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組み立てはオーソドックスに、手足と頭を別々に組んでから、胴体にはめ込む……胴体パーツで手足を前後から「挟み込む」と、箱型の四角すぎる胴体になりやすいのが80年代ロボットプラモの罠。しかし、このザカールの場合、胴体を組んだ後に手足を「はめ込む」方式だ。少なくとも、箱みたいなロボにはならないだろう(多分)。まずは、腕から見ていこう。
▲ 腕は上腕パーツを肩ブロックと前腕ブロックで挟みこむことで、肩とヒジが可動する。特筆すべきは、左腕のクロー(“ホーン・オン・アーム”という名前だそうです)が別パーツで、可動すること。アクションポーズに生かせそう?
▲ 腕の組み立ては、あんまり面白くなかった。でも足首はどうだ! 正面から見ると、足首全体が中央に向けて傾斜してるんだよ! この造形によって、足を左右に広げて、しっかり地面を踏みしめたポージングになる(はず)!
▲ 足首と、フトモモをスネのパーツで左右から挟む。すると、ヒザと足首は前後に軸可動するわけだ。先ほど書いたように足首は内側に傾斜した造形なので、まるで斜めに曲がるように見える
股を開いても足裏が確実に接地するように、足首自体を左右に振る可動軸は、1981年12月発売の「機動戦士ガンダム」シリーズの1/100グフ、1/60ドムあたりから採用されはじめた。1/144では単軸可動のままだったが、足全体を傾斜させた造形は、後期MSV(1984年9月発売のジョニー・ライデン少佐用ゲルググなど)にも見られる。
つまり、可動のためにパーツを割くほどの余裕がない場合、足全体を左右に踏ん張って素立ちしたポーズ優先にする、なかば固定モデルとして割り切る志向が1984~85年ごろのバンダイに発生していたのは確かと言える。
▲ ランナー状態から「チマチマした細かいパーツが4つもあるけど何だろう?」と怪訝に思っていたのだが、足側面の小さなバーニアノズルが、すべて別パーツになっていた! ノズル類が別パーツだと、精密感が段違いだ
▲ そして、股の関節パーツに左右の足を差し込む。股パーツは傾斜がかかっており、左右の爪先が少しだけ外側へ開く。設定画で多く見かける素立ちポーズをいかにカッコよくするか……に、注意が向けられていたことがわかる