「孤独のグルメ」谷口ジローの思いを引き継ぎ完成した、アニメーション映画「神々の山嶺」7月公開! 映像・スケッチ画とともに明かされる制作秘話

2022年06月27日 13:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

日本原作のアニメーション映画「神々の山嶺(いただき)」が、2022年7月8日より全国公開。予告映像やスケッチ画とともに、制作エピソードが明かされた。

「登山家マロリーはエベレスト初登頂に成功したのか?」登山史上最大の謎の鍵を握る、一台のカメラと孤高のクライマー・羽生。そして彼を追うカメラマン・深町が初登頂の謎に迫りながら、前人未到の冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑む「神々の山嶺」。その完成を願いながら惜しくも2017年にこの世を去った、谷口ジローさん自身も製作に参加していた。


大ヒットアニメーション映画「ウルフウォーカー」の製作チームと共に7年の歳月をかけ、熱い人間ドラマと実写では再現不可能な命がけの登攀シーンを、圧巻の映像で表現。フランスのアカデミー賞に当たるセザール賞では、アニメーション映画賞を受賞した。

今回、ついに堂々日本凱旋上映が決定。堀内賢雄さん、大塚明夫さん、逢坂良太さん、今井麻美さんといった豪華声優陣が吹き替えを務めている。


「神々の山嶺」本予告






<ストーリー>
「登山家マロリーがエベレスト初登頂を成し遂げたかもしれない」といういまだ未解決の謎。その謎が解明されれば歴史が変わることになる。カメラマンの深町誠はネパールで、何年も前に消息を絶った孤高のクライマー・羽生丈二が、マロリーの遺品と思われるカメラを手に去っていく姿を目撃。深町は、羽生を見つけ出しマロリーの謎を突き止めようと、羽生の人生の軌跡を追い始める。やがて二人の運命は交差し、不可能とされる冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑むこととなる。

 

谷口ジローの思いを引き継ぎ、7年の歳月をかけて完成──貴重なスケッチ画やカラースクリプトを公開

 

「『坊っちゃん』の時代」「遥かな町へ」「孤独のグルメ」など数々の傑作漫画を世に送り出 し、2017 年にこの世を去った天才漫画家・谷口ジローさん。原作は、谷口さんが夢枕獏さんの人気小説「神々の山嶺」を2000年から漫画化し全5巻で発行。フランスでは翻訳版が累計38万部を売り上げ、2005年にアングレーム国際漫画祭にて谷口さんは最優秀デッサン賞を受賞した。谷口さん自身も、2011年にフランス政府から芸術文化勲章シュヴ ァリエ章を授与されるほど、フランスでも絶大な人気を誇る漫画家である。


この伝説の漫画に魅了されたプロデューサー、ジャン=シャルル・オストレロ氏、監督のパトリック・インバート氏、大ヒットアニメーション映画『ウルフウォーカー』の製作チーム、そして谷口ジローさん自身も参加し、この壮大な作品を7年の歳月をかけ映画化。谷口さんは生前、「全身全霊を込めて描き上げた作品だからアニメーションで映画化されるのはとても嬉しい」と喜んだそうで、その反応が製作陣にとって大きな原動力となったという。




彼は同国の製作チームのもとを二度訪れ、作画やストーリーの確認に携わっていた。惜しくも完成版を観ることは叶わなかったが、本作は第74回カンヌ国際映画祭でプレミア上映されたのち、フランスの300以上の劇場で公開され、大ヒットを記録。同国のアカデミー賞にあたるセザール賞では、長編アニメーション映画賞を受賞した。


アニメーション化にあたり、プロデューサーのステファン・ローランツ氏は、「誰もが谷口ジローの作品に敬意を抱いていて、彼をがっかりさせたくない、という強い思いがありました」と語り、緻密な谷口の画力を受け継いだ写実的な表現を追求し、その真に迫ったリアルさをキャラクター造形にも取り入れていった。

