【本日発売】「龍が如く7外伝 名を消した男」プレイレビュー  伝説の極道・桐生一馬の新たな生き様とは?もうひとつの「龍が如く7」が明かされる!

2023年11月09日 12:110

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2023年11月9日に、Xbox Game Pass/Xbox Series X|S/Xbox One/Windows/PS5/PS4/ Steam向けに「龍が如く7外伝 名を消した男」が発売される。本作は、2020年に発売された「龍が如く7 光と闇の行方」(以下、龍が如く7)の外伝であり、シリーズではおなじみの主人公、桐生一馬の物語が描かれる。

今回は、本作の序盤を遊んだうえでのプレイインプレッションをお届け。桐生一馬の物語を始め、「応龍」と「エージェント」という2つのバトルスタイルを駆使した彼のバトルや、舞台となる街に点在するプレイスポットなどを解説していく。

死を偽装した桐生一馬は、大道寺一派のエージェントとして裏世界の住人に



本作では、「龍が如く6 命の詩。」から「龍が如く7」までのあいだ、桐生一馬がどこでなにをしていたのかが描かれる。かつて伝説の元極道とうたわれていた彼は、「龍が如く6」での一件でみずからの死を偽装して大切な人たちを守るいっぽう、大道寺一派と呼ばれる組織のエージェントとして「浄龍」という名を与えられ、人知れず汚れ仕事を請け負っていた。



関東最大の極道組織・東城会の重要人物として描かれることの多かった桐生だが、偽装とはいえ死んだとなってはそれまでの経歴も関係ない、ゼロからのスタートと言える。黒いスーツやサングラスという彼の装いは、かっこいいと言うよりも、世間から目から逃れるための隠れ蓑のようで、「堂島の龍」と言われたかつての姿も相まっていっそう寂しげに見えてくる。



物語は序盤から目まぐるしく動く。大道寺一派のエージェントとして働き、陰で静かに暮らしていたはずの桐生だが、金塊の密輸を警護するため向かった先の埠頭で敵の襲撃を受けてしまう。その実行犯の正体は、関西最大の極道組織である近江連合の構成員であり、目的は金塊ではなく、死を偽装して大道寺のもとにいると思われる桐生を誘き出すことだった。やがて近江連合の鶴野という男に取引を持ちかけられ、桐生は大きな決断を迫られることになる。



大道寺一派のエージェントである以前に、桐生は東城会の元構成員であり、かつては4代目会長でもあった。タイトルのように名を消したはずの桐生が、周囲の手によって再び裏社会に引きずり込まれてしまう。そうした物語の中で展開するかけ合いのなかで、沖縄にある児童養護施設「アサガオ」の子供たちのことや、極道から足を洗っても仁義を貫き通す姿勢、誰かのために命を張れる男への恩返しなど、桐生が人生の中で手に入れた大切なものを示すような言葉が多く出てきたのも印象的だった。


過去のしがらみに今も縛られているのは確かだが、その経験のおかげで今の自分がある。今作における桐生の立ち位置は、初代「龍が如く」から「龍が如く6」まで生き様を積み重ねてきたからこそ表現できるものなのかもしれない。


長い戦いで培った喧嘩殺法「応龍」と、ガジェットで戦うスマートな「エージェント」



「龍が如く7」のバトルはターン制だったが、桐生が主人公となる今作は「龍が如く」シリーズではおなじみのアクション。チンピラや構成員を蹴散らす爽快感を始め、周囲の物を使った臨機応変な攻撃や、「ヒートゲージ」をためてくり出す「ヒートアクション」など、ほとんどの要素も過去作を踏襲している。いっぽうで、今作での桐生は「応龍」と「エージェント」という2つのバトルスタイルを自由に切り替えることが可能だ。



応龍は、桐生が伝説の元極道として生きる中で培った喧嘩殺法。腕や足を使った格闘技はもちろん、投げ技やカウンターなど、多彩な攻撃方法が集約されている。コンボ攻撃では△ボタンを長押しするとチャージが可能で、その後にくり出す攻撃の威力が大幅に伸びる。ただし、後述のエージェントと比べると攻撃範囲が狭いため、応龍はどちらかと言うと1対1向き。集団戦ではやや不安は残るが、代わりにHPの多いボスや強敵と戦う際は無類の強さを発揮すると言っていい。



エージェントは、桐生が大道寺一派の一員として活動する中で身に付けたもうひとつの戦い方。肉体を存分に使う応龍とは異なり、こちらはガジェットを駆使する。ワイヤーで相手を拘束して投げ飛ばせる「蜘蛛」を始め、ドローンを呼び出して自身を援護させる「蜂」、タバコ状の爆弾で相手を吹き飛ばす「蛍」に、ジェット噴射で高速移動が可能な「蛇」と、全部で4つのバリエーションがある。通常攻撃は範囲が広いほか、ガジェットを使った派手な技も相まって、一騎打ちよりは集団戦に向いているスタイルだ。



