高性能のポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER X1」をレビュー!約11インチの大画面と2.5Kの超高画質でゲームが楽しめる

2024年03月30日 12:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

2024年3月30日に発売予定の「ONEXPLAYER X1(ワンエックスプレイヤー エックスワン)。本機は携帯型のゲーミングPC「ONEXPLAYER」シリーズの最新型に当たり、ノートPC(ラップトップ)、タブレット、ポータブルゲーミングPCという3つの形態に変化する、マルチ端末だ。OSには、Windows 11を採用しており、Windows対応のPCゲームなどをプレイすることができる。

発売されるモデルは以下のとおり(いずれも本体のみの価格)。

 

●インテル Core Ultra 5 125H モデル

・メモリー:16GB/ストレージ:1TB……151,200円(税込)

●インテル Core Ultra 7 155Hモデル

・メモリー:32GB/ストレージ:1TB……187,200円(税込)

・メモリー:32GB/ストレージ:2TB……196,200円(税込)

・メモリー:64GB/ストレージ:4TB……241,200円(税込)

 

今回は本製品の発売に先駆けて、「インテル Core Ultra 5 135H」のメモリー32GB/ストレージ1TBを用いた先行レビューをお届けしよう。

レビューしたのは、発売予定のモデルとは仕様が一部異なる試用モデルだが、外観や機能の特徴のほか、実際にいくつかのゲームを遊んだうえでのフレームレートの推移などもあわせて解説していきたい。

 

10.95インチの大画面と2.5K画質を実現した驚異のスペック

 

 

上述の通り、本機は、3つの異なる形態で利用できる3in1モデルだが、基本となるのは、単体でもタブレットとして使える本体部ということになる。搭載する液晶画面のサイズは10.95インチで、解像度は2.5K画質の2560×1600、画面比率は16:10で、リフレッシュレートは倍速の120Hzとなっている。なかでも画面サイズのインパクトは大きい。アキバ総研が過去にレビューした各ポータブルゲーミングPCと比べても、その差は歴然(「AYANEO KUN」が8.4インチで、「Steam Deck」が7インチ)。本機の画面サイズは、ポータブルゲーミングPCとしては最大級と言ってもよさそうだ。

 

基本スペックだが、プロセッサーには、上述の通り、インテルの最新プロセッサーである「インテル Core Ultra 5 125H」あるいは「インテル Core Ultra 7 155H」を搭載。このプロセッサーは、昨年暮れに登場したばかりの最新アーキテクチャーを用いたもので、各種の処理性能が格段にアップしている。グラフィック処理にはCPU内蔵の「インテル Arc graphics」を使用するが、最大クロックは2.25GHzにも達する高性能なもので、ゲームプレイにも十分な性能を発揮する。メモリーは高速なLPDDR5xを使用し、容量はモデルによって、16GB/32GB/64GBが用意される。また、ストレージには、NVMe対応のM.2接続のSSDを採用。モデルによって、1TB/2TB/4TBの容量が確保されている。

 

続いてインターフェイス部分を見てみよう。まず左右には、別売りのコントローラーを接続するためのコネクターがあり、本体を挟み込みように接続することで、ポータブルゲーミングPCとして利用できる。このほか、右側面にはmicroSDカードを挿入するためのスロットと、USB 3.2 Typer-Aポートが、左側面には、2つのUSB4ポートが用意される。また上部には、電源とボリューム調整用のボタンのほか、外部映像出力用のOCuLink(PCI Express)ポートと、3.5mmのイヤホンジャック、機器の性能を変えるための「Turbo」ボタンが搭載されている。Turboボタンについては後ほど説明する。

 

タブレットとなる本体のサイズは、幅が252mm、高さ163mm、厚さは13mmで、重さは約789g。片手で持った際の重量感はそれなりにある。なお、バッテリーの容量は16890mAhで、駆動時間は、ゲームを遊ぶ場合は約2時間、ゲーム以外の用途(WordやExcelなどを使った作業務時)だと約8時間で、ビデオ再生時は約11時間とのことだ。

 

 

別売りのパーツとしては、上述した、本体の左右に取り付けるコントローラーと、下部に装着するマグネット式キーボードのほか、収納ケース、液晶保護フィルムがあり、これらのセットが9,680円(税込)で販売されている。3つのモードに変形させて楽しめるのが本機の特徴だが、ポータブルゲーミングPCモード、ノートPC(ラップトップ)モードを利用するには、約1万円分の周辺機器が別途必要になる点は注意しておきたい。

ポータブルゲーミングPC、タブレット、ノートPC、3つのモードを試してみた

 

 

さっそく、本機が変形する各モードについて、ひと通り試してみた。

タブレットモードは、本体のみをWindowsタブレットとして利用するモードで、ゲームプレイにはあまり適したモードではない。上記でも述べたように本体だけで約789gの重みがあるので、タブレットとして考えれば結構重い。ただし、標準で同梱されている専用ブラケットを背面に取り付ければ、机の上などにタブレットを置くことが可能となり、さらに最大135度までタブレットを傾けられる。この状態であれば、動画視聴などを楽に行うことができるだろう。なお、別売のオプションとして4096段階の筆圧に対応したスタイラスペン(8,800円)も用意されているので、タブレットとしてペン入力も行うことができる。


