焦がれていたので、嬉しかったです(笑)。

 

伊倉 私も本当に嬉しかったです。前作の『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』のときは、ちょっと諦め気分もあったんですよ。というのもアニメ30周年のときに何もなかったから。

 

神谷 実は、30周年くらいで何かをやるのかな?って話していたんです。

 

伊倉 何か来るんじゃない?って言って何もなかったから諦めていたところ、32年というタイミングで劇場版をやることになり、嬉しかったんですけど、私自身は大丈夫かな?という不安もあったんです。でも実際に公開をされたら、何度も観てくださる方がいて、観客動員数も100万人を突破したり、長期間上映してくれたりして幸せでした。

 

神谷 そうだったねぇ。でもそこから3年以上音沙汰がないから、あれ?って思ったけど(笑)。

 

伊倉 その間にコロナもありましたからね。でもコロナが明けた頃に今回の新作が決まって、前作もちょうどコロナ前だったので、『シティーハンター』は本当に運がいい、持っている作品だなって思いました。

 

神谷 そういう意味では、ついているかもね。

 

 

──今回の映画のキャッチコピーに「最強の敵と最後の戦いへ——」とありますが、シナリオを読まれたときはどう思いましたか?

 

神谷 言うまでもなくストーリーは面白かったんです。アクションシーンが文字で描写されていて、これを映像化できるの?っていう思いもあったのですが、声の収録時にいただく資料映像を見たら、ちゃんとできているんですよ。これはすごい!と思いました。作画の皆さんがすごく努力をされいるんだなと感じましたね。それにしても、むとうやすゆきさんのシナリオは、めちゃめちゃ面白かった。ただ、思ったのは、ゲストの方の演技力がすごく要求されるなと……。

 

伊倉 脚本は面白いんです。前作は「お久しぶり」な感じでしたけど、今回は事件を描いていく台本で、面白いドラマになっていたんですね。でも、神谷さんが言う通り、ゲストであるヒロインのアンジーは大変な役だと思いました。謎めいているキャラクターで、やわらかいところからハードなところまでを演じなければいけないキャラクターだったので。

 

──確かに複雑な役で、あらゆる方向性のお芝居が必要とされるキャラクターでしたね。

 

伊倉 劇場版映画って、基本的にゲストはタレントさんが演じることが多く、前回の飯豊まりえさんも本当にアニメの演技がお上手な方だったんですけど、アンジーはそれとはまた別の難しさがあると思ったんです。

 

──アニメならではの技術や経験も必要ということでしょうか?

 

伊倉 そうですね。声優の仕事って絵のないところで、脚本を読み込み、監督から言われることを加味しながら、ものすごい想像力を使って演技をしなければいけないので、これは大変だろうな~って心配していたら、沢城みゆきちゃんが演じることを知って。みゆきちゃんであれば大丈夫だって思いました。逆に私が勉強させていただきたいと思うくらい尊敬している役者さんなので、共演できて嬉しかったです。

 

 

──一緒に収録もされたそうですね?

 

伊倉 はい。私は嬉しくて興奮状態でした(笑)。

 

神谷 ロジカルに役をとらえて演じているというのは、一緒にやっていてわかりました。僕はもう、冴羽獠を肌で感じたまま演じているところがあるけど、彼女はロジカルに役を作ってこられていて、疑問点があれば演出と話しながら答えを出していかれていた。大変そうでしたけど、よくやっているな~と思いました。

 

伊倉 今の段階ではあまり細かく言えないんですが、みゆきちゃんだからできたような感じはします。

 

神谷 沢城みゆきちゃんだけでなく、ピラルクー役の関智一くんやエスパーダ役の木村昴くん。ましてや海原神役は堀内賢雄さんですからね。皆さん本当にいい芝居をしてくれていたと思います。賢雄さん以外は、TVアニメを見ていた世代だったから、出演することをすごく喜んでくれていたのも嬉しかったです。

