平成最後に「輪舞-revolution-」と九九組が交わるステージ! 「アニサマワールド in ニコニコ超会議2019」レポート

2019年05月07日 20:150

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日本最大級のアニソンライブイベント「Animelo Summer Live」(アニサマ)の世界を体験できるイベント「アニサマワールド in ニコニコ超会議2019」が2019年4月28日、幕張メッセの「ニコニコ超会議2019」内で開催された。

イベント内イベントという形ではあるが、本ステージにはオーイシマサヨシさん、大橋彩香さん、奥井雅美さん、OxT、けものフレンズ、Gothic×Luck、鈴木このみさん、スタァライト九九組、Zwei、halcaさん、MOTSUさんという豪華アーティストが出演。コラボを含む全32曲を歌う超・本気のライブとなった。

 

ライブオープニングにはいきなり「けものフレンズ」が登場。「ようこそジャパリパークへ」に乗せて、けものフレンズの面々が今日の出演者=“アニサマフレンズ”を呼びこんでいくという趣向だ。呼びこまれる中にはもちろん、「ようこそジャパリパークへ」の作詞・作編曲を手掛けたオーイシマサヨシお兄さんの姿も! オーイシさんは眼鏡を震わせながらの裏声でおなじみのフレーズを担当していた。ステージ中には、アニサマちほーのファンに向けて舞台少女のフレンズ(スタァライト九九組)が「スタァライトしちゃいます!」と叫ぶ一幕も! この日の出演者全員を「フレンズ」としてつなぐ、ハッピーな幕開けだった。

 

本ライブが開催された4月28日には、「Animelo Summer Live 2019」の第3弾出演者として大橋彩香さん、OxT、佐咲紗花さん、スタァライト九九組、渕上舞さんが出演者として発表された。実はこの内、大橋彩香さん、OxT、スタァライト九九組の出演については、このステージでの告知が初出だった。

 

すでにPoppin'Partyメンバーとして3日目(9月1日)に出演することが発表されていた大橋さんは、「2日目(8月31日)にソロアーティストとしても出演させていただきます。今年も出演させていただいて嬉しいです!」と、5年連続出場の喜びを語った。大橋さんの「ハイライト」のステージは圧倒的な力量を感じさせるもので、ニコニコ生放送のコメントには「うますぎる」「へごじゃない」「大橋彩香さんだ」と絶賛のコメントが続いた。

 

そのほか大橋さんはhalcaさん、MOTSUさんとともに「Burst The Gravity」を歌うなど大活躍。そんな大橋さんと五分の存在感と個性を見せつつ、夢のようなコラボに感激していた初々しいhalcaさんも、一緒にコメントでの株を上げている感じでほほえましかった。

 

スタァライト九九組は、対外的な知名度がそれほど高くはなさそうな「約束タワー」からステージをスタート。歌声とダンス、動きの大きさとメリハリ、ステージを大きく使うフォーメーション。純粋なパフォーマンスで魅力を伝えられるという自信を感じた。今日は9人中5人の参戦だったが、ボーカルを担当していない時のメンバーの動きの密度といった、個々の要素については9人の時よりも伝わりやすかったかもしれない。

 

小山百代さんが「発表があります! 今年のアニサマ2019にスタァライト九九組9人で出演が決定しました!(出演は2日目8月31日)」と発表すると、会場からは暖かい歓声が上がった。AJ Night、アニサマワールドと5人態勢での出演だったこともあり、「9人で」の部分にひときわ喜びが大きかったようだ。岩田陽葵さんは「去年は初めてのさいたまスーパーアリーナの景色に圧倒されました。本当に嬉しいですし、去年よりパワーアップした舞台少女の姿をお見せできればと思います!」と宣言。九九組は去年のアニサマのハイライトのひとつであった「檄!帝国華撃団」カバーステージを再現し、アニサマのキラめきを伝えていた。

 

OxTは、まずはオーイシさんの相方として大橋彩香さんが登場。オーハシアヤカ×オーイシマサヨシとして「シンガロン進化論」を披露した後に、「本当の相方を紹介したいと思います。出てこいやTom-H@ck!!」というゆるめの流れでTom-H@ckさんがステージに登場。コミカルなトークを繰り広げながらも、「GO CRY GO」のステージが始まると圧倒的なパワーで会場を熱狂させるのはさすがのひと言だ。客席が「ヴォイ!」を叫ぶたびに(計76回)オーイシさんも拳を突き上げるという、昨年のアニサマを思わせる定番ムーブを見せていた。

 

