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キャストは全員がハマったと太鼓判を押せます
――キャストの印象はいかがですか?
森井 アニメ研究部の部員たちは100人ぐらいの中からオーディションで選びました。オーディションをするのも初めてで、30分アニメならそんなものかと思ったら100人というのは結構多いそうです。オーディションでは「アニメ語りをしてください」と音響監督の長崎行男さんが無茶ぶりして、みんな苦労していたみたいです。が、結果的にアニメ研究部の6人は「ハマったな」と思いました。
――無茶ぶりをくぐり抜けて選ばれた人たちなのですね。
森井 本渡さんはアニメをそんなに見てこなかったそうなので、阿佐ヶ谷未乃愛の設定的にもハマるんじゃないかなと思ってお願いしたらまさにぴったりでした。上井草有栖は世間離れしたお嬢様でアニメしか友達がいない感じの子ですが、こちらも千本木さんの演技がすごくハマっています。高円寺美子はメガネで巨乳、ちょっと控えめで表には出てこない……そういう子が個人的には好きなんですが(笑)、後半は控えめなだけじゃなくて結構暴走もするんです。オーディションではキレキャラはしませんでしたが、暴走具合も東城さんの演技のおかげで結果的にすごく合いましたね。
男子部員も含めて声優さんは本当にハマっていて、アニメを語るシーンなどは違和感なく見られると思います。アニメの重要な要素として「声優のキャスティング」があると思うんですけど、安心して見ていいよと太鼓判を押せます。
――音楽に関してはいかがですか?
森井 劇伴はMONACAの帆足圭吾さんと高橋邦幸さんにお願いしました。実は帆足さんは以前フラッシュアニメをやっていた頃からの知り合いで、いつかアニメをやるならお願いしようと思っていたんです。こちらの意図を100%汲んでくれて、ほぼリテイクがなかったと思います。こういうニュアンスの感じの曲を作ってほしいとお願いすると、その絶妙具合が素晴らしいんですよね(笑)。彼の弾くピアノもすごく好きなので、ピアノ曲も入れてもらいました。それも含めて生の楽器を使った音が得意なので、楽器いっぱいのBGMは安心して任せられました。
――主題歌はオープニングがGARNiDELiAさん、エンディングはメインキャスト3人によるユニット「GATALIS」が担当しています。
森井 GARNiDELiAさんとは、tokuさんが「ボカロP」として活動していた頃に初音ミクの曲をご一緒させてもらったことがあるんです。内海プロデューサーももともと初音ミクのゲーム開発やイベントなどをやっていた人なので、GARNiDELiAさんならぜひにということでお願いしたら、空気を読んでポップな楽曲を作ってくれました。
エンディングは「這いよれ!ニャル子さん」の曲などを手がけたMONACAの田中秀和さんに「かわいいのをお願いします」と言ったら、まさにかわいいのが来たので「これだ!」と(笑)。音響監督は「ラブライブ!」などをやられた長崎さんですし、音周りについては言うことなしですね。余計な気を回さなくていい布陣でできたというのがすごく大きかったと思います。
――初めての30分アニメの監督作品でそれはありがたいですね。
森井 僕は阿佐ヶ谷のスタジオとDMMを移動することが多かったので、劇伴をCDに入れて移動中はずっと聴いていました。なかには「攻めたな」という曲もあります。イベント会場で何曲か流れていたんですけど、Twitterで「この曲はあれなんじゃないの?」というツイートがあってヒヤヒヤしましたね(笑)。
――どこかで聴いたような雰囲気のあるオリジナル楽曲、ということですね(笑)。
森井 そうですね(笑)。すべてイチから作っているんですけど、(とある曲と似ているという)ニュアンスはわかるようにしたい、ということで。そういう意味では、劇伴でそのような攻め方をしていた作品に「エクセル・サーガ」がありますよね。作品自体すごく攻めていましたが、音楽もすごく絵にマッチしていて「きっとあの曲を想定して作っているのでは」と思う曲が流れてきて。この作品もそういう見方をしても楽しめると思います。
――ほかにちょっと気になったこともいくつかお聞きします。作中には森井監督のような格好の人が出てきますよね。あれは一体……?
森井 出てきますね。僕が率先して言ったわけではないですが、フックといいますか普通じゃないものを出したいということで、いつの間にかこういうキャラが登場していたんです(笑)。このキャラはストーリーにもからんできますので、アニメを語っているシーンとは別の流れも楽しんでもらえたらと思っています。
――森井監督やキャラクターデザイン・総作画監督の衣谷ソーシさんの作品には猫がよく出てきますよね。今作もそうですし、猫にはこだわりが?
森井 やっぱりありますね。僕自身が「さかな&ねこ」という漫画を書いていまして、そういうネタが出てきたりもします。逆に言うと、僕の作品に犬が出てきたことはないかもしれないです(笑)。なので、猫にもぜひ注目してください。
――ネコ先輩は注目キャラですからね。
森井 ネコ先輩はスタッフに人気が高いんですよ。ディテールが描きやすいということに尽きると思うんですけど(笑)。こいつは「ネコ型の何か」なので、手が頭に届かなそうなら伸ばしちゃってもいいです、頭の大きさをちょっと変えてもいいです、と言ったらみんな生き生きと描いてくれました。ぜひネコ先輩にも注目してください。
――最後に視聴者の方へメッセージをお願いします。
森井 「アニメガタリズ」ということで、アニメを見る側にフォーカスした作品になっています。アニメをあまり見たことない人は主人公に、ずっと好きで見ている人にとってはご自身と同じ考えをするキャラに感情移入していただけると思います。とはいえ、肩の力を抜いて楽しんでいただける作品ですので、よろしくお願いします。
(取材・文/千葉研一)