自分たちのやりたいことをストレートに。岸田教団 & THE 明星ロケッツのニューアルバムが完成！

アニソンの歌詞で言いたいことは、「アニメを見てね」ということです

── 収録順ではなく、楽曲の制作順にお話を聞いていこうと思うのですが、アルバムの中で最も初期の曲は、2015年7月29日にリリースされたシングル曲の「GATE～それは暁のように～」ですね。

岸田　TVアニメ「GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」のオープニングテーマということで、ワーナーさんから、こういう雰囲気の曲が欲しいと言われた通りに作りました。一瞬、オーダーをブッチしようかと思ったんですけど、大人になった僕はちゃんと言うことを聞きました（笑）。

── 勢いのある派手な曲で、アニソンらしいですよね。作詞も岸田さんですが、どんなことをイメージして書いたんですか？

岸田　原作を読んで書きました。歌詞で言いたいことがあるとしたら、「アニメを見てください」ということで（笑）。アニソンに関しては、いつもそうなんです。自分の言いたいことがあるとしたら、今回のアルバムの曲のような時に書けばいいわけですから。今回の新曲はどれも、「今、自分が世の中に物を申すなら、こうかな？」という感じで書いているので、メッセージ性が高いですけど、アニソンの場合は作品ありきですからね。

── アニメの世界観に沿って、アニメのための歌詞を書いていると？

岸田　それはもちろんですね。そもそも、僕がデビューを決めたのは、たいしてアニメに興味がないのに、アーティストキャリアのためにアニソンに来ている人たちが気に入らないという理由からで（笑）。アニメのために曲を作るということはポリシーとしてやっていますね。

── 8曲目の「EGOISTIC HERO」は、「GATE～それは暁のように～」のカップリングだった曲ですね。

岸田　実は「GATE～それは暁のように～」より先に作りました。今回のアルバム収録曲で一番最初に作った曲です。「GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」を読んで、おそらく1期の見せ場は、「ワルキューレの騎行」をかけながらヘリコプターが出動するあたりだろうと思って、出動感を大事にして曲を書いたんですけど、（オープニングテーマとしては）ダメと言われました（笑）。監督さんから、そういう曲じゃなくて、特地の女の子たちとの交流やハーレム感を大事にしたいと言われて、「なるほど、そっち方向なのね」と。

── もともとは、「GATE～それは暁のように～」のオープニング候補として作った曲だったと。

岸田　そうですね。「GATE～それは暁のように～」のバトルの部分をうまく表現できたと思っていたんですけど、そっちじゃなかったと。でも、いい曲ができたのでカップリングにしたんです。ichigoさんがいい感じに歌ってくれたので、バンドとしても思い入れのある曲になりました。それで、この曲が「GATE II ～世界を超えて～」に繋がっていくんですね。第2期はストーリーもハードになっていくので、曲も重いものにしようと思って。「EGOISTIC HERO」をよりキャッチーにしたのが、「GATE II ～世界を超えて～」です。

── 「EGOISTIC HERO」の作詞はichigoさんですね。

岸田　本人が書きたいと言ったので。

── どういう時にichigoさんに歌詞を任せるんですか？

岸田　本人が書きたいと言った時と、より平易な言葉で語りかけたほうが、曲の良さが伝わるだろうと思った時ですね。ichigoさんと僕とはセレクトする言葉も違うので、ichigoさんが使う言葉が合いそうな曲の時に作詞をお願いすることもあります。
作曲した人が歌詞も書くメリットと、歌う人が書くメリットの違いというのもあって、曲のテーマやストーリーに沿って書けるのは作曲者ですし、歌により気持ちを乗せられるのは、ボーカルが書いた曲なんですよね。

── ichigoさんが作詞された曲が、今回4曲あるんですけど、その曲だけ、「愛」とか「恋」というワードが使われているんですよね。

岸田　しょせん恋愛脳ですから、仕方ないです。リア充にしかわからない世界があるんですよ。僕にはよくわからない世界です（笑）。