【新作ゲームレビュー】滅亡した世界をマネジメントして、復興を目指そう! サバイバルシミュレーション 「サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-」を遊んでみた!

2022年08月11日 11:000

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人は「世界の滅亡」とか「滅亡後の荒廃した世界」という光景や状況に対して甘美な魅力を抱いてしまうのかもしれない。

かくいう筆者もそういった設定の作品が好きである。例をあげれば楳図かずおの代表作で、荒廃した未来に地球に現代の小学生たちがタイムスリップによって漂流し、さまざまな困難やサバイバルに立ち向かっていく「漂流教室」や、週刊少年ジャンプの短期連載作品ではあるが、突然の核戦争が起きて世界が滅亡し、たまたまシェルターにいて生き延びた小学生たちが滅亡後の世界で生き延びていく姿を描いた、ひらまつつとむの「飛ぶ教室」といった漫画作品は、今でも側に置いておいて気が向いた時に読んでいる。

ゲームでいえばレトロPCタイトルであるが、地球滅亡後の世界で生き残ったモンスターたちが襲来するエイリアンに立ち向かう「ラストハルマゲドン」や、荒廃した近未来において置き去りにされた美少女ロボットと屑屋の男性による泣きのショートストーリー「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」も好きなタイトルだ。

 

少々前置きが長くなってしまったが、そんな趣向を持つ筆者にとって大変好みのゲームが「サバイビングアフターマス -滅亡惑星-」である。本作はシンプルに説明するならば、滅亡後の世界の復興を目指し、時折襲いかかる困難を乗り越えながら、人々とともに文明を再構築していくことを目的とした1作である。

さっそくプレイしてみたので、序盤のレポートをお届けしよう。

 

 

組織をマネジメントしていくという意識

 

「サバイビングアフターマス -滅亡惑星-」はIceflake Studiosが開発を手がけ、Paradoxよりリリースされた海外発新作ゲーム。国内版はセガからリリースされている。本作はこの手のジャンルのゲームの中でも、特に濃厚で重厚な作りとなっているのだが、個人的に惹かれたのが、公式動画において「マネジメントゲーム」という呼び方をしている点だ。

多くの人は、人生において誰かにマネジメントされながら仕事をしたり、生活をしている。もちろん、自身がマネジメントをする側になることもあるだろうし、フリーランスで仕事をしているのであればセルフマネジメントをしていることだろう。マネジメントはチームをまとめながら目的に向かって事を進めていきつつ、時にはスタッフのメンタルケアもしなければならない大変な仕事である。

 

本作ではプレイヤーがひとりの開拓者となって滅亡後の世界に降り立つところからゲームが始まるのだが、拠点の名称、エンブレムの設定、ともに開拓をしていくスペシャリストたちの選定、文明復興に向けて入植者たちが働いて生活をしていけるように、マネジメントをしていくことになる。

現実と違ってゲームなのだから、いくらでも失敗したっていいのだ(現実でも失敗から学ぶことのほうが多いものだが)。マネジメントスキルを身に着けるつもりで本気でゲームと向き合おうとする姿勢が大事かもしれない。

 

 

世界を発展させつつ見守っていく面白さ

 

さまざまな設定を終え、開拓者であるプレイヤーが最初にやることは拠点となるコロニー内にキャンプを作ることだ。キャンプを作り終え、信号弾を放つと、コロニーに入植希望者が現れてくる。復興はひとりではできないので、人口を増やして労働力を得てコロニーを大きなものにしていく必要があるわけで、入植者が訪ねてくるのはとても嬉しい瞬間だ。

そうしてやってきた入植者たちが生活するためのテントを作ったり、彼らに食料を集めさせたり、水を確保するために井戸を掘ったりと、次々とコロニーに必要なものを作っていくのがプレイヤーの使命だ。また、それらを作るために必要な資材も集めてなければならない。

……のだが、その前に資材を集約するための備蓄庫を用意しなければいけない。思わず「そこまでさせるんかい!」と突っ込まずにはいられない筆者だったが、その細かさこそが本作の魅力であることは間違いない。

