オーケストラで「このすば」サウンドの魅力を堪能! 裏話も飛び出した「この素晴らしい世界に祝福を!」コンサート、夜の部レポート

2019年02月09日 15:150

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TVアニメ第1期、第2期と好評を博し、今年は劇場版の公開も予定されている「この素晴らしい世界に祝福を!」(通称「このすば」)。その初めてのオーケストライベント「『この素晴らしい世界に祝福を!』コンサート ~この素晴らしい音楽に喝采を!~」が、2019年2月3日(日)に東京芸術劇場にて開催された。昼、夜2回行われたうち、ここでは第2期の音楽を中心に披露された夜の部「受難の日々に福音を!」の模様をお伝えする。

出演者は、福島潤さん(カズマ役)、雨宮天さん(アクア役)、高橋李依さん(めぐみん役)、茅野愛衣さん(ダクネス役)、Machicoさん(TVアニメOP主題歌アーティスト)、甲田雅人さん(劇伴作家)。演奏は東京ニューシティ管弦楽団、司会は百花繚乱さんが務めた。

 

 

「このすば」とオーケストラの素敵なマリアージュ

開演時間になり、東京ニューシティ管弦楽団の面々、続けて甲田さんとMachicoさんが登場。Machicoさんのパステルカラーの豪華ドレス姿には度肝を抜かれたが、東京芸術劇場という舞台でオーケストラをバックに立つ姿は実に神々しい。

 

そのままMachicoさんは、オーケストラの演奏でTVアニメ第2期オープニングテーマ「TOMORROW」を披露。スネアドラムの躍動感、弦楽器のやさしく重厚な音色、そこに管楽器のきらびやかさが彩りを添え、会場の音響も相まって彼女の歌声が豊かな広がりを持って観客を包み込んだ。

 

そして、オーケストラアレンジされた本作の劇伴が次々と演奏されていった。荒くれ者(CV:稲田徹)のナレーションからスクリーンにはTVアニメの映像が映し出され、心が作品世界へと入っていくかのよう。しかも、オーケストラの演奏は緊迫するシーンでは迫力や高揚感が、穏やかなシーンでは癒し効果が増しているようにも感じられる。

 

キャラクターやシーンをピックアップした映像と音楽の融合は、本作らしい楽しげなムードに包まれ、探索シーンでは幻想的な雰囲気に女性コーラスが美しく響き、戦闘シーンでは緊張感のあるメロディや鐘の音も印象的。映像はストーリーに沿った形になっており、物語を追体験させてくれた。

  

戦闘曲のつもりがパンツ曲に!?

演奏に続いて、キャストによるスペシャルトークがスタート。今回のイベントビジュアルと同じドレスやタキシードに身を包んだキャスト4人が登場すると、開口一番「オーケストラを身近に感じた」「『このすば』でオーケストラをやる日がくるなんて」と嬉しさをにじませる。

 

「このすば」はキャラごと、シーンごとにBGMを変えるぐらい音楽にも力が入っており、プロデューサーは第1期の頃からオーケストラでやることを夢に描いていたという。福島さんがその話を聞いたのは3~4年ほど前で、こうやって作品がみんなと歩んでこられたことへの感謝を述べていた。

 

さらに甲田さんもメンバーに加わり、さまざまな裏話が飛び出す。甲田さんは「このすば」のことを最初「異世界に転生して壮大なファンタジー世界を冒険する」と聞いていたが、ふたを開けてみたら「あれ? 冒険しましたっけ?(笑)」という内容に驚いたらしい。

 

具体的な楽曲の話題では、「戦闘1」という感じでRPGの戦闘シーンをイメージして作ったカッコいい曲が、実際のアニメではパンツのシーンで使われたことを明かし、みんなを笑わせていた。

 

そんな楽曲をオーケストラ演奏用にアレンジする際には苦労もあったという。たとえば、ファゴットをずっと鳴らし続けるアレンジにした部分は、人間が演奏するにはさすがに厳しいので休憩できるように変更したそうだ。オーケストラの生演奏という新たなチャレンジによって、発見がいろいろあったと話してくれた。

 

また、第2期で印象に残っている曲としては、「アクシズ教団」の曲をあげる。「とにかく押しの強い曲を」という発注だったようで、イメージ通りだったとキャスト陣も納得していた。

  

「このすば」らしいドタバタ朗読劇&オーケストラの世界

トークパートに続いて、キャスト陣による朗読劇。上江洲誠さん書き下ろしの今回の物語では、アクセルの街に作られたコンサートホールの初日公演にやってきたカズマたちの様子が描かれた。

 

音楽の素晴らしさに感動したアクアは、なんとコーラス隊をスカウト。コーラス隊にアクシズ教団歌を歌わせて、教団を世界に広めようと目論むが……。アクアに引き寄せられてきたのは、アンデッドの群れ。それを一掃するために放たれたのは、めぐみんの爆裂魔法だった。

 

といった感じで、「このすば」らしいドタバタ感満載で繰り広げられた朗読劇。コーラス隊は実際にオーケストラの方たちが担当してくれる豪華なもので、臨場感抜群。劇中には、めぐみん役の高橋さんがグッズで販売されていた煎餅「この赤からい煎餅に爆裂を!」を実際に食べるシーンがあったり、最後は見事にオチがついたりと随所で笑いが起こっていた。

 

イベント後半のオーケストラ演奏でも、ほっとするようなやさしい音色や迫力の戦闘音楽、さらに先ほど笑いを誘ったアクシズ教団の曲まで、さまざまな楽曲が披露された。最後は雨宮さん、高橋さん、茅野さんによるエンディングテーマ「おうちに帰りたい」。あたたかで牧歌的な楽曲はオーケストラの演奏にもよく合い、ゆったりとやさしい気持ちにさせてくれた。

 

オーケストラをバックに3人で歌えたことが嬉しいと語る彼女たちに、福島さんはちょっと恥ずかしそうに「女神みたいだった」と口にする。そして、改めて出演者それぞれから挨拶があり、支えてくださった皆さんへの感謝とともに「いつまでもどこまでもできる限り大冒険していこうと思いますので、ずっとついてきてください」といった今後への意気込みも語られた。

 

出演者たちが退場しようとすると、「期待には応えるのが冒険者ってもんだ! もうひと花咲かせようじゃないか!」という荒くれ者の声が。最後の最後にもう1曲、「このすば」といえばこの曲ということで、カズマたちが冒険に出る時の楽曲「旅立つ我らに祝福を」を演奏して、本公演はあたたかな拍手とともに幕を閉じた。

  

最新情報として、TVアニメ第2期「この素晴らしい世界に祝福を!2」のBlu-ray BOXが2019年5月24日(金)に発売決定。また、「このすば」のメンバーも登場する「異世界かるてっと」(2019年4月より放送開始)や映画「この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」の最新映像も公開された。詳細やその他の情報は、公式サイトをチェックしよう。

(取材・文/千葉研一)

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