 

伊倉 チイチ(関智一)なんて、神谷さんにサインをもらっていましたから。あんた十分やってる人でしょ!って(笑)。

 

神谷 今をときめく声優さんと最新の『シティーハンター』が作れて幸せだったし、仕上がりとしては、もう言うことがなかったです。

 

伊倉さんは、香そのものでした

 

──今回、サブタイトルに“天使の涙(エンジェルダスト)”とあるのですが、これは『シティーハンター』の中でもかなり大きな題材だと思われます。たとえば新規で観る方などには、どう説明すればいいでしょうか。

 

神谷 それに関しては、作品を観ていただければしっかり説明されているのでわかると思います。原作を知っている方からすれば、エンジェルダストと言えば、で、海原神が出てくるわけです。これはもう待ち望んでいたのではないかと思います。しかも上手な出し方をしてくるんですよ! 僕はひと声聞いただけで、畜生!って思いましたから(笑)。

 

本当に脚本がよくできていて、『シティーハンター』を知らない方も、ずっと応援してくれている方も十分に楽しめる作品になっていると思います。エンジェルダストもポイントではあるけど、そこに至るまでの運び方がいいので、ストーリーに身をゆだねているだけで楽しめるんです。

 

 

──海原神に関しては、それこそ今回のキャッチコピー「最強の敵と最後の戦いへ——」がしっくり来ますよね。

 

神谷 宣伝文には、「The Final Chapter Begins.」とも書いてあるでしょう。映画を見ると結果的にそうなっているんですよ。それはとっても嬉しいことなんだけど、年齢を考えると、4年後だったらどうなるんだろうと思って「え?」ってなったんです。でも野沢雅子さんは、その年齢でも『ドラゴンボール』をやっているわけですから。

 

伊倉 夜中でも平気であの声が出るって言っていました(笑)。

 

神谷 だから僕らが歳のことなんて言えないんです。でも、最終章が始まると言っても、この作品はきちんと完成・完結しているので、この映画が盛り上がってくれたらいいなと思っています。

 

伊倉 香に関しては、海原と獠との関係もよく知らないから、新しい獠を見ているような感じでしたけどね。

 

神谷 面白かったのは、賢雄さん、海原がTVアニメに出ていると思って見返したら、いつまで経っても出てこなかったと言っていたんです。海原は、原作を読まないとわからないキャラなんですよね。でも、実に海原でした。

 

伊倉 ここで獠の過去が少し描かれているから、他のキャラクターの過去とかも気になってきちゃうんですよ。それこそ海坊主や、アニキ(槇村秀幸)もそうですよね。だから、私もがんばって長生きしなきゃ!って思いました。

 

 

──映画では、前作に引き続き新宿の街並みもTVシリーズの時代でなく、現代に近くなっています。アニメの映像技術も上がっているので、アクションシーンには圧倒されたりしましたが、演じられたお2人としてはいかがでしたか?

 

神谷 まず驚いたのは小道具で、今は(携帯電話じゃなくて)スマホなんですよね。ましてやマッチングアプリを獠が使いこなしていて、すごいな~!って思いました(笑)。そういうところは時代に対応しているんですよね。作品が時代にマッチして作られていることは、すごく嬉しいことだなと思いました。

 

伊倉 それに、今の新宿を舞台にしても、すぐに受け入れられるようなキャラクターなんですよね。そこにいるんだろうなって感じが、すごくしてくるんです。

 

神谷 あとはカーアクションですよね。3DCGを使っているから本当にリアルで迫力がある。背景も昔に比べるとすごくきれいで……。そういう意味では、変わったなぁって思いました。

 

伊倉 スピード感や光が流れていく感じとか、昔はアニメでそんな表現はできなかったけど、それがリアルに再現されているのはすごいことだと思いました。

 

──逆に変わらないよさもありましたよね。

 

神谷 相変わらずだったのは、あんなに壊した家のトラップがすぐに元に戻っているとか。

 

──獠もハンマーで殴られようが何をしようが、次のシーンでは元に戻っているのは、昔のアニメならではですよね。

 

神谷 そうですね。いつの間にか部屋も修復しているし、顔も傷つかないし(笑)。アニメならではのお約束というのはしっかりあったし、それがアニメーションのよさだと思うんです。でなければ実写でやればいいわけですから。

 

 

──今回の映画は、冴羽獠と槇村香の魅力がすごく出ている映画だと思いました。改めてその魅力を教えていただけますか?