 

 

ゲームの進行とともに増えた人々も年を重ね、やがて子供が生まれ、子供が成長すると仕事を手伝ってくれるようになると、プレイヤーとしてはなんだか誇らしいような頼もしいような気持ちになってくる。我がコロニーとそこで暮らす人たちに、愛着を持たずにはいられなくもなってくる。

住人たちは時おり「食料がない」「水がない」「家がない」など不平不満をアピールしてくるのだが、そんな不満を解消するべくプレイヤーは動いていかねばならない。……いや、「良質なマネジメント」を目指すには、住人から不満が出る前に先手を打っていかねばならない。ゲームの進行に慣れてくると、プレイヤーもマネジメントのプロとしての成長を住人たちに見せていきたいところである。

ゲームだし、実際には住人との間にそういった感情のやりとりはないのだが、ついつい不便な状況を味わわせてしまったり、苦しい目に合わせてしまった時なんかは「ごめんね、少しずつ国をよくしていくからね……」と、言い訳を独りごちてしまう筆者なのである。

 

トラブルの対処こそ腕の見せ所だ!

 

そんなこんなでゲームを進めていくと、序盤にはコロニーのゲート(入口)を作る必要があることがわかってくる。

 

 

このゲートを作ることで、世界がさらに広がっていくことになる。たとえばゲームの最初に設定したスペシャリストをワールドマップへ派遣して調査・情報収集などが可能になるうえ、ゲートが存在することでコロニーの存在感が増すのか、さまざまな人々が訪れるようになるのである。やはり何事も外観が大事ということを思い知らされる。外部に対して自分たちの居場所をよく見せる、という「ゲーム内で見栄を張る」行為は滅多に味わえない体験であろう。

 

 

また、スペシャリストにワールドマップを探索させ、SP(サイエンスポイント)を集めるとテックツリーを解放することができる。これによって新たな技術が開発され、水道管を通したり、医療技術を発達させたり、学校を作ったりとどんどんコロニーは充実していく。

いっぽうでモンスターがコロニーを襲ってきたり、ウイルスが流行しパンデミックになるなど、さまざまな事件が起きたりもする。そうしたトラブルに直面した際に、上手に解決していくのもマネジメントするプレイヤーの腕の見せどころ。その昔、「ドラえもん」で読んだ、部屋で農業をするエピソードにおいて作物の育成中に台風が来たりイナゴが発生したりする中、ドラえもんが「適当に苦労するようにできてるんだ」と発言するシーンを思い出してしまった。

本作も同様に、プレイヤーが適当に苦労するよう、さまざまな試練が与えられるのである。

 

 

プレイヤーにとって理想の場所を作り続けていこう

 

じっくり、じわじわとゲームを進めていくうちに少しづつ発展していくコロニーを見ているのが楽しく、ついつい没頭してしまうこと5時間ちょい。それでもまだゲームは序盤も序盤。これからさらに長い時間をかけて進めていくことで、本作のディープな面白さをより感じることができそうだ。

ちなみに、本作をプレイしながら「シムシティ」や「A列車でいこう」などはもちろん、「アクトレイザー」のクリエイションモードや「ドラゴンクエストIII」における「商人の町イベント」なんかを思い出してしまった。

複雑かつやることが多岐に渡るという点でややハードルの高めなゲームだが、目的はいたってシンプル。世界構築系ゲームに興味を抱いたなら、ぜひ本作をプレイしてみてほしい。

 

 

(文/風のイオナ)

 

【ゲーム情報】

■サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-

・対応機種:PlayStation®4 / Nintendo Switch™

・好評発売中

・価格:パッケージ版 5,980円(税込6,578円)、デジタル版  5,980円(税込6,578円)

・ジャンル:サバイバルシミュレーション

・発売、販売元:株式会社セガ

・版権元:Paradox Interactive

・開発元:Iceflake Studios

・対象年齢:C区分(15歳以上対象)

 

©2022 Paradox Interactive. ©SEGA. All rights reserved.

Developed by ICEFLAKE STUDIOS.

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