声優ラップ界をけん引する木村昴の、新たな夢がかなった期待作! アニメ映画「スモールフット」、ミーゴ役・木村昴インタビュー

2018年10月19日 15:040

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原作には「怪盗グルーの月泥棒 3D」(10)、「ミニオンズ」(15)を手がけたセルジオ・パブロスさん、また、同2作のほか、「怪盗グルーのミニオン危機一髪」(13)、「怪盗グルーのミニオン大脱走」(17)の音楽を手がけたエイトル・ペレイラさんが再タッグを組んだ“モジャかわ”ミュージック・ファンタジー「スモールフット」が 現在、絶賛公開中だ。

主人公のミーゴは、人里離れた雪深い山頂に住む、大きな体で心やさしきイエティ。ある日、偶然にも小さな足の伝説の生物“スモールフット(=人間)”のパーシーと出会ったことで、イエティと人間を巻き込む大騒動が巻き起こる本作は、くすっと笑えて、思わず心が躍りだすこと間違いなし! さらにコミカルに描かれる“モジャかわ”イエティたちによる、ポップで覚えやすく思わず一緒に歌いたくなる音楽がいっぱいのエンターテインメント作品となっている。


主人公・ミーゴ役を務めるのは、「ドラえもん」のジャイアン役などでおなじみの木村昴さん。さらにパーシー役を務める宮野真守さんやヒロインのミーチー役を務める早見沙織さん、そしてイエティたちの村の最長老・ストーンキーパー役の立木文彦さんら、人気・実力ともにトップクラスの声優陣が集結し、劇中歌を歌っているのも注目ポイントだ。

そんな本作について、主人公・ミーゴ役を務める木村さんに話をうかがった。


CGアニメーションに歌唱披露、そしてストーリーにも好きな魅力が満載の作品


──まずは本作に出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

木村:個人的にミュージカルが大好きなのと、CGアニメーションも好きで、さらに、もともとわかり合えないと思っていた2人がお互いに心を開いていって仲間になるようなストーリーが大好きなので、シンプルにうれしかったです。最初は仲が悪かったり、敵だったりしたような関係の2人がタッグを組んで戦ったり、わかり合えなかった2人が恋に落ちたりするような物語が好きなので、そこにミュージカルの要素と、CGアニメと、好きな要素が満載の作品なので、もし出演していなかったとしても見に行くだろうなという作品ですね。

──オーディションでは歌も披露されたのでしょうか。

木村:ミーゴ役を受けさせていただいたので、ミーゴの歌を歌わせていただきました。もちろんオーディションなので、全体の物語は知らずに受けるのですが、いただいた台本の抜粋の部分だけでも本当に楽しそうで、絶対に見たいと思いました。

──さきほども、「もし出演していなかったとしても観に行く」とおっしゃっていましたが。

木村:個人的に、自分がオーディションを受けて落ちた作品は見ないっていうのを決めているんです……(笑)。でもこの作品は、たとえオーディションに受からなかったとしても見ようって決めていました。

──落ちた作品を見ないようになる決めたきっかけとなるできごとがあったのでしょうか。

木村:過去に、自分がオーディションに落ちた作品だと気づかずに映画館で見てしまった作品があったんです。そのとき、映画館で見ながらすごく悔しい気持ちがあったので、それからは自分が受けて落ちた作品は見ないと心に決めたんです。でもこの作品は、そう決めているのに、オーディションの結果がどうあれ「映画館で見たい!!」と思える、それくらい魅力にあふれた作品です。

自身が思い描くCGアニメの魅力、そして声優として吹き替え版に対する思い


──本作は「怪盗グルーの月泥棒 3D」や「ミニオンズ」を手がけたセルジオ・パブロスさん、そして同2作のほか、「怪盗グルーのミニオン危機一髪」、「怪盗グルーのミニオン大脱走」の音楽を手がけたエイトル・ペレイラさんがタッグを組んだ作品です。さきほどCGアニメがお好きだとおっしゃっていましたが、「ミニオンズ」も「怪盗グルー」シリーズもご覧になっているのでしょうか?


木村:もちろん見ています。「ミニオンズ」も「怪盗グルー」シリーズも、全部見ていて、大好きな作品です。


──CGアニメの魅力とはどんな点にあると思われますか?

