「大人でも子供でも口ずさみたくなる曲に」アニメ「はなかっぱ」3年ぶりのOPテーマ「えがおのまほう」大原ゆい子インタビュー!

2019年06月11日 12:430
「大人でも子供でも口ずさみたくなる曲に」アニメ「はなかっぱ」3年ぶりのOPテーマ「えがおのまほう」大原ゆい子インタビュー!

映画「リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード」のED主題歌「Magic Parade」でメジャーデビュー後、TVアニメ「リトルウィッチアカデミア」や「宝石の国」「からかい上手の高木さん」「はねバド!」など、数々の人気作の主題歌を担当してきたシンガーソングライター・大原ゆい子さん。

どの曲も作品の雰囲気に寄り添った名曲ばかりということもあり、リリースごとにファンを増やし続けている。そんな彼女がリリースした7thシングル「えがおのまほう」は、NHK 教育テレビで2010年から放送されているアニメ「はなかっぱ」の主題歌だ。これまでとまったく違う客層へ向けての楽曲だが、やはり作品を大切にした彼女の楽曲作りは一貫していた。

 

 

「何か」のために曲を書くのは楽しい!

ーー「はなかっぱ」のオープニングテーマですが、前の主題歌「ス・マ・イ・ル」の放送期間がものすごく長かったですよね?

 

大原 3年以上なので、皆さん慣れ親しんだ曲が変わってしまったショックで「う~~」ってなっていたみたいです……。

 

ーー自分もほぼ「ス・マ・イ・ル」しか聴いてこなかったので、さすがに衝撃はありました。そういう面でも、やはりプレッシャーは大きかったですか?

 

大原 プレッシャーはありましたね。事務所の先輩である上白石萌歌さんが歌っていた曲ですし、自分も「ス・マ・イ・ル」は大好きで歌っていたので、「えがおのまほう」がどんな反応をされるのかという不安があったんです。でも、NHK教育テレビのアニメのオープニングが書ける機会というのはそうはないですし、時間が経っても忘れられない曲にできたらいいなと思って書きました。

 

ーーほぼ毎日流れているわけですからね。作詞・作曲するうえでは、どんなことを手がかりにしましたか?

 

大原 もともと「ドラえもん」や「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」、NHKだと「忍たま乱太郎」とか、そういうアニメが好きで育ってきたので、まさに王道のアニメのオープニング!という感じで、主人公の名前が入っているような曲にしたいなぁとは思いました。「はなかっぱ」だと“かっぱ”って言いたくなるフレーズだったので、とにかく“かっぱ”は入れたいなと思って、ふんだんに入れさせていただきました(笑)。

 

ーーそれはアニメサイドからの要望ではなかったんですね。

 

大原 歌詞の要望はなかったので自由に書かせていただきました。曲調も明るく楽しい感じでお願いします、というくらいで。

 

ーーそうなんですね。ソングライティングという面でうかがうと、何かのために曲を書くというのは楽しい作業なんですか?

 

大原 大好きです!(笑) 自分の感情を曲にするのも好きなんですけど、実はそれはあまり苦しくなく、すんなりできてしまうことが多いんです。逆に作品のためとか、自分が見た何かのために曲を書くのは、産みの苦しみはあるんですけど、できたときの達成感がはかり知れないので、すごく楽しいんです。

 

ーー別モノという感覚なんですか?

 

大原 全然違いますね。縛られているからこそ逆に絞り出せるものがあるんだなっていうのは感じます。ひとりでシンガーソングライターをやっているときは恋愛がテーマだったり、日常に起こっていることを書くという普通の書き方をするけど、たとえば「リトルウィッチアカデミア」だと空想の世界だったりするじゃないですか。だから歌詞もすごく悩むんです。与えられたものに対して絵を描くような感じというか。ただ、それができたときにたくさんの人が聴いてくれて、どういう気持ちになったかというのを知ることができたりするので、また違う楽しみもあるんですよね。

 

ーー逆に与えられることによって自分の世界が広がることもありますよね。空想の世界を音にするとどうなんだろうって。それは自分の制作にも生かせる気がします。

 

大原 生かせるようにしたいなとは思ってます。自分のことを歌った曲ではないんですけど、カップリングの「セイセイせんべい!」とかは、アニメではなく岩塚製菓さんのオフィシャルタイアップソングになるんですけど、お煎餅の気持ちになって書いてみようっていうのがすんなりと、楽しくできるようになったんですね。それはアニメでたくさん曲を書かせていただいたからこそかなって。

 

ーーオーダーがあって作る曲だからこそ、自分なりの挑戦も入れたりするのかなと思うのですが、今回のシングルで挑戦したことはありますか?