漫画版「神々の山嶺」には、高山の環境が忠実に再現。小さなコマの中に目がくらむようなエベレストの絶景を表現した谷口ジローさんが、視覚以外の感覚に訴えようとしていたことは明らかであり、その画力に読者は時が止まったように感じることもあれば、脳の中で壮大なパノラマが映し出されることもある。その雄大さに圧倒され、めまいすら覚えるのだ。




しかし監督は、漫画の原作は大きな指針としながらも距離を置き、エベレスト登頂に成功した人らの協力を仰ぎ、寒さの感覚、テントの中で寝たときの風の轟音、ロープの結び方、息切れなど、「リアル」を見極めるための生の情報を集めアニメーション化に生かした。下絵の段階から、監督パトリック・インバートにはキャラクター造形のビジョンが見えていた。


「漫画の原作はあらゆる創作の拠り所にはなったが、漫画を再現するのとは違う作業が待っていた。谷口さんの絵には細かいディテールが描き込まれていて、それをそのままなぞるつもりはありませんでした。線の数を減らしたことで、かえってアニメーターは顔の表情に集中することができました。2Dでリアルな顔を描くには、目の位置などの細かい精度が要求されます。片目が少しずれているだけで、観客に違和感を与えてしまいますから」


さらに、谷口さんとは別の構図を編み出すことにも挑戦。葛飾北斎、小津安二郎、今敏、高畑勲、宮崎駿など日本の偉大なアーティストからも大きな影響を受けならがらも、逆光や構図のバリエーションなどあらゆるテクニックを使って、自分たちの方法でスクリーンに没入できるように試行錯誤を重ね、たくさんのアイディアを試したという。




そして谷口さんが亡くなる直前の2016年に脚本と下絵を見せることができ、「とても好意的な感想でした。そもそも彼の作品も小説の漫画化なので、翻案という作業を尊重してくれていることが伝わってきました」と、 プロデューサーで脚本も担当したジャン=シャルル・オストレロ氏はその反応に胸を打たれたという。


谷口さんへの最大のリスペクトを込めて、フランスチームが最高傑作漫画のザイルを繋いだ、最高の冒険ミステリー「神々の山嶺」が今夏、幕を開ける。


【作品情報】
■アニメーション映画「神々の山嶺」
7月8日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公
配給:ロングライド、東京テアトル 
公式サイト:longride.jp/kamigami/


監督: パトリック・インバート
原作:「神々の山嶺」作・夢枕獏 画・谷口ジロー(集英社刊)
日本語吹き替えキャスト:堀内賢雄 大塚明夫 逢坂良太 今井麻美
2021年/94分/フランス、ルクセンブルク/仏語/1.85ビスタ/5.1ch/原題:LE SOMMET DES DIEUX /吹替翻訳:光瀬憲子


<ストーリー>
「登山家マロリーがエベレスト初登頂を成し遂げたかもしれない」といういまだ未解決の謎。その謎が解明されれば歴史が変わることになる。カメラマンの深町誠はネパールで、何年も前に消息を絶った孤高のクライマー・羽生丈二が、マロリーの遺品と思われるカメラを手に去っていく姿を目撃。深町は、羽生を見つけ出しマロリーの謎を突き止めようと、羽生の人生の軌跡を追い始める。やがて二人の運命は交差し、不可能とされる冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑むこととなる。

© Le Sommet des Dieux - 2021 / Julianne Films / Folivari / Mélusine Productions / France 3 Cinéma / Aura Cinéma

画像一覧

関連作品

神々の山嶺

神々の山嶺

上映開始日: 2022年7月8日
キャスト: 堀内賢雄、大塚明夫、逢坂良太、今井麻美
(C) Le Sommet des Dieux - 2021 / Julianne Films / Folivari / Mélusine Productions / France 3 Cinéma / Aura Cinéma

ログイン/会員登録をしてこのニュースにコメントしよう!

関連リンク

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。