【Steam】濃密な世界観と美しいグラフィックで紡がれるSFアドベンチャー! 「OPUS:星歌の響き」レビュー

2021年10月02日 12:000
【Steam】濃密な世界観と美しいグラフィックで紡がれるSFアドベンチャー! 「OPUS:星歌の響き」レビュー

アキバ総研をご覧の皆さま、いかがおすごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。毎日、数多くのインディーズゲームがリリースされるSteam。いまだかつて見たことのないようなストーリーやシステムで我々ゲーマーを楽しませてくれますが、今回はそんなSteamでリリースされた本格アドベンチャーゲーム「OPUS:星歌の響き」をご紹介していきます。

宇宙で繰り広げられる壮大なボーイ・ミーツ・ガールストーリー! 第一章の内容をご紹介


「OPUS:星歌の響き」は、台湾のインディーズゲームスタジオ・SIGONOが手がけるアドベンチャーゲームです。本作は、Steam・スマートフォン・Nintendo Switchなどでリリースされている「OPUS-地球計画」と「OPUS-魂の架け橋」に続く、OPUSシリーズの第3作となっており、“宇宙”がテーマに掲げられたSFストーリーを楽しむことができます。


なお、今作「OPUS:星歌の響き」はOPUSシリーズの第3作ではありますが、ストーリーに直接的なつながりはないため、シリーズ未プレイの方でも今作から問題なく遊ぶことができます。



それではさっそく、「OPUS:星歌の響き」の内容をご紹介していきましょう。 ゲームを開始すると、まずプレイヤーの目の前に現れるのは、宇宙船からとある小惑星へと降り立った白髪の男性。彼はこの惑星で、何やら「龍脈」と呼ばれるものの調査を始めるようです。 ここでプレイヤーは、老人を操作して、実際に彼を道の先へと導いていくことになります。その道中、アイコンが表示されたポイントを調べると、「万道碑文」という石碑に書かれた文章を読むことができます。

このように本作は、表示されるテキストを読み進めていくだけではなく、画面上のキャラクターを操作して、さまざまなポイントを調べてアイテムを取得し、謎を解きながら物語を進めていくという、インタラクティブなスタイルのアドベンチャーゲームになっています。



しばらく歩いていくと、従者から「リバク」と呼ばれたその老人は、何やら円形のゲートのような地点へとたどりつきます。「エイダ…ようやく戻って来たよ…。」と意味深なセリフをつぶやいて、棒状の装置を取り出して起動し、ゲートを開くリバク。ここで、「OPUS:星歌の響き」というタイトルがカットインされます。つまり、ここまではプロローグ。映画のような演出に、思わずワクワクが止まらなくなってしまいます。



このオープニング演出のあと、主人公であるリバクがエイダという女性に出会った時代である66年前へとさかのぼり、第一章が始まります。実は本作は、老人となったリバクが過去を回想する形で展開されていく作りになっています。この「主人公の回想によって語られていく物語」という、大作映画や長編小説を思わせる構成は、本作の大きな特徴であると言えるでしょう。


さて、場面は先ほどまでの、老人・リバクが降り立った惑星から一転し、66年前の交易中継拠点「九禄」の移民交易広場という場所へ変わります。現れたのは、カピバラの姿をした商人と何やら交渉を繰り広げる青年・リバク。彼は、「龍脈」を探す手がかりを求めているのですが、情報があいまいなうえに、「龍脈」を探すことができる「巫女」を雇うお金もないという困った状況にいます。「龍脈」や「巫女」というオリエンタルな雰囲気が漂う固有名詞の登場に加えて、人間ではなくカピバラの商人が登場するという独特な世界観に、ガッチリ心をつかまれます。



すると、もめるリバクと商人の前にひとりの女性が現れました。エイダと名乗る黒髪の少女は、龍脈を探す力を持つ「巫女」らしく、リバクが買おうとしていた情報を商人から先に購入して、龍脈探しへと向かってしまいます。この少女こそが、プロローグで老人姿のリバクがつぶやいていた「エイダ」その人であり、つまり、これがリバクとエイダのファーストコンタクトの場面。プレイヤーは、これからリバクがどういった出来事を体験して「エイダ…ようやく戻って来たよ…。」という冒頭のセリフへとつながっていくのか、あれこれと想像を巡らせながらゲームを進めていくこととなります。このプレイ感覚は、本作が「回想」という形をとった映画的な構成であるからこそ味わえるものだと言えるのではないでしょうか。



エイダが去ったあと、リバクは情報を集め、彼女が向かった先が鉱山密輸専門マフィア「白い牙」の隠れ家であるという事実を知ります。


エイダの身の危険を案じ、違法録音された「巫女龍鳴」というアイテムを手に入れて、エイダのあとを追うリバク。ここでプレイヤーは、銀河系が一望できる「ナビ」を起動し、マフィアの隠れ家である小惑星を目的地に定め、宇宙船を向かわせることとなります。