 

大原 大人でも子供でも口ずさみたくなる歌詞にしたいという思いはありました。いつもは自分の(普段使う)言葉だけを使って歌詞を書くぞという妙な信念があるんですけど、今回は擬音……オノマトペをふんだんに使っているんです。普段なら〈セイセイセイ せんべい!〉とか〈パーリパリパーリナイ〉って言わないけど、歌なら楽しく言えるんじゃないかなって。「えがおのまほう」の〈ラランラランランラン〉とか〈ルルンルルンルンルン〉もそうですね。

 

 

ーー実際に歌ってみてどうでした?

 

大原 最初は、何言ってるんだろう自分?みたいな抵抗があるのかなと思ったんです。でも、全然そんなことはなくて、めちゃめちゃ楽しく歌ってますね(笑)。

 

ーー子供たちも喜びそうですよね。でも音楽的には、決して子供向けというだけでもない気がしました。

 

大原 実はわりと難しい曲で、意外と大人のほうが歌えないんですよ。メロディは単調なんですけど、大人が聴くと複雑に考えちゃうみたいで、子供のほうが飲み込みが早いんです。そう思う理由としてはmanzoさんのアレンジがものすごくカッコいいからだと思います。トランペットも生で入れてもらってるんですけど、ハッピーな曲にしてくださるので、manzoさんの魔法がかかっていると思います。間奏とかも、すごくアダルティな感じがしますし。

 

ーーそういう注文は大原さんから?

 

大原 デモのメロディを送った時点で、いつも汲み取ってくださるんですよ。なのでほぼ何も言ってないんです。

 

(スタッフ)前回の「ス・マ・イ・ル」のアレンジもmanzoさんで、そこでは効果音を多めにして楽しい感じに仕上げたんですけど、今回は楽器の音だけで、子供も楽しめる楽しい曲にしようというコンセプトがあったそうです。

 

大原 そうなんですね。ありがたいです。でも、オルガンの音とかも結構細かく入っているから、インストを聴くと、おぉ~!って思うと思います。 

 

園児と一緒に撮影したMV制作秘話

ーーMVは保育園で撮影していましたけど、いかがでした?

 

大原 普段園児たちと接することがないので、受け入れてくれなかったらどうしようと思って前日も全然寝られなくて(笑)。母と姉が保育士なのでアドバイスを聞いて行きました。恐る恐る行くと拒否されちゃうから、素のままで行くのがいいよって言われて。

 


ーーでも、はなかっぱも来てくれたから、心配することもなかったんじゃないですか?

 

大原 私が出て行ったときは、誰だろう?っていうのもちょっとあったかもしれないんですけど、はなかっぱちゃんが来たときは、みんなうわ~って、ニコニコしてたので、すごいアニメだなぁと思いました。あと、はなかっぱちゃんは踊りがすごくうまくて、私が間違えないようにしなくちゃというプレッシャーはありました(笑)。子供たちもいたので一発勝負!みたいなところがあったので、それは大変でしたけど、今後あるかわからないような貴重な経験をさせてもらいました。

 

ーーライブも、客層はまったく違うのではないですか?

 

大原 はなかっぱキャラクターショーに出たんですけど、ライブが終わったあとも、これまで聴いてもらえていなかった層でもあるお子さんに声をかけてもらえて、すごく嬉しかったです。「はなかっぱ」のやまびこ村の一員になった感じになりました。あと、園児に勧められて先生が来てくれたりとかもあったりして、この曲もどんどん浸透していったらいいなと思います。

 

ーーそれは嬉しいですね。

 

大原 それにいつも来てくださるファンの方も見に来てくれてたんですけど、気を遣って少し後ろから見てくださってて(笑)、本当にやさしいなと思いました。

 

ーーちなみに「はなかっぱ」のあとは「からかい上手の高木さん2」のOP主題歌も決まりましたね。

 

大原 「言わないけどね」という1期の曲は、自分でもめちゃめちゃ力を入れて作った曲だったので、それをどう塗り替えていけるのかという、自分との戦いでもあったんです。ただ「ゼロセンチメートル」という、自分の中でものすごく気に入った曲ができたので、一刻も早く皆さんに聴いてもらいたいなと思っていますので、よろしくお願いします。

 

ーー今後、シンガーソングライターとしてどうなっていきたいですか?

