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「RWBY」のドラマは、実際にオフィスで起きている?
──「RWBY」の作品内容について聞きたいのですが、最近のディズニー映画やマーベル映画は意識していますか? マイルズ そんな超大作が僕らのライバルだとしたら、とてもうれしいですね(笑)。「RWBY」は、日本では映画館で上映してもらっているので、彼らと同じステージに立てることを光栄に思います。
グレイ だけど、「RWBY」をつくるにあたっては、メジャー志向の超大作とは別の方向で勝負することを会社が許してくれています。
マイルズ もちろん、僕らはディズニー映画も見ますし、Netflixが制作・配信しているオリジナル作品も見ます。それぞれの制作会社のいいところを吸収して、自分たちにふさわしいビジネスを模索しています。
──最近のハリウッド映画は、ヒーロー同士が戦う映画が多いですね。「RWBY」のほうが古典的なアクション活劇の伝統を受け継いでいると思うのですが、いかがでしょう? グレイ 「RWBY VOLUME 1」は、チームワークがメインの、少年少女の成長物語でした。また、ワイスやブレイクは、同じチームでありながら、まったく異なるバックグラウンドを背負っていましたよね。主人公の“チームRWBY”以外のチームも出てきますから、彼らが敵になる可能性もありえたでしょう。「VOLUME 2」でもチーム内のコンビネーションが試され、「VOLUME 3」でも、トーナメント戦でのチームワークが生かされました。もちろん、「RWBY」は古典的な活劇ではあるのですが、いっぽうで、仲間同士が戦うような要素も持ち合わせています。
──脚本は、マイルズさんが書いているのですか? マイルズ ケリーと一緒に書いています。
──「VOLUME 3」は、マイルズさんとケリーさんの合作ですか? マイルズ そうです。どのシーズンも、ケリーと一緒に書いています。
グレイ マイルズもケリーも、一緒に働いてはいるけど、それぞれにライティングスタイルがあります。だから、途中でスタイルが分かれてしまうこともありますが、最終的には1本にまとまって、いい脚本に仕上がるんです。
──日本では、「美少女戦士セーラームーン」「魔法少女まどか☆マギカ」「ガールズ&パンツァー」など、“戦う美少女チーム”が大きな文化を形成しています。アメリカのアニメでは「パワーパフガールズ」くらいではないでしょうか? ケリー ええ、そうかも知れませんね(笑)。
──そうした日本的な“戦う美少女チーム”物をアメリカでつくっていて、違和感はありませんか? マイルズ いえ、僕たちはまったく変には感じません。「RWBY」に登場する女の子たちのチームはみんなクールだし、ファンの人たちもカッコいいものとして受け入れています。
グレイ 別に、ウケを狙って女の子だけのチームを主人公にしたわけではないんです。先に伝えたい物語があって、どうすれば効果的に伝えられるか考えた結果、戦う女の子たちが主人公になったんです。
──「まどか☆マギカ」は、ご覧になられていますか? ケリー もちろん!
マイルズ 以前から、大ファンですよ!
グレイ 虚淵玄さんは、私のお気に入りの作家です。
──戦いだけでなく、「RWBY」では少女同士の友情、信頼関係が描かれていますよね。日本では、「けいおん!」などがありますが……。 ケリー 「けいおん!」のタイトルは知っていますが、見たことはないんです。
マイルズ 僕の“見なければいけない作品リスト”に入っていますが、まだ見てはいません。だけど、すべての作品から得られるものはあるはずなので、無視しているわけではありません。
グレイ 「RWBY」で描かれる女性同士の友情は、実際にオフィスで起きていること、そのままだったりします。だから、たまにひどいジョークが飛び出すんです(笑)。
──少女たちの戦いも、少女たちの友情も、日本のアニメでは非常にポピュラーな要素です。「RWBY」は、日本ではとても有利な作品だと思うんですよ。 グレイ 日本で「RWBY」が知られていくことは、とても特別なことだと感じています。日本とアメリカ以外では、スペイン語圏、ドイツ、フランス、韓国、中国……さまざまな文化圏で「RWBY」が楽しまれ、ファンコミュニティに参加してもらえるのは、とても素晴らしいことです。
それぞれの国ごとに「RWBY」の受け入れられ方は異なりますから、そのプロセスを見ていくことはとても興味深いし、魅力的なことです。国ごとのリアクションが本国に伝わってきますので、その声を次の作品に生かして、世界中のファンたちと、いい循環をつくっていきたいと思っています。いまVOLUME 4の各エピソードを配信中ですので、これからも「RWBY」を応援してください。
(取材・文/廣田恵介)