専用ブラケット


ポータブルゲーミングPCモードでは、本体の左右にコントローラーを取り付ける。タブレットと外付けコントローラーを組み合わせた状態での見た目は、「Nintendo Switch」に似ており、使用感もほぼそん色がない。ただし、本機の場合、本体の約789gにコントローラーの約125gが加わり、総重量は914gになる。1kgに迫る重量物を、支えもなしに長時間持ち続けるのは正直辛かった。ポータブルゲーミングPCモードで本機を使うなら、肘をついて使うか、うつ伏せの状態で遊ぶほうが個人的にはオススメだ。

 

外付けコントローラーを見てみよう。右部分にはスティックとA、B、X、Yの4つのボタンのほか、RBとRTボタンが配置され、左部分にはスティックと十字キー、LBとLTボタンが配置される。

また、両方のコントローラーとも背面にひとつずつ拡張ボタンが用意されており、操作方法やボタン配置を換える場合はそれなりに融通が利く。

RTとLTのいわゆるトリガー系のボタンは深く押し込めるので、力加減で入力する強さを細かく変えることも可能だ。FPSを始めとしたトリガーボタンを多用するジャンルの作品とも相性はよさそうだった。

 

 

続いてノートPCモードについて見てみよう。

このモードで使用する場合、上述の通り、本体のタブレット部分を支えるブラケットと、別売りのキーボードを組み合わせて使用することになるわけだが、その使用感は良好。約11インチの大画面に2.5Kの解像度を持つディスプレイと、最新の「インテル Core Ultra 5 125H プロセッサー」に16GB以上のメモリーのおかげで、画面は見やすくグラフィックも美麗。複数のブラウザーを立ち上げようが動画サイトで動画を見ようが、処理落ちとはほぼ無縁だった。本体の右側面にあるUSB 3.2ポートを使えば外付けコントローラーやマウスも接続でき、さらにBluetoothの無線マウスも使えるため、通常のノートPCと同じ感覚で動かせる。

 

さらに「ONEXPLAYER X1」には「Turbo」という機能がある。起動ボタンは本体上部の右側に備え付けられており、これを押すと本体の性能を自由に確認・設定可能。画面の解像度から冷却ファンの回転数、バイブレーション機能の強弱のほか、画面の明るさや、音量の大きさも変えられる。主要な設定が集約されているうえ、Turboボタンを1回押すだけで画面を呼び出せるのはありがたい。

 

 

なかでも「性能」の項目は、ゲームプレイに大きな影響を及ぼす。CPUが消費する電力に関する項目で、6W~35Wまで1W刻みで変えられる。同じゲームをまったく同じゲーム内設定で遊ぶにも、6Wではフレームレートが極端に落ちて10FPS前後になったりするのに対し、35Wまで上げると60FPS近く出たりする。こちらについては、いくつかのタイトルをプレイしたうえでの所感と合わせて以降で説明したい。

処理が重い大型タイトルでも2.5K画質でのプレイは可能 

 

 

ここからは、本機を使って「エーペックスレジェンズ」、「エルデンリング」、「ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード」をプレイしたうえでの所感をお届けしよう。

 

まず試したのは「エーペックスレジェンズ」。3人1組の20チームがひとつのフィールドに降り立ち、最後の1組になるまで戦うというバトルロワイアル系のFPSだ。

■エーペックスレジェンズ:推奨環境

OS: 64-bit Windows 10

プロセッサー: Ryzen 5 CPU or Equivalent

メモリー: 8 GB RAM

グラフィック: AMD Radeon R9 290, NVIDIA GeForce GTX 970


はじめは、初期設定の解像度が2560×1600になっていたため負荷が高かったのか、プレイ中のフレームレートは30FPS前後で推移していた。これでもプレイするには問題ない数値だが、「エーペックスレジェンズ」は対人戦がメインのゲームであることを踏まえると、画面内の描写をより鮮明にするためにも60FPS前後は欲しいところ。そこで、Turboの設定で消費電力をそれまで設定していた17Wから35Wまで引き上げると、フレームレートは平均40FPSほどまで向上した。

 

この消費電力35Wの状態で、画質を1980×1020まで落とすと、フレームレートは60FPS前後を維持できた。2.5Kにこだわる場合を除いて、「エーペックスレジェンズ」を本機で遊ぶ場合はフルHD以下に画質の設定を下げたほうがよさそうだ。

 

このように、自分の好みのチューニングがしやすいのは本機の魅力と言える。

 

 

次は「エルデンリング」。全世界の累計出荷数が2000万本を超えるメガヒットとなったゲームで、プレイヤーはエルデの王になるべく、狭間の地と呼ばれる広大な世界を旅していく。

