オススメ☆Steamゲームレビュー第5回: アパート住民を監視するブラックなお仕事「Beholder」

2019年06月08日 17:000
オススメ☆Steamゲームレビュー第5回: アパート住民を監視するブラックなお仕事「Beholder」

アパートの管理人という名の政府のスパイ


この連載では、PCゲームのプラットフォームとして今盛り上がっている「Steam」で遊べるオススメゲームを、「Steam」のコアゲーマーである、“すちーむまにあ”こと、辻村美奈が詳細にレビュー。その面白さを紹介していきます。


今回紹介するのは「Beholder」という2Dアドベンチャーゲーム。クラウドファンディングサイト「Kickstarter」にて開発資金を募って制作されたインディーズゲームです。


主人公は、政府からアパートの管理人になるよう任命され、住民の私生活を監視し、管理人としての任務をこなしていきます。独特のやわらかいタッチで描かれたキャラデザインに騙されがちですが、実はこのゲームのモチーフは「全体主義国家」。なぜこんな重いテーマを?と不思議に思いましたが、開発元であるWarm Lamp Gamesは旧ソ連(現ロシア)の会社と知り、納得しました。

 

 

 

国民のプライバシーは皆無! 恐ろしい全体主義国家


法律は絶対であり、監視が全ての全体主義国家「ディストピア」。主人公のカール・スタインは、国からの命を受け、アパートの管理人として妻と息子・娘と一緒にアパートに引っ越します。

 


アパートの管理人の業務は、アパートを住民のための憩いの場にすることですが、これはもちろんうわべの話。その実、住民を24時間監視し、時には空き巣に入って調査し、違法のアイテム(禁止品)や違法行為を政府に報告するのが本当の仕事です。

 


そんなハードな仕事なのに、政府から支給されるカールの給料はとてもわずか。そのうえ、娘が病気になったり、息子が退学になったりして、出費がかさみます。次々と来る請求に追われ、カールの暮らしは常にギリギリ。

 

 

ブラック企業顔負け!眠くならない薬を打たれて24時間働かされる主人公


カールの監視業務は、「おはよう」から「おやすみ」まで1日中続きます。24時間寝なくても働けるように怪しい薬を打たれているので、睡眠は必要ありません。

 


カールの基本的な業務内容は、住民の部屋に監視カメラをしかけて遠隔で監視したり、住民が留守の間にマスターキーで部屋に忍び込み、禁制品を見つけて政府に報告したりすること。もちろん各部屋に入る際は、鍵穴から室内を覗いて住民がいないかをチェックすることも忘れずに。

 


また、気に入らない住民の部屋には、禁制品を仕込み、犯罪をでっち上げて追い出すことも可能。お金が必要な時は、住民をゆすって違法に稼いだり、違法行為を見逃して住民にチャンスを与えたりすることもできます。


カールが、ディストピアのただの歯車で終わってしまうのか、あるいは人間らしい感情を忘れず生きるのかは、あなた次第。アパート管理人の権力をどう使うかでエンディングが大きく変わります。

 

実際に遊んでみた!


さっそく、実際に遊んでみようと思います。まず、TOPメニューにある「ニューゲーム」からゲームモードを選択します。ゲームモードは、高難易度の政府高官と低難易度の研修生。今回は政府高官を選びました。

 


難易度を選択し終えると、オープニングムービーが流れます。オープニングムービーが終わると、ボスがアパートの地下で待っているので、ボスに話しかけると、簡単なチュートリアルのようなものが始まります。

 


ボスからの指示で、食堂に監視カメラを設置します。ちなみにここは、住民全員が使う、共同の食堂。監視カメラを買うには、画面右上にあるショッピングマークのアイコンから評判ポイントを使います。

 


評判ポイントは、住民の頼み事や、政府のタスクを完了するともらえます。逆に、時間内にタスクを完了できなかったり、不正がバレたりすると評判ポイントを失ってしまうので注意しなければなりません。

 