 

大原 曲をたくさん書きたいというのと、もっとたくさんの層の人に聴いてもらいたいなというのが強くあるので、アニメソングを持ちながら、「アニソンってわからない」っていう人にも歌を届けられるように、いろいろなところで歌っていけたらなと思っています。

 

ーー自分の中で、意識が変わってきているようなところはあるんですか?

 

大原 曲作りとかライブに対しての思いは年々強くなっていますね。

 

ーーそういう意味では、6月15日(土)、16日(日)に開催されるジョイントライブ「大原ゆい子×YURiKA『LIVE THE MOVE』」も楽しみになってきます。

 

大原 これまで何度も同じ作品でタイアップをやってきて、でもお互いのジャンルもどんどん変化してきた中で、ここでまたゆりかし(YURiKAさんのあだ名)と一緒にジョイントライブをするんですけど、どんなライブになるのか個人的にも楽しみです。今回はタイトル通り、映画のライブということで、ゆりかしがホストの回(15日)と、私がホストの回(16日)で別々の作品を流すので、ライブと共に楽しみにしてほしいです。

 

ーーライブで映画を流すんですか?

 

大原 このライブのために、それぞれ映画を作ったんですよ。私のほうは「月よりきれいだった」という題名を先に考えて、恋愛映画になってるんですけど、それをもとにセットリストを組んでるんです。

 

ーーえ! 映画を作ったというところが、よくわからないんですけど……(笑)。

 

大原 事務所とレーベルが東宝グループなので、東宝ならではのことだと思うんですけど、なんと主演は、事務所の先輩でもある、上白石萌歌さんに演じていただきました。ここじゃなければできないことですし、私もやってみたいことだったので、ありがたかったです。

 

映画の映像。上白石萌歌さん

 

映画の映像。上白石萌歌さん

 

ーーすごく楽しみになってきました。大原さんにとってYURiKAさんってどんな存在なんですか?

 

大原 一番近くにいる同業者であるんですけど、私は苦手なことが多くて、人前でパフォーマンスすることも得意ではなかったんです。でもゆりかしを見ながら、この3年間くらい、すごいなと思うところを吸収させていただいてるんです。それとは別に、一緒に歩んできたからこそ自分のいいところにも気づけるというか。自分にはこういうところがあるんだなと自分自身で気づけることはいいことだなと最近思いました。2人が全然違うからこそありがたかったというか。たぶん同じような感じだったらぶつかっちゃうこともあったのかもしれないけど、そんなことが全然なかったので。

 

ーー確かに音楽性もまったく違いますもんね。だからこそそれぞれのよさを認めあえるというか。では最後に、読者へメッセージをお願いします。

 

大原 夏には新曲も出ますし、そちらも自分の中ではすごく気に入っている曲です。今回の「えがおのまほう」も含めて、たくさんの人に聴いてもらいたいので、ライブでいっぱい歌って、お届けできたらなと思っています。

 
(取材・文・写真/塚越淳一)

【CD情報】

■「えがおのまほう」/大原ゆい子

・発売中

・価格:1,300円(税別)

 

<収録内容>

1.えがおのまほう(TVアニメ「はなかっぱ」新オープニングテーマ) 作詞・作曲:大原ゆい子 編曲:manzo

2.セイセイせんべい!(岩塚製菓オフィシャルタイアップソング) 作詞・作曲:大原ゆい子 編曲:吉田穣

3.えがおのまほう-Instrumental-

4.セイセイせんべい!-Instrumental-

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関連作品

はなかっぱ

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放送日: 2010年3月29日~   制作会社: OLM/ジーベック
キャスト: 中川里江、木内秀信、尾崎恵、緒方賢一、堀越真己、高木渉、山口勝平、杜野まこ、宍戸留美、栗田エリナ、菊池こころ、植田佳奈、柳原哲也、三谷翔子、洞内愛、橋本まい
(C) 2010 あきやまただし/はなかっぱプロジェクト

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