【新作ゲームレビュー】「ストライカーズ1945」「ソルディバイド」などなど、往年のアーケードシューティングの名作6本がセットで楽しめる「彩京シューティングライブラリーVol.1」!

2022年08月05日 17:000

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マニアックなシューティングと脱衣麻雀で知られるアーケードゲーム(ゲームセンターに置かれるゲーム)メーカー、彩京。その代表作をセットにした「彩京シューティングライブラリーVol.1」「彩京シューティングライブラリーVol.2」が、PlayStation 4向けに2022年6月30日および7月28日にそれぞれ発売された(Nintendo Switch版は2019年に発売済み)。

本稿で取り上げる「~Vol.1」には「ストライカーズ1945」「ストライカーズ1945II」「ストライカーズ1999」「ソルディバイド」「ドラゴンブレイズ」「ゼロガンナー2」といった、ミリタリー色の強いシューティングが多く収録されている。1990年代中盤から2000年代初頭までの、“彩京弾”を始めとするシューティングの進化を見ることができるのだ。

■「ストライカーズ1945」

彩京の初期作であり、4作続くヒットとなった「ストライカーズ」シリーズ第1弾。第二次世界大戦に活躍した戦闘機が、敵の架空兵器と対決する。ボス戦では、巨大戦車や戦艦といった旧世代兵器のボスが、未来的なロボットに変形してプレイヤーを驚かせた。このギミックは本作以降の作品でも採用され、「ストライカーズ」シリーズといえば変形ロボットというシリーズの象徴となった。

かつてのアーケードゲームは、ゲームセンターにふらりと訪れた一般客にも注目してもらうため、さまざまな工夫を凝らしていた。本作における工夫とは、旧世代兵器が未来的なロボットに変形し、自機である第二次世界大戦の戦闘機と戦うという、異質なものどうしを組み合わせたインパクトだったわけだ。

 

 

 

プロペラ機が未来的な変形ロボと戦う。インパクト抜群の画面だ

 

自機がパワーアップすると、小型機が出現して一緒に攻撃してくれる。この小型機に編隊を組ませて特殊攻撃を行う「フォーメーションアタック」が攻略の鍵だ。

「ライトニング」は小型機が左右にショットを放ち、「ムスタング」は小型機が回転して敵弾を消すなど、自機によってさまざまなタイプが存在。ステージ構成を覚えて適切に使うという攻略性をもたらしている。この「自機から分離したものが個別に攻撃を行う」システムは「ストライカーズ」シリーズを通して洗練され、本作に収録された「ドラゴンブレイズ」でひとつの完成を見た。敵から放たれる高速の弾“彩京弾”とあわせ、彩京シューティングを特徴付けるフィーチャーといえるだろう。

 

 

「フォーメーションアタック」は機体ごとに発動形態が異なっており、いかにうまく使うかが攻略の鍵

 

■「ストライカーズ1945II」

前作同様、前半のステージに何が出てくるかはランダム。ステージが短めであることとあわせ、テンポのよいアーケードゲームらしいプレイを楽しめる。

小型機に特殊攻撃してもらうシステムは「フォーメーションアタック」から「スーパーショット」へと進化した。敵を倒すと溜まるゲージを消費しての大技で、ゲージが多いほどレベルが上がって強力になる。低レベルのものをこまめに使うか、ゲージを溜めて強敵にキツイ一発を食らわせるか? 「フォーメーションアタック」にリソース管理の概念が加わり、戦略性が高められている。

なかでも印象深いのが「震電」の「スーパーショット」。レベルを上げた状態で、敵に接近して放つと超高火力を発揮する仕様で、プレイヤーのテクニックが強さに直結するマニアックさは彩京らしい。

 

 

プロペラ機と変形ロボットが戦うギミックは、前作を踏襲

 

「フライングパンケーキ」の「スーパーショット」はレーザー照射。空飛ぶ円盤のような機体が実在していたという面白さと、ゲーム的に扱いやすい性能から当時のゲームセンターで人気となった機体である