舞台となる宇宙の広大さを目で見て実感できる、このナビシステムは、本作の筆者的推しポイントのひとつです。細かい部分ですが、目的地に向かうための決定ボタンの文言が「決定」や「ここへ行く」ではなく“超加速”となっているのも、宇宙船に乗っている臨場感が感じられてよいんです! 「神は細部に宿る」という言葉がありますが、本作はそれを地で行く細部までの徹底したこだわりが随所に散りばめられており、唯一無二の濃密な世界観が作り上げられています。



マフィアのアジトに潜入したリバクは、マフィアたちに銃を向けられているエイダを発見し、助けようと飛び出しますが、逆にエイダとともに捕らえられてしまいます。この場所から脱出するには、扉を開けるための巫女の歌声が必要なのですが、主人公が持っている違法録音の歌声は質が悪く、扉を開けることができません。そこでエイダが、自分の歌声を録音して使用するよう提案を持ちかけます。



こうして録音したエイダの歌声を使って無事、リバクとエイダはアジトから脱出を成し遂げ、エイダの所持する宇宙船でマフィアから逃亡をするのでした……というのが、第一章のストーリーとなっています。アジトに忍び込むシーン、エイダを助けようとするシーン、そして追手を振りきって脱出をするシーンと、スリリングな展開が次々に巻き起こり、筆者は一気にストーリーに引き込まれていきました。


第二章からは物語への没入度が加速!広大な宇宙を移動して探索を進めよう


第一章を終えると、リバクはエイダの宇宙船で、ともに未知なる宇宙の探索へと出発します。言うなれば、この第二章からが「OPUS:星歌の響き」の本番。第一章では、プレイヤーが介入できる個所はアジト内の探索と謎解きがメインでしたが、第二章からはゲーム性がグッとアップし、プレイヤーが介入できる要素が一気に増加します。


まずは「宇宙の移動」。第一章でも登場したナビ画面から、探索する場所を選びます。 第一章ではストーリーの進行上、マフィアのアジトしか移動可能な場所がありませんでしたが、第二章からは宇宙空間に点在するさまざまな拠点や遺跡に出向くことができるようになります。しかし、言うまでもなく宇宙は広大なので、どこへでも簡単に行けるわけではありません。移動するためには「理気」と呼ばれるエネルギーが必要となっており、これにより、限られた資源をうまく使う「リソース管理」の要素が楽しめる仕組みとなっています。



次に「宇宙船の改造」。これは、アジトを脱出する際の超加速によって破損してしまったエイダの宇宙船を、修理してアップグレードする要素です。アップグレードを行うと、燃料を積める量が増えたり、通信機能が強化されたりと、宇宙探索を有利に進められるので積極的に進めていきたいところ。しかし当然、何もない手ぶらの状態で修理ができるはずもなく、さまざまなパーツが必要となるため、プレイヤーは宇宙に点在する探索ポイントを隅々まで探査して、パーツを獲得していかなければなりません。この「お宝探し」的なゲーム体験もまた、面白さのひとつです。



ほかにも、集落や拠点にいる商人から買い物をしたり、リバクたちを追う空賊や賞金稼ぎから逃げるためにTRPG風のルーレットバトルが発生したりと、宇宙探索にはさまざまな要素が登場。これらがからみ合うことによって、「宇宙船に乗って広い宇宙を探検している」という没入感のあるゲーム体験が味わえる作りになっています。さらに、移動や探索、買い物、会話、そして謎解きといったバリエーション豊かなイベントがバランスよく配置されていることで、プレイヤーが飽きることなくゲームを進められる仕組みになっているとも言えるでしょう。 ちなみに、これらの要素によってゲーム性は増しているものの、それぞれ難易度は高くないので、シナリオを味わう妨げにはなっていない点も大きなポイント。ゲームを普段あまりやらないような方でも、安心してストーリーを楽しむことができます。


美しいグラフィックと音楽、ボリュームたっぷりの収集要素、個性あふれるキャラクター! 魅力&推しポイントをピックアップ


ストーリーやゲーム性以外での「OPUS:星歌の響き」の特徴は、やはりなんと言っても美しいグラフィックと雰囲気たっぷりの音楽です。3Dで描かれたフィールドやキャラクターも、2Dで描かれたキャラクターのバストアップイラストや一枚絵も、すべて独特の透明感を持ったグラフィックで描かれており、切なさのある本作のストーリーにぴったりとハマっています。いっぽう、音楽は、宇宙の静けさを思わせる落ち着いた楽曲からスリルを感じさせる迫力あふれる楽曲まで多彩に用意されており、プレイヤーを物語の世界に自然と没入させてくれます。グラフィックと音楽の相乗効果によって生み出される「ドラマチックなゲーム体験」は、本作の大きな魅力であると言えるでしょう。



