【Steamゲームレビュー】爆発まで60秒!?　ダークコメディ宇宙船サバイバル「60 Parsecs!」

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この連載では、PCゲームのプラットフォームとして今盛り上がっている「Steam」で遊べるオススメゲームを、「Steam」のコアゲーマーである、“すちーむまにあ”こと、辻村美奈が詳細にレビュー。その面白さを紹介していきます。

今回紹介するのは、「60 Parsecs!」というゲーム。戦闘要素などはなく、文章で展開されていく「選択肢ゲー」のダークコメディ宇宙船サバイバルゲームです。グッドエンドも複数あり、ストーリーや世界観が独特なので、ファンが多いゲームでもあります。

爆発60秒前！　必要な物資を集め避難しろ

今回の舞台となるのは原子宇宙。主人公が暮らしている宇宙ステーションは、爆発間近です。爆発に巻き込まれないためには、60秒間のうちに目につく全ての物資とクルーを掻き集め、緊急シャトルで脱出しなければなりません。

スープ不足や招かれざる客の訪問など、宇宙に潜むさまざまな恐怖に対処し、持ち出した物資を使ってサバイバルを図る、このゲーム。オートセーブなので、死んだら即終了！　ハラハラドキドキの宇宙生活を楽しみましょう。

誰を連れていく？　個性豊かなクルーたち

「60 Parsecs!」では、6人いるクルーの中から、最大4人（船長含む）を選んで連れていくことができます。いずれも、さまざまな理由があって”宇宙市民プログラム”に参加し、この宇宙ステーションで暮らすことになったクルーたち。それぞれの特性があり、得意分野や苦手分野が設定されています。ただし、特性はゲーム内でランダムに発生するイベントで鍛えることも可能です。

■エメット・エリス

科学的挑戦を求めるために宇宙市民プログラムに参加した科学教師のエメット・エリス。知能がIII、機敏さがII、力が０の特化型タイプです。

■エイプリル・エンジェル

自転車を修理することにウンザリし、宇宙市民プログラムに参加した若い機械工エイプリル・エンジェル。機敏さと力がII、知能がIのバランス型タイプです。

■トム・トムソン

自分の事をアメリカンヒーローの擬人化だと信じていて、怪しげな眼帯を着けているトム・トムソン。知能と力がII、機敏さがIのバランス型タイプです。

■メーガン・マン

長年やっていたビジネスを子供に譲りリタイアし、気まぐれで宇宙市民プログラムに参加したメーガン・マン。機敏さと知能がII、力がIのバランス型タイプです。

■ベイビー・ブロンコ

悪い両親に操られ犯罪者になってしまい、宇宙市民プログラムで第二の人生を歩もうとしていたベイビー・ブロンコ。力が最上級の★、機敏さがI、知能が０の特化型タイプです。

■ディーディー・ドーキンス

怪我で引退してしまった元子供アスリートのディーディー・ドーキンス。機敏さがIII、知能と力がIの特化型タイプです。

船長のルーティン

船内では毎日ランダムでイベントが起こります。

ランダムイベントでは、常に選択を迫られます。なにを選ぶかによって、よいアイテムをもらったり、逆にアイテムを失ってしまったり、最悪のケースではクルーが襲われてしまうこともあるので、とても重要になります。船内に設置されているA.S.T.R.O.アシスタントコンピュータは、下した判断の結果や昨日起きた出来事、乗組員の空腹状態などを教えてくれます。

■クルーのステータス管理

ステータス管理は、「60 Parsecs!」をプレイするうえで、最も重要な要素。ステータスには、空腹度や健康度、正気度、士気があります。

■サバイバル必需品をクラフト

船内に設置されているクラフトモジュールでは、アイテムのクラフト、リサイクル、修理、アップグレードが可能。アップグレードをすると、そのアイテムを作るために必要な時間を短くすることができます。

■惑星探索の指示

惑星に着陸すると自由に探索に行くことが可能になります。探索ではクラフト資源を集めることができます。宇宙ステーションから持ってきた物資だけでは、すぐに枯渇してしまうため、長期間生き残るには探索が必須！　

目的地によって、危険度や採れる資源に大きな違いがあり、ゲーム後半ではランダムイベントによって目的地が増えます。ただし、船長は探索には行けないのでクルーが元気なうちに行くようにしましょう。

