「OLDCODEXはどこに行く?」その答えはステージにあった!OLDCODEX Tour 2017 “they go, Where?”東京公演初日レポ

2017年10月17日 12:000

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2017年9月12日(火)、人気ロックユニット・OLDCODEXがZepp Tokyoにてワンマンライブを開催した。



8月にリリースされた5枚目のアルバム「they go, Where?」を引っ提げてのツアーとなる今回のライブだが、本作はアルバムとしては初めてボーカル・Ta_2さんが全作曲、ペインター・YORKE.さんが全作詞を手がけるという非常に純度の高い1枚となっている。

そんな楽曲群がどのようにステージで演奏されるのか、ファンなら気になるところだろう。

今回は、2日間にわたって開催された東京公演のうち、初日の模様をレポートしよう。

 

とにかくあおる! 序盤からノンストップのOLDCODEX


今回の会場であるZepp Tokyoのステージは、YORKE.さんによるアートが客席にまで飛び出さんばかりの迫力でセットされており、フロアに足を踏み入れた人は誰もがそのスケールに圧倒されたことだろう。それはOLDCODEXのクリエイティビティを体現しているようでもあり、これから始まるライブでは色とりどりのサウンドが奏でられることを予感させるようでもある。

 


そんな「何かが始まる」予感の中、いよいよライブはスタート。まずはニューアルバムのオープニングを飾る「problem」に続き、「Get up to go」とヘビーなバンドサウンドが会場を揺らす。腹に響く重くミディアムなビートに徐々にフロアも熱を帯び始める。

開幕からタメにタメた感情を一気に爆発させるように、ここで披露されたのが疾走感満点の新曲「Faith In Me」だ。加速するサウンドにあわせて、YORKE.さんはキャンバスにブラシを走らせる。

フロアからも力強いかけ声があがるが、Ta_2さんはまだまだ満足できない様子。「まだ大人しいな」「まだか?」と何度もフロアを煽ると、その度に観客の声もどんどん大きくなる。それを受けてTa_2さんは、これでもか!とばかりにシャウトを連発。最後に、ライブの幕開けを宣言するかのように拳を高く掲げた。

 

Ta_2さん


「ぶち上げていくぞ! その後に初めてわかるんだ、俺たちがどこへ向かうかが」

Ta_2さんが、今回のツアータイトル「they go, Where?」にかけて叫ぶと、次にスタートしたのは「Seek your turn」。キャッチーなギターリフが鳴り響くと、大歓声がフロアを揺らす。「カタルリズム」では、サビでTa_2さんと観客がキャッチボールするかのように、歌の応酬を繰り広げ、ライブ定番曲「#4」では観客がサビのリズムにあわせて一斉にジャンプ! OLDCODEXらしい、キャッチーなメロディとアグレッシブなバンドサウンドを持つ楽曲が立て続けに披露され、さらに会場を盛り上げていく。歌うTa_2さんはもちろん、YORKE.さんも時にペイント、時にアジテーターとしてフロアを盛り上げるなど、音だけでなくそのパフォーマンス自体からも目が離せない。

 

YORKE.さん


「次は頭を振ろうぜ」

そんなTa_2さんの言葉で「Backed out」がスタート。ここではヘッドバンギングやクラップで楽曲に参加する観客たち。メンバーとフロアは一体となり、ライブ前半を一気に駆け抜けた。

 

「自分たちはどこへ向かうのか?」その答えを探すようなYORKE.のパフォーマンス


ここまでほぼノンストップでステージを駆け抜けたOLDCODEX。中盤戦に差しかかったところで、ひと息つきつつTa_2さんは、今回初めてイヤモニをつけてステージに立っていることを明かした。

ステージが大きくなれば、当然円滑なパフォーマンスのために取り入れなければならないシステムではあるのだが、その分観客の声が聞こえにくくもなる。ということで、「もっと大きな声を出せば聞こえるんだよ!」と、またも観客をあおる。その愛情あふれるあおりに、フロアからはさらに大きな歓声があがる。

どこまでも上昇する会場の熱気に、「彼らはどこまで行っちゃうんだろう?」と思ってしまうわけだが、そんなのはバンドメンバー自身も知ったことではないのだろう。とにかく自分たちがどこまで行けるのか、試したい! 突き進まねば! そんな気持ちが、ステージからひしひしと伝わってきた。

 


ライブ中盤は、そんな「自分たちはどこへ向かうのだろう」という自問自答を感じさせる内省的なステージが繰り広げられた。

「loose my breath」、「Outsomnia」とロックバラードが続けて披露されると、今度はポストロック的な匂いを感じさせる「bund」へと展開。

ここでは、Ta_2さんは三方をキャンバスが囲む立体的なオブジェクトの陰に移動。いっぽう、YORKE.さんはステージ中央にてそのオブジェクトにペイントする、という印象的なパフォーマンスが繰り広げられた。