 

 

■「ストライカーズ1999」

「ストライカーズ」シリーズ最終作は、これまでと打って変わって「現代戦闘機VS近未来兵器」という図式に。「スーパーホーネット」「ハリアー」「ラプター」といった機体が、敵の現役~近未来兵器と戦うため、画面の雰囲気も結構変わっている。弾幕も積極的に取り入れられており、時代の流れが感じられる。

本作で特徴的なのが「テクニカルボーナス」システムである。ボスは戦闘中に時間が過ぎると、弱点である「コア」を露出させる。この時に密接して弾を撃ち込むと、ボスを即座に倒せるうえにボーナス点ももらえるのだ。ミスを繰り返してパワーダウンした状態でも「コア」が露出するまで粘れば一気に逆転が可能。

しかし、この時はボスも強烈な攻撃をしかけてくるため、リスクも大きいのが面白い。スリルあふれる上級者向け要素といえるだろう。この「テクニカルボーナス」は、のちの「ドラゴンブレイズ」で再登場する。

  

 

自機が現代の戦闘機となり、画面の雰囲気も変わっている

 

無数の弾をばらまく弾幕も積極的に導入されている

  

■「ソルディバイド」

ファンタジー世界を舞台に、キャラクター性を重視した横スクロールシューティング。「バーチャファイター2」「探偵 神宮寺三郎シリーズ」などで知られるイラストレーター・寺田克也氏がマッシブな主人公たちを描き、海外ゲームを思わせるダークな画面を実現している。

 

 

 

寺田克也氏のマッシブなキャラクターが活躍する様は、まるで海外ゲームのよう

 

主人公たちは、シューティングゲームの定番である弾発射「ショット」に加え、剣や槍での「スラッシュ」(格闘攻撃)や、特殊な大技「魔法」といった多彩な攻撃手段を持つ。状況に合わせてこれらを使い分けなければならない。

こうした点が強調されるのが、魔法使いや騎士といった中型の敵との戦いだ。彼らは高い耐久力を持ち、弾や格闘で攻めてくるため、こちらの「ショット」だけでは対応しきれない。弾を撃とうとしている者には「スラッシュ」の肉弾戦で阻止し、格闘は避けたり迎撃したりといったように、アクションゲーム的な立ち回りを求められるのである。また、アイテムを取ると主人公たちの体力上限が上がっていくあたりに、RPGからの影響も見られるのが面白い。

 

 

中型の敵は、高い耐久力に加え、魔法や剣技による攻撃をかけてくる危険な存在。立ち向かうには、格闘攻撃「スラッシュ」をしっかり使いこなさなければならない

 

プレイヤーが使える「魔法」はさまざまな効果を持っており、状況に応じた使い分けでゲームがより楽しくなる。人型の敵が密集するところに「ファイア」の火炎放射で制圧、厄介なボスには動きを遅くする「スロウ」をかけて安全に攻略、特定の敵に大ダメージを与える「デス」の使いどころを覚えておいてうまく活用、難所は無敵化する「ヒートボディ」で切り抜ける……といった戦略的なプレイができる。MPが必要となるのに加え、強力な「魔法」は一度使ってしまうと、再度「魔法書」を取るまで使えなくなるというように、伝統的なリソース管理の遊びにアレンジが施されているのも面白いところだ。

彩京が、シューティングゲームにアクションゲームやRPGのテイストを積極的に導入したあたりに時代性が感じられる作品といえるだろう。

 

魔法は強力だが、発動にはMPが必要。なかには特定の敵に大ダメージを与えるものもある

 

■「ドラゴンブレイズ」

「ストライカーズ」シリーズで登場した「自機から分離したものが個別に攻撃を行う」「ボスとの戦いにおいて、ハイリスク&ハイリターンの特殊な倒し方がある」といったシステムは本作でさらに進化している。

  

 

 

