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鉄人とウンチとマシリトと……「Dr.スランプアラレちゃん」のキャラメルマン1号（バンダイ）を組み立てて、ロボプラモ変遷期の混沌を知る【80年代B級アニメプラモ博物誌】第11回

2021年05月22日 10:000

企画記事

プラモデル

B級アニメプラモ

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あとは足さえ組みていればロボットの形にはなるのですが、そろそろ付属のフィギュアが気になってきたので、Dr.マシリトだけ先に組み立てて、コクピットに乗せた感じがどうなるか、仮組みして確認してみました。

▲ マシリトは胴体前後、右手と左手の4パーツです。手には操縦桿を握っているが、別にコクピットのどこにも繋がってない（笑）。これじゃあ、カラオケのマイクを独占しているスナックの客みたいだけど、こんなに少ないパーツ数でよくまとまっている

それでは、いよいよ足の組み立てですよ。下半身には、こうやってDr.マシリトがみっしりと詰まっているので、足の付け根は動かないよね？　じゃあ、どうなっているのか？　とにかく、説明書を見てほしい。

▲ 「※足は水平になるように接着する。」って、要するに足は完全固定？　足首もヒザもすべて一体化した足パーツを、左右から「ペトッ」と接着するだけ！

▲ 実際にパーツを組んでみると、足の付け根は、本当にただ平らな面のみ！　ハナっから可動させるつもりナシ！　ダボも何もない、微妙にふくらんだ面なので、胴体に接着するのは大変ですけどね……それにしても、スゲエ発想だ

これ、カッコよくないですか？　上半身は腕もよく動くしコクピットやランドセルも開閉するのに、足は完全固定！　上半身はオモチャだけど、足だけ彫刻というか“瞬間をとらえたアート”になっている。ランドセルの重さ、Dr.マシリトを乗せることによる重心バランスなどをかんがみると、確かに足は固定するのが正解……という気がしてくる。
では、両足を胴体に「ベタッ！」と接着して、完成させようじゃないか、キャラメルマン1号を！

▲ ランドセルから頭へつながる動力パイプが、ちょっと複雑なカープなので接着しづらいが……しかし、でき上がってみると、かなりいいんではないか？　両手を振り上げたポーズもとれる（しかも倒れない）！　逆三角形のフォルムを維持しながら、腕の可動によって、かなり表情つけられるぞ！

あと、忘れてはいけない。主役のアラレちゃんと、超マイナーキャラの地球儀ドリも組み立ててしまおう。

▲ アラレちゃんは胴体が前後分割、右手のみ別パーツの計3パーツ。しかし、ここまでウンチに配慮して計3個も付属するプラモデル、ほかにないでしょう……空前絶後のウンチプラモだよ。大きさは、ちょうど4センチ。ベルトのバックルまで、細かくできてます

▲ 地球儀ドリ。原作漫画のトビラにしか登場していないというマイナーキャラが、どういうわけかインジェクションキット化。やたら分割が細かくて、なんと10パーツもある！　こういうアンバランスさが、何でもかんでもプラモデル化していた頃のバンダイさんの魅力だよねえ……大好きです。あとウンチ2個は、同じ形状のようです

これで、すべてのパーツを組み終わりました。ロボット1体に、キャラクターが3体も付属する豪華キットです。ウンチも、合計3個付属します。ランドセルに「でんち」も収納できるし、これは楽しい。

▲ アラレちゃんとの対比。キャラメルマン1号は、全長11センチに満たない。だけど横方向へのボリュームがあるから、かなりの迫力を感じます

▲ ランドセルに「でんち」を出し入れすると、こんな感じ。先にも書いたように、でんちを受ける天面のパーツ位置がわかりづらい。それもあって、ちょっと出し入れしづらいけど、プレイバリューとしては申し分ないアイデアですね

▲ しつこいようですが、「ボトムズ」放送前年のキットで、ここまでパイロットとロボットの関係がつきつめられている（コクピットが開閉までする）キットは、画期的と思う。マシリトは、接着しなくても安定します

いやー、いいよね。キャラメルマン1号。充実してますよ。コクピットが再現されていて、パイロットまで付いている。同時期（1982年）のバンダイ製プラモデルとしては、「戦闘メカザブングル」でもコクピット再現、フィギュアも付属しておりました。スケールが1/144と1/100だったけど、外観やフォルムだけが再現されていて、関節可動だけするガンプラから方向転換しはじめた時期だったんでしょうなあ。スケールモデル寄りになったというか、こんなウンチ付きロボですら、「外部と内部の関係」を模型として成り立たせてますからね。重要なピースと思いますよ、マジで。
では、このコーナーが自然消滅していなかったら、また来月会いましょうや。バイちゃ。

（文／廣田恵介）