「THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GLOOVE☆2nd SEASON」萩原雪歩主演公演レポート! まだ見ぬあなたに/現実を拡張する最後のピースの在り処

2018年09月18日 16:280
「THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GLOOVE☆2nd SEASON」萩原雪歩主演公演レポート! まだ見ぬあなたに/現実を拡張する最後のピースの在り処

「アイドルマスター」の“ライブ”イベント「THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GLOOVE☆2nd SEASON」が2018年9月15日、横浜・DMM VR THEATERにてスタートした(開催は10月8日まで、土曜・日曜・月曜中心に1日3公演)。

「アイドルマスター」(アイマス)である。「シンデレラガールズ」も「ミリオンライブ!」も「SideM」も「シャイニーカラーズ」もつかない。2005年の夏にアーケードゲームとして正式稼動し、たくさんのゲームを今に至るまでリリースし続け、2011年にTVアニメ「THE IDOLM@STER」が放送され、2014年に劇場版「THE IDOLM@STER 輝きの向こう側へ」が放送された、元祖・765プロのアイドルたち。そんな「アイドルマスター」は、13年たった今もアーケード版からほとんどの声優キャストが変わらず、今もコンテンツやライブを展開し続けている。

 

アイマスといえば「デレステ(アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ)」や「ミリシタ(アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ)」というイメージを持つ人も多いと思う。アイドルといえば別の作品をイメージする人もいるだろう。そういう人は自分が今、応援している、プロデュースしているアイドルが「13周年」を迎えた時のことを想像してみてほしい。嬉しかったり、誇らしく思ったり、ちょっと心配だったり、いろいろな感情が浮かばないだろうか。このイベントは「アイドルマスター」というプロジェクトが、“アイドルと一緒に歩み続ける”ということを心の底から真剣に考え、向かい合ってきた先に生まれた実験的で、これからにつながるイベントなのだと個人的に考えている。

 

会場に集う歴戦のプロデューサー(アイドルマスターのファンたちの通称)たちの、嬉しさと、それ以外のいろいろな感情がないまぜになった気持ちを、なんとなく想像してもらえただろうか。であれば、今もっともホットで素敵なエンターテインメントの話をしよう。今横浜の地で生まれ育っているこの劇場コンテンツは、アイドルの歴史を変えるかもしれない可能性を持っている。

 

 

「THE IDOLM@STER MR ST@GE!!」に興味がある人たちへ。

「MR ST@GE!!」のMRとは、Mixed Reality=複合現実を指す。よく似た単語であるVRとはVirtual Reality=仮想現実であり、CGで作り出した人物や世界を視覚を通して疑似体験する技術だ。最近スマホアプリ「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」の「デレステAR」が大人気の「AR」はといえばAugmented Reality=拡張現実で、スマホなどの画面を通して、現実世界に仮想存在を重ね合わせる技術となる。

 

「MR ST@GE!!」のベースになっているのは、VR技術の発展形のひとつであるホログラム投影装置だ。ステージ上の透過性が極めて高いスクリーンにアイドルを映し出すことで、ヘッドマウントディスプレイなどを用いなくても肉眼で(もちろん眼鏡越しでも)ライブを疑似体験することができる。そこではアイマスが今まで培ってきた技術の粋を凝らして、まるでステージの上に本当に765プロのアイドルが存在するようなライブが展開される。アイドルたちの足元にはスモークが流れ、彼女たちを照らし出す照明や生身のダンサーたち(!)、何より会場でサイリウムを振るファン(プロデューサー)は本物だ。アイドルたちは照明を浴びると髪の色合いや明度を変え、足元には影が落ちる。

 

デジカメで撮影した2Dの画像からはなかなか伝わりきらない、彼女たちの「実在感」を示す話がある。

若干、主観的な立体感が落ち、平面的に感じられる会場最後方からこのステージを初めて撮影するライターや編集は、まず間違いなく苦戦する。位相差AF中心のデジタル一眼カメラで「彼女たち」を撮影しようとしても、オートフォーカスが全く食いつかない。気の利いたカメラほど、奥の壁やプロデューサーが振るサイリウムに食いついたりする。最近の一眼カメラの背面液晶やミラーレスのコントラストAFはといえば、明暗差の激しい真っ暗な会場の撮影は鬼門オブ鬼門だ。適切な撮影方法、もしくは機材を選ばないとピンボケ写真を量産するハメになり、首をひねってカメラを再び覗きこむことになる。カメラに任せる場合、基本的に、センサーサイズが小さいカメラほど打率はよくなるはずだ。

 

だが、重要なのはそういった撮影テクニックではない。VRシアターの環境でカメラマンは、特に意識しないとステージ上のアイドルにカメラのピントを合わせようとしてしまう、という事実そのものがポイントだ。ホログラフィックで投影され、空間上に結像した「アイドル」を、カメラ越しにも「そこにいる」かのように、感じてしまう。優れた映像技術と、ステージ上にいるアイドルを「本物」だと信じるファン(プロデューサー)によって構成される空間には、何かの魔法がかかっている。

 

ステージの上を見てみよう。

9月15日の主演アイドルは「萩原雪歩(CV:浅倉杏美)」。主演アイドルはソロ曲の披露とMCコーナーがある。MCコーナーでは雪歩が今日の天気が雨であることを話し始め、◯◯◯系と×××系とどちらの演技がいいか、ラストの曲の衣装はどちらがいいか、といった感じに問いかける。第2部で今の天気は「雨だよ!」と客席が答えた時、雪歩が少し困った間があった気がしたのは、開演直前には雨がほぼ止んだことを彼女が知っていたから……と思ったのだが、どうだろうか。プロデューサーの言葉を大事に対応しようとするのが雪歩のいいところだと思う。

 

初演の「THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GLOOVE☆」(2018年4月~5月に開催)では、会場からあがる大喜利的なコールをステージ上のアイドルが瞬発力で拾って応えていく感じがより強かった。今回の「2nd SEASON」ではアイドルが会場に問いかける際、ステージサイドのスクリーンで座席抽選会が行なわれ、ステージ上の雪歩がその座席に座るプロデューサーを指名して選択肢を選んでもらうといった趣向だ。王子様の演技に自身で納得がいかない雪歩に、会場が「かわいい王子様もいいよ!」とはげましたりもする。応援上映のような感じだが、その応援に対してステージ上の雪歩が喜んだり、喜んでいいのか悩んで落ち込んだりする。そうするうちに、何が現実で何がバーチャルなのかが融解してよくわからなくなってくる。その空間の「体感」こそが「「MR(=Mixed Reality)」ST@GE!!」の本質だと思う。ちょっとでも興味があったり、好きなアイドルの回を選ぶのがおすすめだ。

 

しかし、その感覚を抜きにしても、「アイドルマスター」が13年以上磨き上げてきた中から寄りすぐられた楽曲の数々を、最大5人のスラリとした等身大765アイドルが歌う姿は本当に楽しく、美しく、素晴らしい。実際のところ、全部の曲を網羅しているプロデューサーばかりでもないはずだ。初期の個性が強い曲、アニメの物語とメジャー感がある曲、最新のアイドルたちが歌う洗練された曲。きっと気に入る曲があるはずだし、「1時間」という短くも思える尺の中で、だからこそ見せられる、リアルのライブではなかなか実現できないオリジナルなセットリストを楽しめるはずだ。765プロは、新たなプロデューサーをいつでも求めている。

 

 

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(C) NBGI/PROJECT iM@S

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