【Steam】深き「沼」へようこそ……。永遠に解き続けていたい傑作PCパズルゲーム特集

2020年04月04日 13:000

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アキバ総研をご覧のみなさま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買い過ぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。最近は「あつまれ どうぶつの森」にハマり過ぎてしまい、300本以上ある積みゲーが1本も消化されていきません。なるほど、これが「どうぶつ性タンパク質の取り過ぎで消化不良」とかうまいこと言おうとしましたが、それほどでもないので聞かなかったことにしていただいて大丈夫です。


さて、本題に入りましょう。さっそくですが、パズルゲームはお好きでしょうか。


パズルと言えば、「テトリス」や「ぷよぷよ」、「ドクターマリオ」などの落ち物パズルや、数独やイラストロジック、クロスワードなどのペンシルパズル、はたまた「レミングス」や「ロードランナー」のようなアクションパズルなどなど多数の種類がある定番中の定番ジャンル。


その人気の秘密はというと、やはり「消せたとき・解けたときの快感」にあるでしょう。やるべきことがシンプルゆえに老若男女・ゲームの慣れ不慣れ問わず誰でも遊べて、かつ解けば大きな達成感が得られるパズルゲームは、いわゆる脳汁ドバドバな状態になりやすいため、ふとしたスキマ時間にやりたくなってしまい、そして一度始めると、やめどきを見失ってしまうという沼ジャンルです。


かく言う筆者も、テトリスの歴史について、やたらと人に語りたがってしまうテトリスフリークであり、Switch版の脳トレでは数独ばかりやってしまう偏りトレーニング人間ですが、今回はそんなパズル好きの筆者がおすすめする、PCゲームプラットフォーム「Steam」で遊べる傑作パズルゲームをご紹介していきましょう。



1.問題自動生成機能で無限に遊べる六角形マインスイーパー「Hexcells Infinite


  • 「Hexcells Infinite」(Matthew Brown)
  • 2014年9月2日発売
  • 価格:498円(2020年3月24日現在)
  • (C) 2014 Matthew Brown

WindowsのPCを使ったことがある人ならば、必ずと言っていいほどプレイしたことがあるだろう、世界的に有名なパズルゲーム、それが「マインスイーパー」です。たとえその名は知らずとも、正方形のマス目が敷き詰められた方眼紙のようなフィールドに数字と旗が書かれたゲーム画面なら、一度は見たことがあるのではないでしょうか。


マインスイーパーは、書かれた数字をヒントにマイン(地雷)が埋まっているマスを探し出していくというロジックパズルですが、今回ご紹介する「Hexcells Infinite」は、そのマインスイーパーの正統進化系と言えるパズルゲームです。



むだな要素を省いた、おしゃれでインテリな雰囲気漂う「Hexcells Infinite」。


本作の目的は、セルやセルの外に書かれた数字をヒントに、盤面の黄色セルをすべて青(左クリック)or黒(右クリック)で塗りつぶしていくというシンプルなもの。セルに書かれた数字は、「隣り合うセルの青色の数」を示しています。


たとえば、以下のような問題の場合。



「6」と書かれているセルの周囲はすべて青となり、逆に「0」と書かれているセルの周囲はすべて黒と確定します。また、「3」の周囲は3つしかセルがないのでそこもすべて青で確定。そうなると同時に、2の隣りの青が2セルになりますので、「2」の周囲の他のセルは黒確定となり……。



最終的に、このような状態となってステージクリアというわけです。


ステージが進むにつれて、「列にいくつの青があるか」「青が連続or分断して配置されているか」などを示すルールが追加されていき、難易度が上がっていきます。これは脳が汗をかくこと必至!


ちなみに、普通のマインスイーパーでは運任せになってしまう局面が発生することがあるのですが、本作は、最初から最後まですべて論理的に解くことが可能です。この点が、パズル好きゲーマーたちにかなり好評を博しているようです。


さて、そんな本作ですが、実は「Hexcells」の続編という位置づけとなっています。続編になって何が変わったのかですが、なんと問題の自動生成機能が備わっているのです。



あらかじめ用意されているステージを次々に解いていくというのが本作の基本システムではありますが、自動生成機能を使うことによって、本作のタイトルにもある「Infinite」の言葉が表すとおり、実質無限に問題を解きまくることができてしまいます。無限……魅力的ながらも、恐ろしい響き……。


自動生成機能を使うと、たとえばこんな問題ができたりします。



どうですか、この見た目。もうこれを解くだけで今日のゲームの時間は終わりだな! って感じのずっしり感ではないでしょうか。こんな問題がゴロゴロいくらでもできてしまうということで、自動生成機能はまさに沼。