浮遊感あふれるサウンドに乗せて描かれたペイントには、どこか神々しさすら感じられる。そしてEDMとバンドサウンドがクロスオーバーする「A Black Toy」では、暗闇の中、蛍光塗料を使ったペイントが披露される。そして、「?」と描き込まれたキャンバスを、素手で引き裂くYORKE.さん。その堂々たる姿は、どこまでも孤高であった。

そして、ニューアルバムのリードナンバー「Where’d They Go?」では、会場全体を巻きこんだシンガロングが巻き起こり、ドラマチックなライブ中盤を締めくくった。

「自分たちはどこへ向かうのか?」

ライブペインティングというOLDCODEXならではのパフォーマンスの持ち味をフルに生かしたステージに、その答えの一端をみたような気がする。

 

かくして自分たちなりの答えを得たOLDCODEXは、それまでのダウナーな気分を払拭するかのように「これからはハッピーに行こうぜ!」(Ta_2)の言葉とともに「Julio」を披露。「自分たちの向かう先」を見つけた果てにたどり着いたこのステージでは、フロアからファンを1人ステージに呼び込み、メンバーと一緒に歌うというサプライズも。上も下もなく、この日一番の祝祭感に満ちたピースフルな光景が会場に広がった。

  

もっと強くなるために! 怒涛のライブ終盤

ここで「『あの頃の俺たちってどこに行ったのかな?』とか、『これからどこに行くのかな?』っていうテーマでツアーを回ってるんですけど、早くもハテナが解けてきた気がする」と語るYORKE.さん。

ひと言ずつかみ締めるように言葉を紡ぐ彼に対し、話を振られたTa_2さんは「わりい、全然聞いてなかった(笑)」と、コミカルなリアクションで応じる。2人の仲のよさを垣間見せる、微笑ましいやり取りでホッとひと息ついたところで、ここから怒涛の終盤ラッシュに突入。

 


ラウドナンバー「reel」では、Ta_2さんに並びYORKE.さんが力強くシャウト。高速ビートとTa_2さんのスクリームが爆走する「Deal with」、バンドの新たな定番曲となりつつある「Anthem」、そしてアニメ「黒子のバスケ」とのタイアップ曲の集大成とも言える「Scribble,and beyond」と、キラーチューンがノンストップで披露される。

 


アニメタイアップ曲も多いということで、ハイテンションかつキャッチーな楽曲が続き、おのずとフロアのテンションも急上昇。この盛り上がりを受けて、Ta_2さんも「やべえ! クッソ楽しい!」と嬉しそう。そんな高ぶる気持ちを見せつつも、今回のアルバムは大きな不安の中で制作していたこと、そしてリスナーにどう届いているのかも不安に思っていたことをここで告白。

「they go, Where?」というタイトルは、まさに彼ら自身の思いを隠さず言語化したものだったことが語られた。そのうえで、「なんか最終的にいいところに着地してくれたらいいなって思う」「今日はいい顔をしてくれてありがとう」と、素直な気持ちを語ったTa_2さん。

そんなライブ本編のラストを飾ったのは、アルバムでもラストをやさしく盛り上げた「Million from Codex」だ。

「自分たちってどこに行くんだろうな。2人でできることってなんだろうな。そんな2人の曲ができたらいいよな」

前回のツアーの後に抱いたそんな思いから生まれたこの曲は、バンドの決意とファンへの感謝に満ちた感動的なロックチューンだ。新たなる物語の幕開けを感じさせるエモーショナルなサウンドがライブ本編のフィナーレを彩った。

 


その後、止まない「OCD」コールに呼ばれてステージに再登場した一同は、「WALK」「Eyes in chace」、そして新曲「smilimg」で今一度会場を興奮の坩堝に叩き込んだ。特に、ラストナンバーとなった「smilimg」ではTa_2と観客が手を伸ばしあう姿は感動的。まさにOLDCODEXとオーディエンスが音楽を通じてひとつになった瞬間であった。

 

全ての演奏を終え、別れ際に「めっちゃ強くなって帰ってくるから、待ってろこの野郎!」と叫んだTa_2さん。来年は待望のアリーナ公演が決定しているが、何より今回のツアーはまだまだ始まったばかり。現在も絶賛、日本各地で開催中である。

OLDCODEXがどこまで強く、大きな存在になっていくのか。これまで以上に楽しみになってくるようなライブであった。

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