実際に遊んでみた

それではさっそく遊んでみましょう。ゲームを起動するとチュートリアルが始まります。チュートリアルで操作するクルー（船長）を選択します。今回は聡明な科学教師のエメット・エリスにしました。船長が決まると、宇宙ステーションの画面に移動します。チュートリアルの指示に従いながら医療キットなどの基本的なアイテムを集め、ある程度集まったらカウントダウンが開始。残りの時間で自由に物資を集め、緊急シャトルで脱出をします。

1日目、緊急シャトル生活が始まりました。序盤は探索に行けないので、クラフトモジュールで足りないアイテムを作ったり、リサイクルしたりなど、体制を整えます。

12日目、遂に謎の惑星を発見！　着陸手順に入ります。

13日目、フォボノスという惑星に到着！　さっそく探索隊を出します。今回は、スープ缶の材料になる化学サンプルが取れる「弾頭町」という場所に送ります。

24日目、泣き声が聞こえたので、その声の主を助けることに。声の主の正体は、迷子のエイリアン（フォビアン）。病気で弱っていたのでしばらく介抱することに。

28日目、フォビアンの体調が一向によくならないので薬を与えてみると、翌日には元気に復活し、感謝されました。

40日目、怪我が完治したはずのフォビアンが不安そうにしているので話を聞いてみることに。どうやらフォビアンたちは、故郷であるサイロ1799から安全を求めて亡命してきたんだとか。さらに、避難所の要塞を印した地図を持っていて、そこへ行くことを提案してきました。まだ半信半疑ですが、とりあえず頭の片隅に置いておくことに。

41日目、船内でゴキブリを発見。どうやら、平均的なゴキブリよりも大きく、賢く、はるかに危険らしい……。ゴキブリを退治するかの選択を迫られますが、反撃されたら怖いのでとりあえず様子をみてみます。

翌日、ピーターソン一家（ゴキブリ）から感謝のお手紙を受け取ります。ひとまず、敵対勢力じゃないことが確認できました。あとは、二度と再会しないことを願います……。

51日目、なんと、先日見逃したピーターソン一家が、家のリフォームを始めたらしく、エメットやクルーが騒音で眠れていないという。

静かにしてほしいとお願いしてみると、ピーターソン一家は深く謝り、スパゲティをご馳走すると提案してくれますが、ていねいにお断りします。なんともメルヘンな展開。

54日目、なんと、クルーのディーディーがエイリアンを助けようとして撃たれてしまいました。

57日目、ピーターソン一家が今度は、電気を勝手に使っているらしい……。今回は、そっと原子バッテリーにすり替えることに。翌日、御礼のスープ缶が置いてありました。

60日目、フォビアンが話していた避難所を一緒に見に行ってみると、本当に存在していることがわかりました。いったん、緊急シャトルに帰り、避難所に住むための条件を待ちます。

67日目、フォビアンが再び現れ、科学サンプル40個が条件だと伝えられます。が、急にそんなこと言われても40個も持ち合わせていない……。今回は見送りということに……。悔しい！

86日目、フォビアンが再び現れます。今回は、しっかり貯めておいた科学サンプルを渡します。

ということで無事グッドエンドを迎えられました！　めでたし、めでたし。

飢えるまで断食！　限られた物資でやりくりするのが楽しい「節約ゲーム」

今回実際に遊んでみましたが、極限の状況で限られた物資をやりくりするのがとても楽しかったです。ランダムイベントは、いい意味で予想を裏切ってくるので、全く先が読めません。そういったところも、とても楽しめました。もちろん、複数エンドが用意されているので、2周目、3週目も楽しめます。

今回の反省点は、最初の脱出フェーズでクルーを2人しか連れていくことができず、3人スタートになってしまったところ。最初に連れていくクルーは多いほうが有利なので、次からは最大人数を連れていこうと思います。

タイトル情報

「60 Parsecs!」（Robot Gentleman）
2018年9月19日リリース
価格：980円（2020年8月6日時点）
https://store.steampowered.com/app/646270/60_Parsecs/

筆者：すちーむまにあ（辻村美奈）

オフィスマイカに所属するライター兼ゲーマー。好きなゲームのジャンルは、サンドボックスのサバイバルゲームや、ホラーゲームなど。プレイスタイルは、コミュ障炸裂でVC勢に怯えるテキストチャットガチ勢。

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