Andoroid搭載ポータブルゲーミングデバイス「AYANEO Pocket S」レビュー!軽くて持ちやすい形状ながら大型タイトルも遊べる高性能機

2024年07月15日 12:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

2024年7月中旬発売予定の「AYANEO Pocket S」(以下、ポケットS)は、これまで数多くのポータブルゲーミングPCを手がけてきた、AYANEOによる最新機種だ。販売予定のバリエーションは以下のとおり。

AYANEO Pocket S 販売モデル
色は「アイスソウルホワイト」、「オブシディアンブラック」から選択可能
1080P 12GB/128GB:89,800円(税込)
1080P 16GB/512GB;109,800円(税込)
1440P 12GB/128GB:94,800円(税込)※ハイビーム公式限定
1440P 16GB/512GB:114,800円(税込)※ハイビーム公式限定

メモリー、ストレージ、画面ディスプレイの解像度の性能に応じて全4つのモデルが用意されている。これに加えて、別売りで専用保護ケース(5,800円[税込])も購入可能だ。本稿では、これらのモデルのうち「1440P 16GB/512GB」を試遊する機会を得たので、そのレビューをお届けしよう。

WQHDの解像度に6000mAhの大容量バッテリーを備えた約350gの携帯機



「ポケットS」でもっとも印象的なのは、携帯ゲーム機としての用途に特化した本体のスリムぶりだ。幅が213.9mmで高さは85mm、厚さは14mm。携帯可能な家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」を、ひと回り小さくしたようなサイズとなっている。重さは約350gで、両手で持つと重さはあまり感じない。今回の試遊で一時間程度持ち続けても、大した疲れはなかった。背面の突起部分はLT、RTのトリガーボタン周辺くらい。そもそも本体が薄くて軽いこと、サイズも小さいので両手でがっちりつかめることから、グリップ部分の密着感も強い。

 

つぎにボタン配置。本体右側にはA、B、X、Yという4つの押しボタンとジョイスティック、RBボタンとRTボタンのほか、本体設定のカスタマイズ機能を呼び出せるボタンとホームボタンがある。左側にはジョイスティック、十字キー、LB、LTボタンに加えて、メニューボタンとビューボタンが配されている。操作感はSwitchに近く、過去に携帯ゲーム機に触れたことのある人ならすぐになじむだろう。





本体上部には電源ボタンと音量ボタンのほか、起動中のアプリを切り替える際に使う「LC」、ホーム画面へ即座に戻れる「RC」ボタンがある。左側面にはmircoSDのカードスロット、右側面には本体のパフォーマンスのモードを切り替えるためのスライド形式のボタンが内蔵されており、本体下部にはUSB Type-Cの端子がひとつある。

 

microSDを使ってストレージを拡充できる点はありがたい。たび重なるアップデートでサイズが数十GBにのぼることも珍しくない昨今のソーシャルゲームにもばっちり対応できる。本機の内蔵ストレージは最大512GBなので、そちらのモデルを選ぶ分には容量にかなり余裕があり、お世話になる機会はあまりなさそうだが、128GBのモデルを購入する予定の人にはかなり重要な仕様と言える。

 

画面のサイズは6インチで、解像度はWQHDの2560×1440。リフレッシュレートは最大で60Hzだ。各種動作を処理するCPUや、グラフィックの描写性能を司るGPUといった主要機器を集約させたチップであるSoCには、ハイエンドのスマートフォン向けに供給されている「Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2」を採用。おかげで後述の検証では、話題の大型タイトルも難なく動かすことができた。

 





注意したいのは充電関連。付属パーツはUSB Type-Cのコードのみで、アダプターはない。同様の規格のコードを直接挿して充電できる環境がない場合は、対応するアダプターを個別に用意しておこう。余談だが、PS5のディスク挿入口側にあるType-C端子を使って「ポケットS」本体を接続すれば、アダプターなしでも充電は可能だ。ただし、この方法はあくまでも筆者が個人的に試したものなので、もし実践する場合は自己責任でお願いしたい。

 

AYASpaceと仮想ボタン機能でゲームに合わせたセッティングが可能



AYANEOの機器ではおなじみの機能として「AYASpace」がある。本体右側下部にある専用ボタンを押すと、画面右に「Performance」や「Controller」といった全5種の項目が現れ、細かな設定ができる。このうちのPerformanceでは、フレームレートの出力数に始まり、CPUとGPUの使用率や温度、冷却ファンの1分あたりの回転数などをリアルタイムで確認可能だ。

 

Performance内にある「Performance Mode」では「Saving」、「Balance」、「Game」、「Max」の4モードが用意されており、記載した順番に本体の出力可能な性能の上限が段階的に上がる。Performanceで本体のパフォーマンスを確認しつつ、タイトルごとの負荷も考慮してこれらのモードを使い分けるのがオススメだが、今回触れたうえでの感想としては、大型タイトルであってもGameで十分動かすことができた。よほど負荷の強いタイトルを遊ばない限り、MAXを選ぶ必要はなさそうに思える。