木村:日本のアニメーションというのは、本当に、世界的に見てもすばらしいものだと思います。どこよりもすごい技術が日本にはあって、日本だからこそ生まれる作品というものがたくさんある。CGアニメーションというのは、どちらかというとアメリカの作品に世界的な作品が多いですよね。僕は普段さまざまなアニメーションに関わらせていただいていますが、アメリカのCGアニメ作品の映像美というのは、ふだん自分たちがやっているアニメーションとも違うので、出演すると勉強にもなりますし、視聴者として見てもシンプルに楽しいものですね。

──演じられていて感じるCGアニメーションとセルアニメーションにおける大きな違いというのはどこにありますか?

木村:絵に声を合わせて声をあてるという点では、どちらもやっていることは一緒なんですが、セルアニメーションのほうが自由度が高いと思うんです。

──それは、音声を先に収録し、後から絵が入ることが多いからでしょうか?

木村:それももちろんあるんですが、そこが大きい理由ではないんです。絵に合わせるというのは当たり前だと思っていたので「この秒数内に納める」とか「このスピードで」とか、「スピードが速いところは早口めに」と思って演じていたんですが、そんなときに僕がすごくお世話になっている音響監督さんに「自分が子どものころ、声と音が合ってないって気にしながらアニメ見てたか?」と言われてハッとしたんです。


──確かに、そう言われてみると、子どものころにいちいちそんなことは考えないですよね。

木村:その方に「合わせることばかり考えて芝居が中途半端になるくらいだったら、芝居をちゃんと演じろ。心から演じれば、絵はいくらでもついてくるんだ」と言われて、それ以来自分のメソッドにしている大事にしている言葉です。それからは、絵に合わせるというのはもちろん前提なのですが、プラスアルファとして、絵に合わせることだけにとらわれず、自分が出せる最大限の感情や表現を乗せようと思ってセルアニメでは演じています。

──CGアニメではそこに違いが出てくるのでしょうか。

木村:CGアニメーションに関しては、完成されている作品なのでぴったり演じることが求められますね。完成されているものにプラスアルファで表現方法を付け加えるものなので、それはギミックではなくて、日本バージョンというか、オリジナルのものを元に伝えたい、でもせっかく日本の人たちに見て、聞いていただくなら、日本の人たちが面白いものにしたいので、100%本国のものを真似するのではなく、本国のものの声を借りつつ、プラスアルファで日本語での面白みを加えて聞いていただきたいというのが僕の吹き替え版に対する思いです。

──今回、吹き替え前のものと、木村さんたちが吹き替えたバージョンと見せていただいたのですが、木村さんの込めた思いや意図を感じられる作品になっているのを強く感じました。日本で上映される作品として、日本の子どもたち、そしておとなにも伝わる愛くるしさにあふれている作品だと感じました。そんなさまざまな思いを込めて演じられたミーゴについて教えていただけますか?

木村:めちゃくちゃいいやつですよね。仲間思いだし、この子と一緒にすごしたら、絶対楽しいと思いますし、心が洗われそうなキャラクターですね。友達に欲しいです。生活しているとどうしても、本心では思っていても言えないこと、大人になっていくにつれ、「本当はこう思っているけど角が立つし、誰かのカンに障るかもしれない」と思って抑えることが上手になっていくと思うんですが、ミーゴはいい意味でそういうところがまったくないんです。でもそのピュアさが人の心や世界を動かすと思うので、スモールフットを見つけて、「いた!」と思う気持ち、そしてその感動を仲間たちに伝えたいという純粋な気持ち、自分に嘘かないところが、ミーゴの良さだと思います。信じてもらうにはスモールフットをみんなに見せてあげればいいんだと前向きに取り組む姿勢が素晴らしい、見習いたいと強く思う部分ですね。

──そんなピュアなミーゴと出会う、スモールフットのパーシーについてはいかがですか?