本作ではドラゴンに乗った戦士が空中戦を繰り広げるのだが、戦士がドラゴンを撃ち出して分離するのが「ドラゴンシュート」である。ドラゴンは撃ち出された場所に留まって攻撃し、戦士自身は自由に動き回って戦うことができる。「フォーメーションアタック」「スーパーショット」で提唱された、「自機から分離したものが個別に攻撃を行う」システムの系譜にあるのが「ドラゴンシュート」なのだ。

たくさんの敵が襲ってきた際に分離して敵を分担したり、分離したドラゴンが無敵であることを利用し、硬い敵にめり込ませて攻撃するといった活用が可能。

そのいっぽうで、通常状態よりも火力は下がってしまうため、状況に応じての対応が求められる。「ドラゴンシュート」は1ボタンで出すことができ、タメ撃ちだった「フォーメーションアタック」「スーパーショット」よりも素早く使え、加えてリソースの消費もない。分離と合体を、素早く自由に使い分ける面白さがあるわけだ。

また、撃ち出したドラゴンを敵にぶつけると高い火力を発揮するが、射程は短いので、危険を冒して接近しなければならない。「ストライカーズ」シリーズの「震電」に見られたリスク&リターンの考え方も取り入れられており、ある意味彩京2Dシューティングの総決算といえる。

 

 

戦士がドラゴンから離脱する「ドラゴンシュート」

 

「ドラゴンシュート」で飛んでいくドラゴンを直接ぶつければ、大ダメージを与えられる

  

そして「ストライカーズ1999」の「テクニカルボーナス」システムは、本作でも名前こそ同じながらも、その内容は進化を遂げている。ボスと戦っていると、「コア」を露出するため、そこに「ドラゴンシュート」を叩き込めば一発で撃墜できるのだ。「ストライカーズ1999」よりも狙いやすいバランス調整がなされているため、一撃必殺のスリルがより楽しみやすくなっている。

難易度は高めだが、今回の移植版ではコインの心配をしなくていいし、ゲームレベル自体を下げることも可能だ。当時のゲームセンターであえなく散った人が再挑戦するには持ってこいといえるだろう。

 

ボスは戦闘中に「コア」を露出することがある

 

露出した「コア」に「ドラゴンシュート」を叩き込むと「テクニカルボーナス」となって一発撃破&ボーナス点ゲット

 

■「ゼロガンナー2」

3Dグラフィックスを使った、横画面の縦スクロールシューティング。「コマンチ」「アパッチ」「ホーカム」といった戦闘ヘリが自機で、ヘリコプターの特性を表現した「ターンマーカー」システムが面白い。

 

 

 

「ターンマーカー」ボタンを押すと、前方に照準のような「ターンマーカー」が出現し、自機はこれを中心にして360°旋回できる。

この時、機首とショットは「ターンマーカー」のある方向へ向く。つまり、「ターンマーカー」を中心とした旋回移動で360°全周攻撃できるわけだ。「ターンマーカー」の周囲を「かごめかごめ」のように回ると言い換えればわかりやすいだろうか。

最初のうちこそ面食らうかもしれないが、慣れてくるとボスの周囲をぐるぐる回りつつ収集攻撃したり、画面のあちこちから襲いかかる雑魚に対応できるようになる。ヘリコプターならではの機動をゲームに生かしたユニークなシステムといえるだろう。

 

自機前方に浮かぶ、緑色の照準のようなマーカーが「ターンマーカー」。ボタンを押すと出現し、この状態でレバーを左右に入れると「ターンマーカー」を中心としてぐるりと旋回する

 

 

「ターンマーカー」使えば、360°どの方向にも攻撃できる

 

こうしたシステムは突然作られたわけではなく、前作「ゼロガンナー」に存在した「ロックオン」を踏まえてのものであるところにも注目したい。自機に近い敵が自動でロックオンされ、この時にショットボタンを押しつつレバーを左右に入れると、ロックオンした敵を中心に自機が旋回、集中攻撃をかけられるシステムだ。旋回機動と集中攻撃という部分は「ターンマーカー」と似ているものの、「ターンマーカー」は任意に自機の向きを変えられ、ロックオンは自動で行われるという違いが大きい。

