【気になる! 旬なアニメレビュー!】歌謡曲へのリスペクトあふれる名曲ぞろい!「ゾンビランドサガ フランシュシュ The Best」レビュー&クリエイターによるセルフレビュー!

2019年11月29日 16:000

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クリエイター‘s セルフレビュー

 

●「DEAD or RAP!!!」グリーンフェイス

・KOMU(作詞・作曲)

こちらの曲が「サガ・アーケードラッパーズ」と決定的に違う点は、そもそも登場人物が「ラップのつもりで歌い始めたわけではない」という事。

幸太郎のビートボックスが入るまではあくまで語りでありつつ、けれど「おもわずラップっぽくしゃべっちゃった!」というアプローチ。

この導入部分のさじ加減が一番悩んだところかもしれません。

とは言え「ゾンビがバレたらあたしら終わり!」以降、ガンガン韻を踏み荒らしてゆくのですが、その辺りはビートボックスの導入になるため思い切る必要がありました。

幸太郎のビートが入り、遂にこの曲だけのテーマである【フリースタイルラップバトル】が明確になります。バトルの始まりはリズム、音程などを意識したスタンダードなラップで渡り合うさくらとサキ。この部分ではまだそこまで韻を意識せず、リズムに乗せてラップっぽくしゃべる程度に抑えています。

中盤、サキの「アタシら終わってんだよ!」から、さくらの「ぶっこんでこいよ特攻隊長ーーー!!」の下りで、サキとさくらのバトルはシナリオ上ピークを迎えます。実際のラッパー同士のバトルでも見られる「決め手」の瞬間を表現したく。リズムや小節はギリギリ意識しつつも、限りなくしゃべり口調に近いラップを叫ぶことで、感情のたかぶりと吐き出した言葉の本気度を強調させました。

終盤はさくらの無双モードです。

2小節という短いスパンの中で「最高」「才能」「なんも」「敗北」と固い韻(着実に語尾を合わせること)を即興で踏み、「ボロボロのゾンビ」→「心はまだまだ腐りゃしねえ」などの意味合いを通したパンチラインを使いこなし、観客のじいちゃんばあちゃん達へ向けたラップは最後のたたみかけとばかりにビートもラップも速度を増し、「シルバーの意地みせる番」の"番“を最後の「Bang!」で回収し、破裂音を繰り返すことで聴感的な引っかかりを持たせています。

グリーンフェイス!フォーエバー!!

 



●「目覚めRETURNER」各種 フランシュシュ

・木下智哉(作詞・作曲・編曲)

制作開始時のオーダーは、「雷に打たれてケロケロvoiceになるので」「それが映えるいい感じの楽曲とメロにしてください」 とありまして、正直「どんなシチュエーションやねん??」ってなりました(笑)。  

構成の不規則さと、エレクトロダンスの新旧をごった煮にしたようなサウンド感です。  

当初7話だけの予定でしたが、最初のストリートライブで披露する曲となり、 そのおかげと言いますか「フランシュシュ」の前半の代表曲のような扱いになっていったのはとても嬉しい限りです。そのストリートライブのシーンで、あえてつたなく本渡さんが歌っているのがすごくリアルで「すげぇ……」となりました。 

アニメ本編では後半に向けてどんどん楽曲が披露されていき、それと呼応するようにストーリーも評判も盛り上がっていった気がします。こんな話題沸騰の作品に関わることができてとても幸せです。

 

 

●「FLAGをはためかせろ!」 フランシュシュ

・SHIBU(編曲)

サウンド面に関してですが、最後の方に流れる、と聞いてましたので、「とにかく明るく派手に」を意識しました。

サウンドアプローチとして、わかりやすく王道のラストソング、というよりは少し難しくワチャワチャさせつつもドラマチックにエンドに向かっていく、という点も意識しました。 個人的に聞いてほしい点はサビ前のキメ部分です。1番2番と変化をつけて印象的なキメに仕上がったかなと思っています。

 

●「サガ・アーケードラップ」サガ・アーケードラッパーズ

・KOMU(作詞・作曲)

「人気(ひとけ)のない夜のアーケードで、たまたま見かけた女の子達をナンパしちゃう」系のノリのよさ(ガラの悪さ?)を表現しつつ、逆に言うとそんなおニイちゃん達が「超絶スキル!」っていうのも、なんだかだよねえ?といったところも踏まえ、勢い任せでちょっとスキルはおろそか(?)な感じを意識しながら、普段の制作とは真逆の「カッコよくなりすぎない」という点に注意した仕上がりになっています。

実はこちらの曲、3人の動きの部分の描写のモデルもやらせていただきました。都内スタジオで「アーケードをラップしながら歩く」という動作をビデオに収めていただいて、それを元にアニメーターの方が見事に動きとして再現してくださっています!