木村:ピュアで純粋無垢、天真爛漫なミーゴと比べて、より人間らしさが出ているキャラクターですね。人間らしい打算的な部分もあり、ジャーナリストとしてもう一度活躍したいという欲深い面もある。でもミーゴはそんなパーシーに、友達になりたい、一緒に村に帰りたいという純粋な思いを持って接していて、パーシーはそんな純粋なミーゴと、対照的に描かれているキャラクターですね。ミーゴと接していく中で、パーシー自身も変わるところがあるんですが、最後のシーン、最後のパーシーの行動は本当に2人の絆が見える大好きなシーンなので、ぜひ観ていただきたいですね。

──魅力たっぷりのキャラクターたちがミーゴやパーシーのほかにも登場し、メインキャストの皆さんは歌を披露されています。なかでもストーンキーパー役で共演されている立木文彦さんは本作で本格的なラップに初挑戦されているということですが、その監修をされたのが木村さんがお好きだというSOUL'd OUTのDiggy-MO'(ディギー・モー)さんだというのはご存知でしたか?


木村:聞かせていただいていました。本当に大好きな方なので、めちゃくちゃうらやましかったですね。学生時代にすごく聞いていたので、そのお話を聞いた時には「マジか!」と思って、僕もラップ歌いたい!と思いましね。でも、ミーゴがラップを歌うわけにはいかないので……(笑)。ただ、本作は立木さんのラップが聴ける初の作品となるので、これはもう本当に推しのポイントだと思いますし、ラップ好きが観ても楽しめる作品にもなっていると思います。

たくさんの夢をかなえられる、それが「声優」


──ミーゴはお父さんの跡を継いでゴングを鳴らすという夢がありますが、木村さんは小さなころはどんな夢をお持ちでしたか?

木村:僕は夢多き少年だったので、夢自体はいっぱいあったんです。あれもやりたいという優柔不断な感じではなくて、ひとつのものに全力で熱中して、ある程度までいったら次へというのが多かったです。パイロットだったりミュージカル俳優さんだったり、遊園地のお兄さんや、大道芸人やマジシャンや、子どものころはとにかくたくさんあって。「チム・チム・ニー」にもなりたかったですね。


──「チム・チム・ニー」というと、ミュージカル映画の「メリー・ポピンズ」で歌われている「チム・チム・チェリー」に出てくる、あの?

木村:そうです、そうです。有名な歌なので日本でも聞いたことがある方もいるかと思いますが、その「チム・チム・ニー」というのは煙突掃除屋さんのことなんです。僕がドイツに住んでいた当時は、火を燃やして暖をとっていて、そうすると煙突が煤で真っ黒になるので、それをきれいにしてもらうんですが、その掃除している姿が、かっこよくみえて憧れました。両親が音楽関係の仕事をしているので、オーケストラの一員にもなりたかったですね。でも、それもこれも、声優をやっていたらかなえられるんです。ラッパーになりたいと思っていたときもあったんですが、今、声優としてラップを歌うお仕事をさせてもらえていたり、声優になったおかげで、いろんな夢がかなっていますね。ですから、夢がたくさんある人は、ぜひ声優になったらいいと思います。

──ライバルが増えることになるかもしれませんが。

木村:……やめましょう(笑)。というのは冗談ですが、夢多き少年たちは、声優になれば全部かないますし、この「スモールフット」には僕の子どものころになりたかったものが全部詰まっています。なりたいと思って、目が悪くて諦めたパイロットにも一瞬ですが本作でなれましたし、ミュージカル俳優さんにもなりたかった僕が、作中で歌を歌わせていただけています。声優という職業はどんなものにでもなることができるので本当にやり甲斐があるなと感じています。本当にいいですよ、声優という仕事は。


──ありがとうございました!




【作品情報】※敬称略
「スモールフット」
公開中 
新宿ピカデリーほかにてロードショー! ※US 公開 9 月 28 日(金)


<スタッフ>
監督:キャリー・カークパトリック、製作:ボニー・ラドフォード、グレン・フィカーラ、ジョン・レクア

製作総指揮:ニコラス・ストーラー、フィル・ロード、クリストファー・ミラー、ジャレッド・スターン、セルジオ・パブロス、キャリー・カークパトリック
キャスト:チャニング・テイタム、ジェームズ・コーデン、ゼンデイヤ、コモン、レブロン・ジェームズ ほか


<吹き替えキャスト>
木村昴(ミーゴ)、宮野真守(パーシー)、早見沙織(ミーチー)、立木文彦(ストーンキーパー) ほか


エンドソング : ナイル・ホーラン「Finally Free」

配給:ワーナー・ブラザース映画 公式サイト:http://smallfoot.jp


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