通常の攻撃にガジェットを交えるとなると、操作もそれ相応に複雑そうに思えるが、実際は非常にシンプル。4つのガジェットが○、×、□、△にそれぞれ割り当てられており、戦闘中は対応したボタンを長押しするだけでいい。要は応龍のため技と仕組みが同じで、長いコマンド入力を求められるわけでもないため、手に取ればすぐに慣れるだろう。



筆者が個人的に重宝したのは蜘蛛。ワイヤーを使って相手を拘束、好きな方向へ投げ飛ばせるので、じゃまな相手を無理やり移動させたり、ほかの敵に巻き込んだりと使い勝手がいい。拘束中の相手は身動きが取れないので、こちらからすれば不意打ちを受ける可能性を減らすこともできる。ゲーム中は最初に使えるガジェットが蜘蛛のみというのも大きいが、それを考慮しても今回のプレイでは終始お世話になった。


応龍とエージェントは、戦闘中にいつでも切り替え可能。応龍で攻撃中にエージェントに切り替えてもいいし、もちろん逆もできる。密集している敵にはまずエージェントを選び、数を減らしたら応龍に切り替えて一騎打ちに持ち込んでいく、といった具合に柔軟にスタイルを変えられるようになれば、雑魚戦もボス戦も安定して戦えるはずだ。

「赤目」の依頼をこなしながらスキル習得の費用を稼げる



バトルスタイルと並んで本作の新要素のひとつが、赤目という女性とのやり取りだ。物語序盤、蒼天堀を拠点にしている彼女をいろいろあって手伝うことになり、プレイヤーは街中の人々から依頼をこなしていく。



依頼はストーリー仕立てのやや長めのタイプと、街にいる人々からリアルタイムで受けるサクッと終わるタイプの2種類。どちらもこなすとお金や「赤目ポイント」が手に入る。お金はプレイスポットの利用時や店での買い物、あるいは応龍やエージェントのスキルを習得する場合に使う。赤目ポイントは「赤目ショップ」でのアイテム購入や、赤目関連でさまざまな恩恵が受けられる「投資」で必要になる。



戦闘で使えるスキルは多いほどいいので、技を充実させようと思うとお金は入った側から消えていく。そのため、赤目を通して受けられる依頼は費用を工面するうえでありがたかった。とくに街の人からリアルタイムで受けるほうはテンポがいい。酒が欲しい、木に引っかかったサッカーボールを取って欲しいなど内容は豊富だが、いずれもだいたい数十秒~2分もあれば終わるくらい。


依頼人は蒼天堀にいくらでもいるため、片っ端から受けていくとそれだけで時間が過ぎていく。「龍が如く」シリーズではプレイスポットのボリュームも魅力だが、今作ではそれに加えて赤目の依頼も、なかなかのやり込み要素だと思える。


スナックに賭場にビリヤード、充実のプレイスポット



本作の舞台となる、神室町や蒼天堀にはプレイスポットがひしめきあっている。カラオケができるスナックのほか、ビリヤードに将棋、花札やゲームセンターなど、バリエーションはとにかく多い。



どれもミニゲームの類ではあるが、ほとんどが現実にあるものをゲームに落とし込んでいるために、ただのミニゲームでは終わらない奥深さもある。将棋や花札などはまさにそうだが、やり込もうと思ったらストーリーをそっちのけでいつまでも遊んでいられるだろう。



特にゲームセンターには、ソニックやバーチャファイターといった作品がそのまま収録。「龍が如く」の開発元であり、アーケードゲームの老舗でもあるセガの強みが存分に生かされていると感じた。本作はあくまでも外伝ではあるが、プレイスポットのボリュームは本編にも引けを取らない。


桐生一馬の語られなかった空白の時間が描かれるというだけでなく、爽快感あふれるバトル、さまざまなプレイスポットや依頼がひしめく街など、本作には本編の「龍が如く」シリーズと並んでも遜色ないボリュームが詰め込まれている。2024年1月26日に発売される「龍が如く8」に備えるという意味でも、本作はぜひともプレイしておきたい1作だ。

【タイトル情報】

■「龍が如く7外伝 名を消した男

対応機種 : Xbox Game Pass・Xbox Series X|S・Xbox One・Windows・PS5・PS4・PC(Steam)

※Xbox Game Pass /Xbox Series X|S / Xbox One / Windows / PC(Steam)版はデジタル版の販売のみ。

発売日 : 2023年11月9日(木)予定

価格 : パッケージ版・デジタル版 5,940円(税込)

ジャンル : アクションアドベンチャー

プレイ人数 : 1人

発売・販売 : 株式会社セガ

CERO:D区分(17歳以上対象)


(C)SEGA

夏無内好

夏無内好

活動歴約10年のフリーライター。専門学校を出た後、大手のゲーム雑誌の記事作成や編集プロダクションの攻略本作成などを経験。週刊誌での長期連載やプレスリリースのリライトも経て、最近はアキバ総研などのウェブ系でも執筆を始める。 基本的に雑食で、RPGからアクション、シミュレーションやFPSまでなんでもやる。

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