■エルデンリング:推奨環境

OS: Windows 10/11

プロセッサー: INTEL CORE I7-8700K or AMD RYZEN 5 3600X

メモリ: 16 GB RAM

グラフィック: NVIDIA GEFORCE GTX 1070 8 GB or AMD RADEON RX VEGA 56 8 GB



2.5Kの解像度である2560×1600はそのままに、ゲーム内設定を「最高」にして試したところ、フレームレートは20FPS前後で推移。設定を「高」に落とすと、30FPS前後まで改善した。なお、設定を「最高」に戻して、解像度を1920×1200で試したところ(1920×1020では画面が縦に引き伸ばされてしまうため、こちらに設定)、フレームレートは30FPS前後に。なおこれらの数値は、CPUの消費電力を17Wに設定した場合だ。

 

そこで、「エーペックスレジェンズ」のときと同様、Turboで消費電力を変更。17Wと35Wでそれぞれ2.5Kと1920×1200の状態でプレイした場合のフレームレートの違いを確認したが、どちらも17Wのときと比べ、35Wのほうが数値は5~8FPSほど伸びた。

 

少なくとも今回の結果を見ると、「エルデンリング」を本機で遊ぶ際は、「解像度2560×1600+高」設定か、「解像度1920×1200+最高」設定のいずれかになるだろう。私見だが、最高設定と高設定の差は微々たるものなので、設定を「高」に落とす代わりに画質を2.5Kにするのを個人的にはオススメしたい。

 

 

最後のタイトルは「ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード」。2020年に発売された「ファイナルファンタジーVII リメイク」に追加要素を収録したタイトルで、原作でも登場したユフィ・キサラギを主人公に据えたエピソードが楽しめる。

■ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード:推奨環境

OS: Windows 10 64-bit (バージョン2004以降)

プロセッサー: AMD Ryzen 3 3100 / Intel Core i7-3770

メモリ: 12 GB RAM

グラフィック: AMD Radeon RX 5700 / NVIDIA GeForce GTX 1080 / 8GB VRAM 以上

 

 

このゲームでは2560×1600の解像度が選べなかったため、画面設定は2560×1440に。シャドウとテクスチャの設定は「高」でプレイした。この状態ではフレームレートは30~40FPSほどで推移しており、このままでも十分遊べる。シャドウとテクスチャのうちどちらかを「低」に下げると、数値は45~60FPSほどまで上昇した。

 

さらにTurboで消費電力を17Wから35Wまで引き上げると、各種設定は「高」のままでもフレームレートは40FPS以上まで上昇。さらにフルHD画質である1920×1080にグラフィック設定を下げると、数値は50~60FPSで推移した。

 

ちなみに、17Wで各タイトルをプレイしている間のバッテリーの持ちは2時間前後であり、カタログスペックとほぼ一致していた。

 

 

というわけで、注目のポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER X1」をレビューしてきたが、携帯するならタブレットモード、外出先などで使う際はポータブルゲーミングPCモード、机で向かい合うならノートPCモードといった具合に、場所や状況によって使い分けられる利便性が最大の魅力と言える。

また、約11インチの画面と2.5Kの解像度を実現したディスプレイや、最新のプロセッサー「インテル Core Ultra」を搭載する基本性能も申し分なく、高画質を維持したままマシンパワーを要するタイトルを遊べるのも大きな魅力。価格は、もっとも安いモデルでも、オプション込みで16万円以上するが、内容を考えれば割安とも思える。諸々の検証結果は一例に過ぎないが、本製品を購入する際の参考になれば幸いだ。


ONEXPLAYER X1 の主要スペック

インテル Core Ultra 5 125H モデル

OS

Windows 11

プロセッサー

インテル Core Ultra 5 processor 125H 14コア/18スレッド

グラフィック

インテル Arc graphics 2.2 Ghz

メモリ

16GB

ストレージ 1TB
ディスプレイ

10.95インチ/LTPS液晶/10点マルチタッチ対応

解像度 2560×1600/画面比率:16:10/明るさ:470-630nits/リフレッシュレート:120Hz
標準輝度

540nit/色域:DPI-3 100%/sRGB 138%

画面サイズ 10.95
解像度

2560×1600

本体寸法

約252×163×13mm(本体のみ)

本体重量 約789g
価格

151,200円(税込)

インテル Core Ultra 7 155H モデル

OS

Windows 11

プロセッサー

 インテル Core Ultra 7 processor 155H 14コア/18スレッド

グラフィック

 インテル Arc graphics 2.25 Ghz

メモリ

 32GB/64GB

ストレージ

1TB/2TB/4TB

ディスプレイ

10.95インチ/LTPS液晶/10点マルチタッチ対応

標準輝度

540nit/色域:DPI-3 100%/sRGB 138%

解像度 2560×1600/画面比率:16:10/明るさ:470-630nits/リフレッシュレート:120Hz
画面サイズ 10.95
本体寸法

約252×163×13mm(本体のみ)

本体重量

約789g

価格

・ メモリ:32GB+ストレージ:1TB……187,200円(税込)

・メモリ:64GB+ストレージ:2TB……196,200円(税込)

・メモリ:64GB+ストレージ:4TB……241,200円(税込)

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