AYASpeceでもうひとつ便利なのが、仮想ボタン機能。Controllerの項目にある「Key Mapping」をオンにすると表示される「Go to configuration」をタップすると、画面上部に専用のバーが出てくる。ここで「Add Mapping Point」を選ぶと、用意された各種ボタンを、画面上に自由に仮想で配置することが可能。配置された仮想ボタンの場所に対し、ボタン入力がタップ操作として反映されるので、「ポケットS」の内蔵コントローラーに対応していないタイトルでも、間接的にボタン操作が可能になるというわけだ。ちなみに、仮想ボタンの設定はタイトルごとに自動で保存されるため、切り替えるたびにいちいち配置し直す必要がない点もうれしい。

3つの大型タイトルを遊んでパフォーマンスを確認



今回レビューでプレイしたのは「原神」、「崩壊:スターレイル」、「鳴潮」の3タイトル。このうち、「崩壊:スターレイル」が「ポケットS」のボタン操作に対応している。未対応のタイトルもそれなりに多いと思われるため、Add Mapping Pointを利用した仮想ボタン機能は、ぜひとも覚えておきたい。


ここからは、「ポケットS」で「原神」、「崩壊:スターレイル」、「鳴潮」の3タイトルをGameモードでプレイしたうえでのパフォーマンスや所感をお届けしよう。



「原神」は、中国のゲームメーカー・miHoYoが手がけるオープンワールドのアクションゲーム。離れ離れになった兄妹の行方を追って、プレイヤーはテイワットという広大な世界を冒険する。

 

画質設定を最高にし、さらにフレームレートを60にしてプレイ。敵とのバトルや各地の探索などをひととおりこなしてみたが、フレームレートは58~60で推移しており、処理落ちは皆無。複数の敵とのバトル中に派手な技を使ったりすると、フレームレートが50前後まで落ちることはあったが、動作は安定しているので気にならなかった。



つぎに試したのは「崩壊:スターレイル」。「星穹列車」の一員となった主人公が、宇宙に広がるさまざまな星を旅するRPGだ。画質設定を最高にしつつ、フレームレートを60に上げて試したところ、50~60で推移していたほか、バトルや探索でも動作は終始安定していた。バトルスピードを上げても問題ない。

 

さらに、本作は今回取り上げたタイトルのなかでで唯一「ポケットS」のコントローラー操作に対応していた。ただし本機能を使うには、まず一度起動した後、オプション画面の「操作モードの切り替え」から「コントローラーモード」を選んで再起動する必要がある。手間ではあるが、内臓のコントローラーで直感的に操作できる点は大きいので、なるべく利用しておきたい。



最後に試したのは「鳴潮」。広大な世界を舞台にしたオープンワールド系のアクションゲームで、「悲鳴」と呼ばれる災害によって一度は崩壊するも、後に復興した世界を舞台に、主人公は失った記憶を求めて各地を旅していく。

 

グラフィックプリセットと解像度を高にし、フレームレートを60にしてプレイ。結果、フレームレートは50~60で推移、処理落ちとも無縁で動作は快適だ。「原神」と同じくオープンワールドであることから、負荷もそれなりに高いはずではあるものの、こちらも問題なく遊ぶことができた。

 

軽量かつスリムな本体に、処理能力の高いSoCのおかげで大型のソーシャルゲームの負荷にも耐えうる性能の高さもあり、「ポケットS」は利便性とハイスペックを両立している。場所を選ばず負荷の高いソーシャルゲームを遊びたい人には、自信を持ってオススメできる商品だ。

 

■「AYANEO Pocket S」の主要スペック

OS Android 13
SoC Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2 Gaming Platform
メモリー 12GB/16GB
ストレージ 128GB/512GB
ディスプレイ ・2560×1440/490 PPI/120% sRGB色域ボリューム
本体寸法 213.9mm×85mm×14mm
本体重量 約350g
価格 ・1080P 12GB/128GB:89,800円(税込)
・1080P 16GB/512GB;109,800円(税込)
・1440P 12GB/128GB:94,800円(税込)※ハイビーム公式限定
・1440P 16GB/512GB:114,800円(税込)※ハイビーム公式限定
夏無内好

夏無内好

活動歴約10年のフリーライター。専門学校を出た後、大手のゲーム雑誌の記事作成や編集プロダクションの攻略本作成などを経験。週刊誌での長期連載やプレスリリースのリライトも経て、最近はアキバ総研などのウェブ系でも執筆を始める。 基本的に雑食で、RPGからアクション、シミュレーションやFPSまでなんでもやる。

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