にゅまさんさんの評価レビュー

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B級バイオレンスのふりをした、小林脚本らしい親子愛物語

観賞手段:テレビ
本作の原点はトップ・カウ・プロダクション社のいわゆるアメコミ作品であるが、メインアイテムである「太古より伝わる適合女性に共生融合する生体装甲兼武器」=ウィッチブレイドの設定のみ借用したスピンオフ作品で、舞台も登場人物も日本国内になっている。

 設定故に女性同士が戦うバトル物であり、アメコミ由来の敵味方双方に肉感的なプロポーションを誇る女性達が、露出度の高い生体装甲姿を見せる訳だが、しかし単なる猥雑なお色気バトル物と大きく異なるのは、1つはウィッチブレイド自体が強さを引き出す代償に装着者の精神と肉体を蝕み、そして一度装着すると決して外せず、最終的に装着者の結晶崩壊を招く事。更にもう1つは、主人公の天羽雅音を6歳の娘を抱えた母親と設定し、親子の絆を物語の軸に据えた事。

 正に諸刃の剣の力を偶然手にし、娘との生活を守るために襲い来る敵と戦い続ける、アニメよりも特撮ヒーロー物に近いこの物語のシリーズ構成を務めるのは、「仮面ライダー龍騎」「侍戦隊シンケンジャー」等で日本特撮界に実績を築く脚本家・小林靖子である。迫り来る悲劇の予兆の中で、最後の最後まで娘のために戦い抜く姿を丁寧な筆致で見事に描き切っている。

 また、それまでは静かな少女役が主だった能登麻美子が、20代半ばのシングルマザーである雅音役を熱演。豪快かつ奔放でいて情が深く、ウィッチブレイド着装時には獣の如き荒々しさを演じ、演技力の幅のあるところを知らしめた。
 他にも娘の梨穂子役の神田朱未をはじめ、小山力也、中多和宏、小川真司と言ったベテラン勢が脇を固めている。

 前半OPはサイキックラバーが戦隊主題歌とは趣を変えた短調の疾走感溢れるリズムでハードかつ寂しげなサウンドを魅せ、EDは能登麻美子が暖かみのある歌をウィスパーボイスを生かして歌い上げる。
 後半OPのファンキーなノリは作品イメージとは微妙であったが、それだけに最終回のOPが前期主題歌だった時の感激は忘れがたい。

 運命を運命として受け入れつつも、その中で誰かに残せる物、伝えられる物を託す為に前向きに全力を尽くし続ける者達を描くのが小林脚本の真骨頂と自分は思っているが、本作は正にその通りの物語である。
にゅまさん
にゅまさん
ストーリー
4.0
作画
3.5
キャラクター
4.0
音楽
4.0
オリジナリティ
3.5
演出
4.0
声優
5.0
4.0
満足度 4.5
いいね(0) 2015-05-01 00:05:51

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