歌い終えたオーイシさんは「我々OxT、2019年9月1日、アニサマ本編最終日に参加が決定致しました。アニサマ本編でも、みんなのことを退屈から救いに行くぜー!」と叫ぶと、流れるように「UNION」に突入したのだった。

 

今回のレポートではアニサマ2019本編への出演発表の瞬間を中心に紹介したが、アニサマに関連するライブイベントとして紹介しておかなければならないのが、平成という時代を駆け抜けたアニソンアーティスト・奥井雅美さんの平成最後を飾るステージがこのライブだったということだろう。奥井さんが「私の代表曲を聴いてください」と前置きして最後に歌ったのが、「少女革命ウテナ」オープニングテーマ「輪舞-revolution-」だった。

 

サプライズは「輪舞-revolution-」の終盤。なんと奥井さんの呼びこみに応えて、スタァライト九九組がステージに参加したのである。「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」に「少女革命ウテナ」の影響を感じるという人も多いが、それもそのはず。アニメ「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」の古川知宏監督は、「少女革命ウテナ」の幾原邦彦監督の右腕としてイクニ演出のエッセンスを一番近くで学んだ人物なのだ。

 

声優が舞台のステージにも立つ歌劇の元祖である「サクラ大戦」の楽曲を九九組がカバーし、今度は「少女革命ウテナ」と舞台上で交わる構成に、今年のアニサマが掲げる「Story」というテーマの一端を感じた気がした。

 

「奥井雅美」という偉大なアーティストに対する敬意を感じたのは、九九組が「コラボ」ではなく、あくまでも「feat.スタァライト九九組」という形で、サポート的なボーカルとダンス参加に留めたことだ。だが、それは脇役に回るということとイコールではない。強く印象に残ったのは、舞台少女5人が奥井さんを放射状に囲み、手を差し伸べたシーンだ。

 

5人が伝説のアーティストに手をすっと差し伸べ、その後くるりとターンするという“それだけ”の場面の、神話のような美しさ。特に天堂真矢役の富田麻帆さんの、手を差し伸べ、ターンをするというたった2つの動作のシンプルな動きは、これまで彼女が重ねてきた研鑽の全てがこもっているのではと感じるほど美しいものだった。彼女たちは単に歌手、声優であるだけでなく“舞台少女”なのだと感じさせられた。

 

そして、そんな舞台少女たちを従えてなお、奥井さんがステージの絶対的な主役であることが、彼女がアニソンのレジェンドたる証明でもあった。アニサマは奥井さんやJAM Projectといった伝説のすごさを、今の、そして未来のアニソンファンたちに伝えていく場でもあるのだと思う。

 

ライブ全体のラストナンバーは、奥井さんの「アニサマはこの曲から始まりました」の言葉から、「Animelo Summer Live 2005 -THE BRIDGE-」テーマソング「ONENESS」へ。平成の終わりにアニサマフレンズが歌う、アニサマのはじまりの曲。アニソンとは、アニサマとは物語であると改めて感じた時間だった。

 

(取材・文/中里キリ)


【セットリスト】
1.ようこそジャパリパークへ(けものフレンズ with アニサマフレンズ)
2.星をつなげて(Gothic×Luck)
3.大空ドリーマー~純情フリッパー(PPP)
4.乗ってけ!ジャパリビート(どうぶつビスケッツ×PPP)
5.YES!!(大橋彩香)
6.ハイライト大橋彩香

7.NOISY LOVE POWER☆大橋彩香
8.Burst The Gravity(大橋彩香×halca×MOTSU)
9.キミの隣(halca)
10.センチメンタルクライシスhalca
11.プライド革命halca
12.LAST GAME(Zwei)
13.純情スペクトラ(Zwei×鈴木このみ)
14.青き炎Zwei
15.拡張プレイスZwei
16.約束タワー(スタァライト九九組)
17.檄!帝国華撃団スタァライト九九組)
18.ディスカバリー!スタァライト九九組)
19.Star Divineスタァライト九九組)
20.君じゃなきゃダメみたい(オーイシマサヨシ)
21.シンガロン進化論(オーハシアヤカ×オーイシマサヨシ
22.UNION(OxT)
23.GO CRY GOOxT
24.歌えばそこに君がいるから(鈴木このみ)
25.蒼の彼方鈴木このみ
26.This game鈴木このみ
27.私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(鈴木このみ feat. MOTSU)
28.INSANITY(奥井雅美 feat. MOTSU)
29.宝箱 -treasure box-奥井雅美)
30.Shuffle(奥井雅美xOxT)
31.輪舞-revolution-(奥井雅美 feat. スタァライト九九組)
32.ONENESS(アニサマフレンズ)

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