 

神谷 獠ってビジュアル的なイメージからすると強くてやさしい。でもそれだけでなく面白いし、スケベでアホなんです。どんどんひとりの中にいろいろな要素が出てきて、しかもストーリーの中で、それが違和感のない世界として原作の北条司さんが作ってくれているんですよね。ホントだったらこんな声出さないよって思っても、受け入れられてしまう。非常にキャパシティが広い男で、理想的なキャラクターだなって思っています。それでいて決めるところは決めるから、やっていても楽しいんですよ。

 

──今回映画を見ていて思ったのは、香がブレていないことで、周りには超人ばかりがいるけど、香はいつも普通の感覚で物事をとらえて、話しているんですよね。そこは魅力だなと思いました。

 

伊倉 ブレないのか、わかっていないのか(笑)。周りの人たちは緊張感があって、今起こっていることに反応しているんだけど、香自身は気づけていないんですよね。戦うときも、何か技があるわけでもないし、狙撃ができるわけでもない。ただ運はいい!みたいな(笑)。

 

神谷 よく思うけど、戦いのときも100tハンマーを使えばいいのにね。そしたら無敵なのに、そういうシーンでは出てこないんだよね(笑)。でも香は魅力的ですよ。かわいいし、美しい、はかなげだし、強いし。獠にもいろんな魅力があるけど、香も女性としての魅力を多く備えているキャラクターだと思います。

 

伊倉 私が演じていてラクちんなのは、何もない普通の子だからっていうのはあるんです。超人ではないから、普通のことに悩んで、普通のことでどうしようかな、ってなっている。それでいて、一緒にいて安心な人に囲まれているから、うらやましいなって思います。

 

神谷 そうだね~。戦闘シーンでも普通だもんね。そこで叫んじゃダメでしょ!ってところでも、やっぱり叫びたければ叫んじゃうし……。彼女は本当に魅力的なキャラクターだから、北条先生に感謝しています(笑)。

 

 

──最後に、触れないわけにはいかないTM NETWORKの音楽ですが、今作でもEDテーマは「Get Wild」でした。

 

神谷 TM NETWORKの音楽は素晴らしくて! 吹き込み前にいただく資料映像も音楽が何曲か入っていて、最後に「Get Wild」が流れたんですけど、それでもう泣きそうになりました(笑)。本当にいい曲ですよね。それに伊倉さんとの収録が終わったあとに、今届いたんだよって、劇中のクライマックスで流れる曲を聴かせていただいたんです。もう小室さんずるい! どれだけ泣かせればいいの、っていうくらい作品にぴったりな曲だったんですよね。だから今回は、ストーリー、絵、音楽、そして僕たちの声、すべて良いものが揃ったと思っているので、ぜひ劇場に足を運んでいただき、味わってほしいです。とは言っても、一抹の不安もあるんですけどね(笑)。

 

伊倉 そうそう。お前は大丈夫なのか?っていう気持ちはちょっとあって、実はまだ完成されたものを私たちは観られていないので、不安なんです。みんながいいものを作っているのに私は大丈夫?って。

 

神谷 そんなことを言っているけど、全然大丈夫なんですよ(笑)。レギュラー声優陣は前回から4年経っていて、不安はみんなあったと思うけど、皆さん前回よりもパワーアップしている。なかでも一番パワーアップしていたのは伊倉さんで、香そのもので、本当にかわいらしかったです。

