「亜空大作戦スラングル」の1/48チャンサーを組み立てて、アオシマの試みた新路線“リアクション”シリーズの真実を目撃せよ!【80年代B級アニメプラモ博物誌】第14回

2021年08月21日 11:000

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機能しない関節部のディテールに、アオシマらしいメカ感、未来感が込められている!


あらためて「亜空大作戦スラングル」を見ると、トレッカー・ビークルって腕のあるタイプ、2人乗りできるタイプがあったりして、実はかなりカッコいいね。そういう何種類かのバリエーションの中なら、このチャンサーの「腕がなくてシールドみたいのが左右に付いてるだけ」、これはこれで渋い気がしてこない?
頭も腕もないロボなので、まず足から組みますよ。

▲ まずフトモモを組んで、つま先と一緒にスネのパーツで挟み込む。それだけでなく、カカト部分にT字形の小さなシャフトをはさむ。接着しない。これがわからない。次の工程で明らかになるのであろう

▲ 先ほどのT字形のシャフトには、板状のパーツを接着する。たぶん、サスペンションというか足の曲げ角度に連動する気のきいた仕組み……のつもりなんだろうけど、足底から後方に向けて軸可動するだけ。気持ちはわかるんだ、気持ちは

▲ さらに足首の左右に細長いパーツを接着して、ヒザにインテーク状の横長のパーツを付けると、片足ができ上がる。左右の足はまったく同じ形状なので、もうひと組つくるよ

てっきり逆関節メカだと思っていたのだが、このチャンサーのヒザ関節は後ろへ曲がる。だったら、ウォーカーマシンのパクりというのは正確じゃないな。トレッカー・ビークルは、もう少し未来的なセンスのメカだ。
組み上がったフトモモの上方、本体と繋がるあたりにギア状のディテールが彫られている。カカトのT字形のシャフトもそうだけど、関節として機能してはいないんだけど、「ここは動くところ」という気分、メカニックとして表現したい意欲は伝わってくる。
この後、足の付け根を四角いブロックで包み込む。

▲ 左足。フトモモの巨大な穴を、左右に分かれたブロックで挟むのはいいとして、インテークっぽい小パーツがいっぱい。前後にインテークを接着するだけでなく、左足の上にだけ、箱状のパーツが付く。なので、組むパーツはけっこう多い

▲ 右足。なぜか組み上げたブロックの外側に、小さな丸軸を接着する指示がある。この軸が新シリーズ「リアクション」への布石になっていたとは、まだこの時点では気がつかなかった

これで機体の左右ブロックは組み上がったので、次は中央ブロックだ。パイロットの乗る中央ブロック、そして足の基部である左右のブロック。この3つで本体が構成されている。「何となく足だけ生えたメカ」としか認識していなかったので、いろいろ発見があって、新鮮な気分だ。では、中央ブロック、行ってみよう!

▲ これは股間の円柱なのだが、説明書には「エンジン」と書いてある! カッコイイぜ、こんな円柱がエンジンなのか! これが「大口径バズーカ」とか書かれていたらしらけるけど、エンジンならば未来的な超テクノロジーというイメージが一気にアップする

▲ この銃は「チャンサー砲」と書かれている。「正式名称は別にあって、面倒だからチャンサー砲と呼ばれてるんだろうなあ」と空想するのも楽しいし、こんな細長い武装しか積んでない=そもそも戦闘用のマシンではない、それが魅力的じゃない?

▲ これはストレートに「座席」と書かれてました。だけど、エンジンと座席と砲があるんだから、あとは推進装置さえあれば乗り物として成立するでしょ? そこで、推進装置として両足が必要なわけだ。いいぞいいぞ、楽しくなってきた!

チャンサーというかトレッカー・ビークル、結構よくない? キットの出来はともかく、メカニックとしての構成は説得力あるよ。エンジンと砲と座席を中央ブロックに組み込めば、あとは完成している両足でメカとして整合性がとれる……と、あれだけ気になっていたREAL ACTION=「リアクション」というシリーズ名をすっかり忘れてました。結局なんなんだろう、リアクションって?

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関連作品

亜空大作戦スラングル

亜空大作戦スラングル

放送日: 1983年1月21日~1984年1月27日
キャスト: 古谷徹、野島昭生、平野文、鈴置洋孝、西尾徳、増岡弘、小林清志、小金澤篤子、頓宮恭子、渡部猛
(C) 国際映画社・つぼたしげお

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