ホビー業界インサイド第8回:日本文化と調和する3Dフィギュアの可能性 ドゥーブスリーディー社長 ジョン P.イーサム、インタビュー!

2016年02月27日 11:000

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アイドルやアニメ・キャラとの競演も可能に……?


──ドゥーブスリーディーは、アメリカ、ドイツ、スペインに多数の支社がありますが、アジアでは日本だけですね。

ジョン ええ、アジアにも営業をかけたいのですが、なかなか時間がとれなくて(笑)。今後の流れとしては、シンガポール、マレーシア、中国、台湾、韓国に進出する可能性が高いと思います。

ドゥーブスリーディーの中での売り上げトップは、ニューヨーク支社なんです。アメリカ人は、自分のフィギュアを作りたがるモチベーションが、かなり高いと感じます。たとえば、アメリカの20代のビジネスマンは、自分のフィギュアを4個作りたがる。ひとつは会社のデスクに置いて、ひとつは自分の母親、ひとつはお婆ちゃん、もうひとつは彼女にプレゼントするためです。

──「自分は、こんなに立派だよ」と自慢したがっているんでしょうか?

ジョン 自慢というより、自分そっくりのフィギュアをプレゼントすると「ええーっ?」と驚いてもらえるので、身内を笑わせるため、コミュニケーションのためですね。アメリカは国土が広いので、「自分はニューヨークで働いているけど、お婆ちゃんはカリフォルニアに住んでいる」ような場合があります。年に2度ぐらいしか会えない相手なら、写真を送るより、3Dフィギュアのほうがよろこんでもらえますよね。

──確かに、海外の3Dフィギュアを見ると、カジュアルな服装が多いですね。

ジョン ええ、夏服と冬服の2種類つくる方も多いです。それと、自分のフィギュアを神社や海辺など、いろいろな場所へ持っていって、写真を撮ることが日本でも流行っています。

──今後、何か日本で新しい展開はありますか?

ジョン 今月20日に、“ドゥーブスリーディー銀座店”を博品館TOY PARK銀座本店の地下にオープンしました。

──銀座に店舗ができると、また客層が広がりそうですが、今後どんな展開が考えられるでしょう?

ジョン 人間だけではなく、車を3Dプリントしたこともあります。もちろん、店内のスキャナーの中に車は入りませんが、同じように人手で写真を撮れば、弊社のソフトで3Dプリントできます。車だけでなく、オモチャのレプリカを作ったり、自分で作成した模型を3Dプリントで複製したり、趣味に生かすこともできます。

また、「スキャン・データだけ欲しい」というお客様もいらっしゃいます。自分をスキャンしたデータは、いわばアバターですよね。そのアバターを、もしアニメーションで動かせたら、ゲームに使えるでしょうし、映像作品にも生かせるんじゃないでしょうか。

それと、アイドルと並んだフィギュアも作れると思います。アイドルにポーズをとってもらってデータを取り、それに合わせてスキャンすれば、アイドル本人が横にいなくても、一緒にいるかのようなフィギュアができますよね。同じように、マンガやアニメのキャラクターと一緒にいるフィギュアも、そのうち作れるかも知れません。まだまだ、未知の可能性を秘めていると思います。



(取材・文/廣田恵介)

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