 

 

(取材・文・撮影/塚越淳一)

【作品情報】
劇場版シティ―ハンター 天使の涙(エンジェルダスト)
<公開情報>
2023年9月8日(金)全国公開


<キャスト>

冴羽 獠:神谷 明
槇村 香:伊倉一恵
槇村秀幸:田中秀幸
野上冴子:一龍斎春水
海坊主:玄田哲章
美樹:小山茉美
来生 瞳:戸田恵子
来生 泪:深見梨加
来生 愛:坂本千夏
ピラルクー:関 智一
エスパーダ:木村 昴
アンジー:沢城みゆき
海原 神:堀内賢雄

 

<スタッフ>
原作:北条 司
総監督:こだま兼嗣
監督:竹内一義
脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:高橋久美子 北澤精吾
美術:谷口淳一
色彩設計:久力志保
CG監督:五島卓二
撮影監督:齋藤真次
編集:今井大介
音楽:岩﨑 琢
音響監督:長崎行男
音響制作:AUDIO PLANNING U
主題歌アーティスト:TM NETWORK
オープニングテーマ「Whatever Comes」
エンディングテーマ「Get Wild」

制作:サンライズ アンサー・スタジオ
配給:アニプレックス

 

<イントロダクション>
——逃れることのできない戦いが、幕を開ける——
法で裁けぬ悪と闘う超一流の始末屋(スイーパー)・冴羽獠とそのパートナー槇村香が様々な依頼を受け事件を解決していく——「週刊少年ジャンプ」で北条司が連載した「シティーハンター」は累計発行部数5,000万部を超えTVアニメシリーズ、劇場版作品が製作されてきた。
そして2023年、待望の劇場版アニメ最新作が公開!
前作に続き現代の東京を舞台にそのストーリーは冴羽獠の過去、そしてパートナーであった槇村秀幸の死の核心に迫っていき、原作で重要な役割をもつ「エンジェルダスト」をタイトルに冠する今作で「シティーハンター」は新たな局面に突入する。
キービジュアルで北条司が描き下ろした傷を負った獠、その視線の先にいるものとは…?!
主人公・冴羽獠を演じるのは神谷明。そして槇村香役に伊倉一恵、野上冴子役に一龍斎春水(麻上洋子)、海坊主役に玄田哲章、美樹役に小山茉美というオリジナルキャストが再び結集。
制作はこれまで「シティーハンター」のアニメ作品を手がけてきたサンライズが新たにアンサー・スタジオとタッグを組む。前作に引き続きこだま兼嗣(「シティーハンター」「名探偵コナン」シリーズ初代監督)を総監督に迎え、脚本をむとうやすゆき(「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」脚本、「東京リベンジャーズ」シリーズ構成)が務める。
そしてエンディングテーマには欠かすことのできないTM NETWORK「Get Wild」が劇場に鳴り響く!
これは、冴羽獠の原点に迫る物語。 追憶の彼方にあるものは、愛か、憎しみか。
「天使の涙(エンジェルダスト)」が意味するものとは—— 「シティーハンター」は遂に「最終章〈ファイナルチャプター〉」へ!


<WEB>

公式サイト:https://cityhunter-movie.com/
公式X:https://twitter.com/cityhuntermovie


(c)北条司/コアミックス・「2023 劇場版シティーハンター」製作委員会

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劇場版シティ―ハンター 天使の涙(エンジェルダスト)

劇場版シティ―ハンター 天使の涙(エンジェルダスト)

上映開始日: 2023年9月8日   制作会社: サンライズ/アンサー・スタジオ
キャスト: 神谷明、伊倉一恵、一龍斎春水、玄田哲章、小山茉美、戸田恵子、深見梨加、坂本千夏、関智一、木村昴、沢城みゆき、堀内賢雄
(C) 北条司/コアミックス・「2023 劇場版シティーハンター」製作委員会

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