もちろんこんな経験は後にも先にもこの作品だけのことでしたので、今となってはよき思い出です(笑)。

 

 

・SIHIBU(作曲・編曲)

作中で若者3人がラップをしながら歩いてくるシーンで使用する、と聞いて、制作段階ではあまり想像がつきにくかったのですが(笑)、ほどよいレベルで下手すぎず上手すぎず、という点を意識して作りました。実際流れるシーンもとても面白く、彼らにインパクトを残せたかなと思っています。KOMUさんと共に動きのモデルもやらせていただきました(笑)。

  

●「FANTASTIC LOVERS」 アイアンフリル

・SHIBU(作曲・編曲)

時代感を明確化した楽曲、というオーダーでした。

とはいいつつもパロディやパクリにならずに、ぽい!となる方向を目指しながら制作をいたしました。特にサウンド面では、イマドキな音を使わずに当時の音質に近づけていくことに一番時間を使いました。

作中で流れる時間は少なかったのですが、この曲が流れることで時間軸を少しでも表現できたかなと思っております。 

 

・山田竜平(作曲)

第1話のさくらがテレビを見ているシーンで流れていて、劇中では2008年の設定ということもあり、楽曲としてもその時代を感じられるように制作いたしました。

また、アイアンフリルが「国民的アイドル」であるからこそ、楽曲も国民的に愛される歌になるよう努めました。何よりもインパクトとキャッチーさが必要とされる場面、時代でもあったと思いますので……。

サウンドを通して時代感を表現しつつ、メロディとしても1度聞いたら忘れられないような曲になったんじゃないかなと思っております。

 

 

●「ゼリーフィッシュ」アイアンフリル

・山田竜平(作曲・編曲)

王道アイドルソングを目指しつつも、どこか胸が熱くなるような楽曲を目指しました。「FANTSTIC LOVERS」もそうですが、アイアンフリルが国民的アイドルであるからこそ、楽曲も相応な曲でなければいけないと思っておりました。

劇中7話は、フランシュシュのメンバーおのおのの葛藤、不安、決意、いろんな感情が渦巻く中で、ステージではアイアンフリルのライブというエピソード。楽曲がただただ明るいだけのアイドルソングではなく、熱さもあるからこそ、すごくシーンになじんでいたと思っております。

 


ライターによるディスクレビューと、クリエイターによるセルフレビューでお届けした今回の記事だが、いかがだっただろうか?
より各楽曲を深く楽しむ一助となれば幸いである。

次のライブや舞台化も決まっており、続篇に向けて盛り上がり続ける「ゾンビランドサガ」に、今後も注目だ!

【CD情報】

■ゾンビランドサガ フランシュシュ The Best

・発売中

・価格:6,050円(税込)

・初回特典:3月8日(日)開催LIVEチケット最速先行抽選券(シリアルコード付き)

 

TVアニメ「ゾンビランドサガ」の楽曲集が遂に発売!

主題歌はもちろん、Blu-rayの特典でしか聴くことができなかった劇中歌も収録!

新曲2曲・未収録曲3曲・新曲「佐賀事変」のアニメMV収録!!

 

<CD>

1:ようこそ佐賀へ

2:徒花ネクロマンシー(Album ver.)

3:DEAD or RAP!!!

4:目覚めRETURNER

5:ドライブイン鳥(フランシュシュver.)

6:アツクナレ

7:目覚めRETURNER (Electric Returner)

8:To my Dearest

9:佐賀事変

10:特攻DANCE ~DAWN OF THE BAD~

11:ヨミガエレ

12:FLAGをはためかせろ!

13:輝いて

14:光へ

15:FANTASTIC LOVERS/アイアンフリル

16:ゼリーフィッシュ/アイアンフリル

17:サガ・アーケードラップ/サガ・アーケッドラッパーズ

18:To my Dearest~Lily‘s practice singing~/星川リリィ

Bonus track 

19:宣誓!ALIVE センセーション/源さくら

<Blu-ray Disc>

「佐賀事変」アニメーションMV

画像一覧

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ゾンビランドサガ

ゾンビランドサガ

放送日: 2018年10月4日~2018年12月20日   制作会社: MAPPA
キャスト: 宮野真守、本渡楓、田野アサミ、種田梨沙
(C) ゾンビランドサガ製作委員会 (C) ZOMBIE LAND SAGA PARTNERS

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