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アルバムの新曲は、今まで手がけてきたアニメへのオマージュです
──今までに5枚のシングルをリリースしてきて、いよいよ今回、ファーストアルバム「crescendo」が発表されることになりました。どんなアルバムになりましたか?
前口 eyelisならではのアルバムになったと思います。アルバム用の新曲はそれぞれ、今まで関わってきたアニメへのオマージュになっていて、アニメと無関係な曲は入ってないんですよ。
増田 アニメ作品とともにあるというのが、eyelisの立ち位置なんです。eyelisの「eye」は視覚、「lis」はlistenのlisで聴覚ということで、アニメと音楽の融合をコンセプトに生まれたユニットなので。ファーストアルバムも、これまで関わってきたアニメ作品に寄り添いつつ、新たな楽曲をお届けするという方向性で作りました。
──7曲目の「輝きの欠片」、10曲目の「One NEXUS」、13曲目の「ナチュラリズム」が、新曲ですね。
川崎 「輝きの欠片」は、「神のみぞ知るセカイ」の原作者、若木民喜先生が作詞をしてくださって、私が作曲を担当しました(編曲は増田氏)。
前口 新曲はすべて詞先の制作なんです。それぞれのアニメ作品に携わった方に作詞していただいて、歌詞からイマジネーションを得て、僕らが曲を作っていきました。
増田 「One NEXUS」は、「THE UNLIMITED 兵部京介」の一連の曲で作詞された六ツ見純代さんに作詞をお願いして、僕が作曲・編曲しました。
前口 そして「ナチュラリズム」は、「ハヤテのごとく!」のオマージュという形で、くまのきよみさんに作詞していただいて、僕の作曲・編曲です。
──楽曲制作は、どのように行っているのでしょうか?
川崎 3人で話し合って楽曲を作るということは、私たちにはないんです。個々の作家活動の延長線上という感じで、それぞれが家で作業しています。
前口 シングル曲を作る時は、メンバー内でコンペがあるんです。それぞれが何曲かずつ作って、アニメ制作サイドに選んでいただくと。
──まずはメンバーが競争相手になると。
増田 そうですね。油断すると、1人だけ活動停止状態になってしまいます(笑)。
川崎 全体としてはバランスが取れていると思いますけど、各作品ごとに、それがありえるんです。「THE UNLIMITED 兵部京介」の曲は増田さんが中心で、私はコーラスのみで参加したりとか。
前口 アレンジの段階では、協力をお願いしたりもします。ちょっとスピーディーなギターソロが欲しいなと思って、増田さんに作っていただいたり。
増田 そういう連携はeyelisを組む前からやっていたので、楽曲制作に関してはユニットになって変わったということはないですね。作家として、それぞれをリスペクトし合っていて、他の2人の仕事に刺激を受けることで、自分としても次のステップに向かっていけるというか。すごく自由で、やりやすい環境にいると思います。
前口 「輝きの欠片」の、増田さんのアレンジを最初に聴いた時も、すごくいいなと思って。アコースティックな方向を目指すうえでめちゃくちゃ勉強になりました。
川崎 私からすると2人は先輩なので、eyelisの活動で学べることがすごく多くて、単独の作家活動にも生かされています。たとえば、「CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU」は私が作ったデモが、前口さんのアレンジでこんなに変わるんだって。イントロのファンファーレ的な音とか、すごくアニメのオープニングらしいなと、勉強になりました。
前口 「輝きの欠片」の、増田さんのアレンジはどうだった?
川崎 この曲は若木先生の作詞でしたし、「神のみぞ知るセカイ」は原作を読み込んでいたので、私は入りこみ過ぎてしまって。デモでは、フワフワした空想のセカイみたいな感じの曲になっていたんです。それを増田さんが、私がやりたかったことをくみ取りつつ、曲を構築してくださって、あのアレンジにもグッと来ました。
前口 すごくいいアレンジでした。
川崎 私が作った曲がこうなるのかという部分で、いつも勉強になります。私にとってeyelisは、なくてはならない存在です。
増田 こういう会話、普段は一切しないです(笑)。お酒を飲んでいる時以外は。
一同 (笑)
──逆に、お2人から見た川崎さんの良さとはなんでしょうか?
増田 まず、シンガーとしてリスペクトしています。それから、メロディメーカーとしても個性的で、味がありますね。予定調和ではないメロディラインで、聴けば聴くほどクセになるんです。
前口 僕も、川崎さんのメロディは特徴的だと思います。自覚はある?
川崎 提供するアーティストさんによって、歌いやすさは変えているんですけど、自分で歌う曲は自分が苦労するだけだから、やりたいようにやっていて。レコーディングでは、難しいなあと思うことがあります。
増田 作る人によっては成立させられないようなメロディなんですけど、彼女の場合はグッとくるものになっていて。僕らが音に合わせてコードを変えると、その良さがなくなっちゃうので、気をつけています。
前口 そうそう、安定には向かわない冒険感があるんですよね。アルバムに収録されている川崎さんの曲(「CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU」、「ページ~君と綴る物語~」、「輝きの欠片」、「I see」)には、彼女ならではの特色が散りばめられています。
増田 曲の一番大事なところで、それが出てきたりしますね。