政府からのタスクは、電話で依頼されます。電話に出ないとペナルティが与えられるので、電話のベルの音には常に注意しましょう。ゲーム内時間はリアルタイムで進行しますが、住民と会話をしている時は、時間が止まります。画面左上の時計に付いている矢印のアイコンをクリックして早送りしたり、一時停止のアイコンで時間を止めたりすることも可能です。


最初のタスクは、2号室に住んでいるヤコブ・マニシェックを監視しろというもの。さっそく、ヤコブが留守のうちに監視カメラを取り付け、部屋の中を捜索します。ヤコブが帰宅すると、先ほど取り付けた監視カメラの下で、なんと麻薬を始めました。麻薬のアイコンをクリックして証拠を取り、すぐさま政府に報告します。

 


しばらくすると、警察が身柄を引き取りに来ました。さようなら、ヤコブ。住民が逮捕されると、部屋に残った荷物を受け取ることができます。この荷物を商人に売れば、お金になります。高価なアイテムが入っていることもあるので、地味に美味しい資金源です。ただ、当たり前ですが、住民が自主的に引っ越した場合は、荷物を持って出ていってしまうので受け取れません。

 

 

 

超重要! お金の稼ぎ方


もちろん、政府のタスクを進めてお金を稼ぐことも大事なのですが、それだけではどうしても終盤に破産してしまいます。なので、集めた証拠を使って脅迫状を送り、住民をゆすることも大切なお仕事。ゆする時に受け取る金額は難易度によって変わりますが、今回は政府高官モードなので1000ドル。研修生モードの場合は、2000ドルです。

 


脅迫状を確認した住民は、アパートのエントランスにある植木鉢にお金を入れてくれます。

 


たまに、アパートの前に「ネイサン・ケーラー」という商人が現れます。話しかけると取引してくれるので、いらないアイテムを売ったり、必要なアイテムを入手したりすることができます。ここでは違法のアイテムも売ってくれるので、違法アイテムを集めて住民の部屋に仕込み、自作自演でゆするといった悪行もできちゃいます。また、政府のショップで売っている監視カメラを350評判ポイントで購入すると、商人に500ドルで転売できるので、評判ポイントをお金に変えることも可能。

 

 

 

旧ソ連を彷彿させるドラマチックなゲーム


全体主義国家をモチーフに作られたゲームということもあって、旧ソ連を彷彿とする世界観が堪能できる、とても素晴らしいゲームでした。ゲーム内では、暴動やプロパガンダ合戦などによって国家に翻弄される国民の姿がリアルに描かれています。


主人公はもちろん、全ての住民にそれぞれのストーリーがあり、その描かれ方がとてもドラマチック。住民がつぶやくセリフも凝っていて、ヒューマンドラマを見ているような感覚で楽しめました。どの住民を入居させるか、密告すべきか、見逃すべきかなど、いろんな選択肢があり、クリアの仕方は人それぞれ。何通りも楽しめるゲームだと思います。気になる方はぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。


ゲーム内の翻訳については、アップデートを重ねて発売当初よりもずいぶん改善されているらしく、十分理解できる範囲なのでゲーム自体に影響はありませんでした。また、昨年12月には、本ゲームの続編である「Beholder 2」も発売されました。残念ながら日本語化は未対応とのことですが、英語版はSteamから発売中。

 

 

タイトル情報

「Beholder」(Warm Lamp Games)
2016年11月9日発売
価格:980円(2019年6月7日時点)
https://store.steampowered.com/app/475550/Beholder/


筆者:すちーむまにあ(辻村美奈)

オフィスマイカに所属するライター兼ゲーマー。好きなゲームのジャンルは、サンドボックスのサバイバルゲームや、ホラーゲームなど。プレイスタイルは、コミュ障炸裂でVC勢に怯えるテキストチャットガチ勢。


オフィスマイカ:http://office-mica.hateblo.jp/entry/gaiyo
ブログ:https://steammania.tokyo/
Twitter:https://twitter.com/steammaniaS2?lang=ja

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