コツコツと問題を解いていく快感が好きな方はぜひ、「Hexcells Infinite」で六角形の沼に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。


2.ピアノの音が心地よいミニマリストからくりパズル「SiNKR /シズめル


  • 「SiNKR /シズめル」(Robert Wahler)
  • 2017年10月13日発売
  • 価格:310円(2020年3月24日現在)
  • (C) 2017 Wahler Digital LLC

「ミニマリスト」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。最小限のもので生活する人のことを指す言葉で、そのむだのないスッキリとした生活スタイルは、「断捨離」という言葉とともに世間から注目を浴びました。


さて、ご紹介する本作「SiNKR /シズめル」は、ミニマリストパズルと銘打たれたゲームです。



「ミニマリストパズル」の名が表すとおり、本作は余分な要素が徹底的に排除されています。


タイトル画面に余計な文字や説明はありません。また、ゲーム内にもルールの説明がなく、さらにチュートリアルもありません。そこにはただ、シンプルな線と図形で描かれたステージがあるのみ。そのシンプルさは、美しさすら感じるほどです。



説明もチュートリアルもないため、何をどうすればいいかは自分で探るしかありませんが、六角形の物体がブルッと震えているのでクリックしてみたところ、押し続けている間グルグルと回り出し、その動きに合わせてフックがスーッと六角形のほうへ近寄ってくることを発見しました。このからくりを利用して、白い円盤をフックに引っかけて、丸い穴まで連れていき、すべて穴に沈めればステージクリア。これが、このゲームの基本ルールとなります。



始めは簡単なステージが続きますが、先へと進むに連れて、フックを反転させることができるようになり、円盤に四角い種類が追加されたりと、新しいギミックが増えていきます。もちろん説明はないので、新ギミックがどういった働きをするものなのかは都度、自分で探っていくことになります。このあたりの手探り感とそれにともなう発見にも、本作のパズル的な魅力があると筆者は感じました。



電気回路図を思わせるような独特のビジュアルと、ギミックを操作する順番をひたすら試行錯誤するそのロジカルでストイックなゲーム性に目がいく本作ですが、実はサウンドもかなり特徴的。本作は、ギミックをクリックする度に心地よいピアノの音が鳴り響く仕掛けとなっており、ゲームをプレイすることで、宇宙空間のような背景にやさしく神秘的な音色が響き渡ります。ただ頭を悩ませるだけではなく、音に耳を傾けてリラックスしながら楽しむのも、本作の遊び方のひとつと言えそうです。

3.シンプル&スタイリッシュなヒーリング系一筆書きパズル「LineWay


  • 「LineWay」(Pony)
  • 2017年6月21日発売
  • 価格:100円(2020年3月24日現在)
  • (C) 2017 Pony

一筆(ひとふで)書き。それは、1本の線を途切れさせることなく、かつ2度同じ個所をなぞることなく、ひとつの図形を書き上げるというもの。パズルゲームに応用されることも多く、一筆書きを題材にした名作ゲームとしては、筆者はゲームボーイアドバンスの「通勤ヒトフデ」とニンテンドーDSの「直感ヒトフデ」が真っ先に思い浮かびます。今こそSwitch版発売希望! 届け! 僕の声、任天堂へ!


というわけで、本作「LineWay」は、一筆書きを題材にしたパズルゲーム。


ゲームを起動すると、「イヤホン推奨」の画面が表示されたあと、いきなりゲーム画面らしきものが表示されます。



タイトル画面はなく、特に何の操作説明もありませんが、どうやらゲームはもう始まっている様子。


イヤホン推奨と言うだけある美しいアンビエント系のBGMが流れる中、とりあえず光るパネルにカーソルを合わせクリック。そしてそのまま右へと引っ張っていくと線が描かれていき……クリア!



なるほど。要するに、そういうことです。


光るパネルからスタートしてすべてのパネルを通るように線を引けばクリア。これが本作の唯一にして絶対的なルール。低い難易度の問題が続き、しばらく何ひとつ詰まることなくサクサクと進めていきましたが、そんな筆者の前に新たなるパネルが現れます。



鍵と鍵穴のパネルです。例のごとく何の説明もありませんが、なんとなく想像できるとおり、鍵を取らないと鍵穴のパネルが通過できないというギミック。これによって、パネルの通過順が決まってくるという制約が生まれ、ゲームにアクセントが加わります。


このように、ステージを進めていくとさまざまなギミックが登場していく点が本作の大きな特徴のひとつ。鍵と鍵穴のギミック以外にも、通行方向が定められた矢印の書かれたパネルや、パネル複数枚分の大きさの長方形パネルなどなど、どれも一筆書きに新たな制約を加えるものとなっており、プレイヤーの頭を悩ませます。



