YOU44さんの評価レビュー

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陽菜とグレタ

観賞手段:ビデオ/DVD
雨の日は好きだ。
外出しない言い訳ができるし、
気分も落ち着く。
何よりあの湿った空気が清々しい。
だから雨の描写が多いこの作品は
生理的にも好きだ。
勿論そうは言ってもやはり晴れもいい。
ポカポカ陽気や秋の澄んだ青空も
捨てがたい。
それにしても空の描写が美しい。
雨も晴れもあって、贅沢に嬉しい

主人公が家出して
上京した時のシーンが印象深い。
「東京はこわい」としきりに言う。
歌舞伎町の猥雑な感じが出てる。
特に好きなのは
圭介のプロダクションを訪ねた場面。
雑然とした部屋のソファに夏美が居眠りしてる。
田舎から上京した若者が
東京の街で感じる初めての空気。
夏目漱石の『三四郎』にもつながる。
無頼な感じは
『俺たちの旅』『傷だらけの天使』『探偵物語』。
昭和の頃から変わらない。
映画『ロング・グッドバイ』にもある。
いかがわしくてズルくて怪しい。
自由で余地があり色気もある。
都会の街の匂い立つ空気だ

昔ミスチルの歌を聴いていて思った。
「これは深い」って。
同じことを映画『君の名は。』でも思った。
今回も同じことを思った。
一番人気が深い内容。日本人ってすごい

東日本大震災のとき「諸行無常」を思った。
今回のコロナ禍では「世界の終わり」。
それと地球温暖化、異常気象。
それらがみんな入ってる。
温暖化で大人たちに警告を発している
スェーデンのグレタさん。
その映画だと思っている。
「私は今、この壇上にいるべきではありません。
私は海の向こうで学校に行っているべきです」
国連で彼女はそう語った。
それに答えたのだと思う。
プライベートを大事にしなさい。
あとは大人(パブリック)がやるから。
個人の領域を超えているのだ。
世界が取り組むべき問題なのだ。
個人の犠牲に頼らない、
グローバルな公共意識の
必要性という点で、画期的だと思う

水没が当たり前になった東京は、
コロナ後の逆戻りできない「新しい日常」を
暗示しているようだ
YOU44
YOU44
ストーリー
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作画
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キャラクター
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音楽
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オリジナリティ
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演出
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声優
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満足度 4.0
いいね(0) 2020-10-10 04:52:48

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