本作での筆者的な推しポイントは、収集アイテムの圧倒的ボリュームです。探索や会話イベントを進めていく中で、リバクはさまざまなアイテムやロケーションを発見し、それに紐づくデータを記録として収集していきますが、その数は、なんと200以上! やりこみ要素としてゲーマーのコレクター魂をくすぐること請け合いのボリュームですが、この収集品のポイントは、ずばり読み応えたっぷりのテキストにあります。本作のストーリーは老人となったリバクによる回想という形をとっているため、各収集品の内容を説明するテキストも、66年後のリバクによる回想の形になっています。


たとえば第一章の終盤で、エイダの歌声を録音して「かすれ声の巫女龍鳴」というアイテムを獲得しますが、このアイテムの説明には「引き込まれるような歌声で、永遠に忘れられない」という内容が記されており、リバクがエイダに対して特別な想いをひそかに感じていたことがプレイヤーに明かされます。このように、ゲーム本編中では語られなかったリバクの心情が収集アイテム内で語られることによって、プレイヤーがより深くストーリーを味わえる仕組みになっているのです。ゲーム本編をプレイしてストーリーを読み進めつつ、収集品でストーリーを補完しながらさらに楽しめるこのスタイルは、筆者的には「ひとつの作品で2度おいしい」感覚がありました。



本作の魅力を語るうえでは、さまざまなキャラクターの存在も欠かせません。やさしく誠実で正義感あふれる主人公・リバクと、清楚でおしとやかな性格の中に芯の強さやはかなげな雰囲気を持つヒロイン・エイダ。2人の主要人物は、どちらもひと言では語れない複雑な過去を背負っており、厚みのある魅力的なキャラクターになっています。



リバクとエイダを取り巻くサブキャラクターたちも皆、魅力的です。リバクの従者であるカイトを始め、「白い牙」のマフィアや「先生」と呼ばれる女性・ラッセルなど、どのキャラクターも個性が立っており、ゲームを進めていくと自然と愛着が湧いていきます。

その中でも筆者の推しキャラは、エイダの相棒として宇宙船に乗る少女「ラミア」です。透き通るような白い髪、どことなく猫を思わせるツリ目気味の目、そしてダボッとしたパーカー風の服を身にまとう姿と、エイダとはまた違うかわいらしさを持つラミアは、人によってはエイダ以上にツボにハマってしまうかもしれません。ちなみに、筆者は完璧にツボでした。



ラミアのビジュアルについて語りましたが、もちろん彼女の魅力はそれだけではありません。

ずばり、独特の「しゃべり方」も大注目のポイントです。


エイダの案に同意するときは「それな!」、エイダを助けるためにマフィアのアジトに宇宙船でやってきて「秒で爆発した!」「エグい超ウケる!」、そしてエイダと一緒に宇宙船に乗り込もうとするリバクを見て「市場で会った激ウザ男じゃない!」などなど、明るく個性的なセリフの数々でプレイヤーを楽しませてくれます。


本作にはボイスはついていませんが、その軽快でナチュラルなセリフの数々は、ついついしゃべっている声が聞こえるような気がしてしまうほど。どちらかと言えば硬派な雰囲気が漂う本作の世界観に、持ち前のキャラクターでいいアクセントを加えてくれるラミアの活躍は、ぜひ実際にプレイして見ていただきたい、イチオシのポイントです。

秋の夜長は「OPUS:星歌の響き」で、壮大な物語の世界にどっぷりつかろう!


というわけで、「OPUS:星歌の響き」をご紹介しました。


「龍脈」や「巫女」、や「巫女龍鳴」など、独自の設定や聞き慣れない用語が多数登場するため、すぐに世界観の全貌を把握することは難しいですが、本作はゲームを進めていくことで、視界がだんだんと開けていくような感覚とともにじっくり世界観に溶け込んでいける作りとなっています。長編小説を読むように、ゆっくりと腰を据えて遊ぶのが本作の正しい楽しみ方と言えるかもしれません。


壮大な物語の世界にどっぷりとつかっていく感覚がたまらない「OPUS:星歌の響き」。秋の夜長にぜひ遊んでいただきたい、オススメの作品です。

  • タイトル情報
  • 「OPUS:星歌の響き」(SIGONO INC.)
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 2021年9月1日発売
  • 価格:1,840円(2021年9月16日時点)
  • コピーライト:(C) 2021 SIGONO INC.
  • https://store.steampowered.com/app/1504500/OPUS/
筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
Twitter:https://www.twitter.com/KINGakiko
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