とはいえ、制限時間やスコアがあるわけではなく、失敗を繰り返すことのペナルティなどもないため、焦らずにゆっくり解いていく、というのが本作の正しい楽しみ方と言えそうです。


ヒーリング系のBGMもさることながら、線を引いていくときの水滴のような音など、効果音も全体的に気持ちいい本作。ぜひイヤホンをして、スキマ時間にのんびりと楽しんでみてください。

4.ぶつけて爽快!ビリヤード風色合わせパズル「Blastboard


  • 「Blastboard」(Enigmatic Network)
  • 2020年2月28日発売
  • 価格:100円(2020年3月24日現在)
  • コピーライト:(C) 2020 Enigmatic Network

本作は、ありそうでなかったビリヤード風のパズルゲーム。


全体的にシンプルながらもおしゃれな雰囲気が漂うデザインとなっており、ジャズ調の軽快なBGMも合わさってさらにムードを盛り上げてくれます。上記にご紹介した3作のパズルゲームもすべてBGMがよく、もはや良作パズルゲームにとってBGMの品質というのは必須のポイントになっていると言えるのかもしれません。そう言えば「テトリス」も「ドクターマリオ」のBGMも、やたらと耳に残る名曲ぞろいですよね……。



さて、本作の目的はというと、ビリヤードテーブル風の盤面に配置されている白い「手球」をシュートして、テーブル上にあるカラフルな「的球」にぶつけ、すべて消すというもの。的球は、同じ色同士をぶつけるか、テーブルの上下に空いたポケット(穴)に落とすことで消すことが可能です。同じ色をくっつけて消すというのはシューター系パズルの名作「パズルボブル」ライクであり、昨今のパズルゲームでもよく見かける形ですが、ポケットに落としても消せるというのはビリヤードをモチーフとした本作ならでは。



手球はただ打ち出すだけではなく、マウスを引っ張る距離によって打つ強さの調節ができます。なお、手球の反射角度は薄いラインでガイドが表示されるため、本物のビリヤードのように角度をシビアに見極める必要はなく、ある程度カジュアルな感覚で遊ぶことが可能です。


しかし、カジュアルと言っても、本作は「実際のビリヤードの球の動きを解析して減速の式を導出」しているとのことで、実際、球の転がる挙動はかなりリアルな作りとなっています。また、ビリヤードと同様、手球がポケットに落ちてしまうとファウルになってしまうため、常にほどよい緊張感を保ちながらプレイすることができます。



リアルと言えば、本作は球がぶつかる音もかなりリアル。個人的に、ビリヤードはあの球同士のぶつかる小気味よい音が爽快感のひとつを担っているのではないかと思っていますが、本作においてもこのサウンドのあるとなしではプレイ感が大違いなので、遊ぶ際はぜひ、オプションでSEを少し大きめに設定してみることをオススメします。


さて、画面写真を見て気になっていた方もいるかと思いますが、何を隠そう、本作にはマスコットが存在します。画面の左下に表示されているキャラクター、バスタードラゴン族のコーリィがそれです。本作の舞台となっているバーのオーナーとのことで、ゲーム中、グラスを拭いたり頷いたりと常にアニメーションをしていて、これがなかなかかわいいのです。Steamユーザーの中には、このキャラ目当てで本作を購入した人もいるのだとか。キャラ大事!



ちなみに、本作にはSteamフレンドとオンライン対戦ができるマルチプレイヤーモードがあります。価格も100円とかなりお安いので、気になる方はSteamのギフト機能でフレンドにプレゼントしてみてもいいかもしれません。いや実際、対戦パズルって、最高に楽しいんですよね……来る日も来る日も友人たちと「ぷよぷよ通」をやり続けていた小学生時代が思い起こされます……ああ、二度と戻れない幸せな日々よ……。

パズルゲームは「誰でも入れる深い沼」である

というわけで、おすすめのパズルゲーム4作をご紹介しました。


パズルゲームは、複雑な操作やコマンドなどを要求されることが少なく、また、ルールがシンプルで覚えやすいため、プレイのハードルが低めのジャンルです。しかし、脳汁ドバドバ状態になりやすく一度ハマると出られなくなる可能性はかなり高いため、好きな人は本当にパズルゲームだけを延々とやり続けてしまいます。


体調管理のためにも睡眠時間を削り過ぎることがないようにご注意いただきつつ、ぜひ、パズルゲームの深くて楽しい沼にどっぷり肩まで(下手したら頭の先ぐらいまで)浸かってみてください。


【筆者】
■百壁ネロ
ゲーム買い過ぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。
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