ロックオンの場合、ほかの敵を攻撃したくなった際はロックオンを解除しなければならないところに、ハードルの高さがあった。しかし「ターンマーカー」は、機首の向きを変えたい時に自分で操作するものとすることで、ゲームがよりわかりやすくなっているというわけだ。

同時に、横画面で縦スクロールシューティングを作る際の問題も解決できているのが興味深い。横画面にすると、敵がやって来る方向である縦が短く、横は長いため、横移動に間延びが感じられることがある。その点「ターンマーカー」システムだと、機首の向きを自由に変えて、横や斜めにも攻撃できる。「斜め方向に飛ぶショット」ではなく、「自分の操作でショットを斜めに飛ばす」という介入があるため、前述した間延びを感じにくくなっている。

こうした効果がどこまで意図的なものであるかは不明だが、格闘ゲームブーム以降のゲーム筐体が横画面で設置されることが非常に多かった中、シューティングゲームがトレンドに適応していった時代背景を考えると興味深いものがある。

 

 

「ターンマーカー」を駆使すれば、画面全体を使った独特の戦術で戦うことが可能

 

高めの難易度や独特のシステムといったマニアックさ。「戦国エース」「ガンバード」の中村博文氏や、「ソルディバイド」の寺田克也氏、「ドラゴンブレイズ」の緒方剛志氏といった有名イラストレーターの起用。「ストライカーズ」シリーズにおける、プロペラ機VS変形ロボットの戦いを始めとしたインパクトある画面作り。

こうした工夫により、彩京のゲームはいつも固定客を掴んでおり、ゲームセンター文化に寄与してきた。この頃ゲームセンターに通っていた人なら、「ストライカーズ」シリーズを始めとした彩京ゲームが長期稼働していたことを覚えているのではないだろうか。

そうした意味において、彩京のゲームは1990年代から2000年代初期のゲームセンターの雰囲気を今に色濃く伝えてくれるものといえるだろう。当時を懐かしく思う人は、ぜひプレイしてみてほしい。

 

【商品情報】

■彩京シューティングライブラリーVol.1

ジャンル:彩京シューティング

対応機種:PlayStation 4

発売日:発売中(Vol.1 2022年6月30日、Vol.2 2022年7月28日)

通常版価格(Vol.1/Vol.2共通):3,980円(税込)

プレイ人数:1~2人

対応言語:日本語、英語、中国語繁体字、中国語簡体字、韓国語

 

<Vol.1収録タイトル>

ストライカーズ1945

ストライカーズ1945II

ストライカーズ1999

ソルディバイド

ドラゴンブレイズ

ゼロガンナー2-

 

<Vol.2収録タイトル>
戦国エース

戦国ブレード

戦国キャノン

ガンバード

ガンバード2

ガンバリッチ

 

※『彩京 SHOOTING LIBRARY』としてのダウンロード版はございません。

ダウンロード版はタイトルごとにNintendo SwitchとSteamにて配信中のほか、PlayStation 4とXbox Oneにて2022年夏頃より順次配信予定です。

 

プレゼントキャンペーン概要

<賞品>
■PS4版「彩京シューティングライブラリーVol.1」を抽選で1名様にプレゼント!

<応募要項>

・応募期間:2022年8月5日(金)~2022年8月12日(金)23:59
・当選人数:1名様
・当選発表:賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます
・賞品発送:順次発送予定
・応募方法:以下の専用応募フォームにて受付

<注意事項>
・応募には会員登録(無料)が必要です。
・応募はひとり1回に限らせていただきます。
・抽選結果・発送状況に関するお問い合わせには応じられません。
・当選された賞品もしくは権利を第三者に譲渡・転売することを禁じます。
・カカクコムグループ社員、および関係者は参加できません。
・賞品の発送は国内に限らせていただきます。
・梱包には細心の注意を払いますが、万が一運送中の事故により破損等した場合でも、返品・交換等は受け付けられませんので、あらかじめご了承ください。
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