【インタビュー】「METAL BUILD」ケンプファー発売記念! 「METAL BUILD」初の一年戦争MSの魅力と、こだわりを徹底追及!【10月3日 18時予約受付開始】

2023年10月02日 18:000

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素材、彩色、可動、デザイン、そのすべてにおいて究極を追求する完成品ロボットフィギュアのフラッグシップシリーズ「METAL BUILD」に、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』よりMS-18E ケンプファー(以下、ケンプファー)が登場する。

ケンプファーは出渕裕氏がオリジナルメカニックデザインを担当した、今なお根強い人気を誇るモビルスーツ。その待望の「METAL BUILD」化ということで注目度も高い。

 

気になるのは、なぜケンプファーだったのか? 「METAL BUILD」のケンプファーはこれまでの立体物とどう違うのか? その特徴や魅力、ポイントについて、BANDAI SPIRITSの企画担当・洲崎敦彦さんにお話をうかがった。

 

 

■「METAL BUILD」一年戦争モノ第1弾をケンプファーにした理由

 

――「METAL BUILD」で一年戦争のモビルスーツが出るのは初ですよね?

 

洲崎 はい。これまで宇宙世紀のMSとして「F91」や「クロスボーン・ガンダム」はやってきましたが、一年戦争で活躍した機体の商品化は今回が初となります。『ガンダムSEED』や『ガンダム00』が多いシリーズですので、オーソドックスなガンダムの立体物に触れているお客様にも「METAL BUILD」を手に取っていただきたいなと思い、今回ケンプファーをチョイスしました。

ここで改めて「METAL BUILD」の特徴を説明させていただきますと、「METAL BUILD」は金属を使った完成品のトイで、装甲部分――ケンプファーでいえば見えている青い部分――はほぼ彩色されています。成型品的な透け感はなく、マーキングも最初から貼られていて、全部仕上がっている状態で手に取っていただけます。

「METAL BUILD」の名の通り、肩、股間、胸の隙間、つま先や足裏などは金属、ダイキャスト合金によって重さや質感をお届けしているブランドです。

 

もうひとつの個性として、立体物としての密度をあげるために若干デザイン的なアレンジを加えています。『ガンダムSEED』であればSEEDシリーズチーフメカ作画監督の重田(智)さん、『ガンダム00』ならガンダム00メカデザイナーの海老川(兼武)さんに見ていただきまして、今回は出渕(裕)さんにご参加いただいています。

  

 

――一年戦争モノといっても、定番のガンダムやザクといったTVシリーズのメジャーなモビルスーツもありますが、今回、いきなりOVAのモビルスーツで来ました。なぜ第1弾にケンプファーを選んだのでしょうか? もう少し詳しく経緯をうかがえますか?

 

洲崎 考えたことは大きく2つあります。ひとつ目は、『ガンダムSEED』のような華やかさの強いガンダムタイプやスタイリッシュなタイプ“ではない”、普段プラモデルとかを触られている方が慣れ親しんだタイプのものを選びたかった。ガンダムでもたとえば「陸戦型ガンダム」とかも候補にあがっていました。リアルさや鉄の重さが活きるモビルスーツにチャレンジしたかったんです。

 

2つ目に、先が読めるものや想像のつくものはつまらない、という考えがチーム内にもありました。それはもともと「METAL BUILD」の展開としてあったことで、「METAL BUILD」は「ダブルオーガンダム セブンソード」というMSVからスタートしているシリーズなんですが、『ガンダムSEED ASTRAY』も「ガンダムアストレイゴールドフレーム天ミナ -天空の宣言-」からいく、という具合に驚きを念頭に置いていたブランドでもあるので、お客様に「こう来たか!」と思ってもらいたかったのです。

 

――確かに、そう来たか!と思いました。

 

洲崎 ザクやシャア専用MSも候補にはあがったのですが、“シャア専用”のようなネーム機だと、これも若干、華やかさが勝る感じがする、という話が出てきました。ケンプファーはミーシャ(ミハイル・カミンスキー)しか乗っていませんが、名もなき人が乗っていてもいい機体。それでいてワンオフといいますか、お客様の中でしっかりと個性が確立されている。そういう機体を選びたかったんです。

 

それに、名前のある専用機はキャラクター商品的なとらえられ方で、「フリーダムガンダム」や「ダブルオーガンダム」に若干近いニュアンスに見えてしまう気がしますし、シャア専用ザクもある種のキャラクターロボな感じがあります。ただ、そうはいっても(量産型の)ザクが来ても、METAL BUILD的には驚きが少ないかもと思ったので、もう少しエッジの立った機体、それと職場の人間がみんなケンプファー好きということもあって(笑)、みんなの票が集まったケンプファーになりました。

  

――最初がザクならそのバリエーションも来ると予想しがちですが、ケンプファーはこれしかないワンオフ感がありますからね。

 

洲崎 ケンプファーが来たら、当然アレックス(ガンダムNT-1)を想像するでしょうけど、来るかもしれないし来ないかもしれない。そのぐらいの曖昧さで受け取ってもらえるんじゃないかなと。そういう“ワクワクしてもらう時間”も大切にしたいと思っているんです。普段からプロモーション期間を長めにしているのも、お客様に「こう来るかな?」と一緒に楽しんでいただきたいからです。決して安い買い物ではないので、買うこと自体を楽しんでいただいて、そのうえで買って満足していただきたい。ケンプファーも「なんでケンプファー?」ということも楽しんでいただけたらと思っています。

  

■リアリティのある、地に足がついたカラーリング

 

――実物を見ると、結構サイズ感がありますね。

 

洲崎 そうですね。大きさは18cmぐらいで、ほぼ1/100サイズです。このサイズの完成品ならではの楽しみ方を、今までの商品にはない形でお届けできるかなと思います。

 

――フォルムも、まさにケンプファーという感じがします。

 

洲崎 結構オーソドックスに作られていますが、たとえば、ツノも曲がるようになっていて、劇中の出撃時に折れている(畳まれている)ツノが展開するシーンを再現できます。

 

――今回、デザイン面で出渕裕さんはどのような監修や関わり方をされているのでしょうか?

 

洲崎 デザイン自体に出渕さんの監修は入っておらず、立体物(原型)の状態で見ていただき「格好いいじゃん」とおっしゃってくださいました。加えて、出渕さんに意見をいただいたのは、主にカラーリングですね。

 

――ボディの青とか?

 

洲崎 青は悩みました。ケンプファーの色って、“緑がかった青”から、本編での登場が夜間だったこともあり“ぐっと暗めの青”など、いろいろなパターンがあります。出渕さんに「フィルムではこう見えているけど、暗い色のイメージありますか?」とお聞きしたら「フィルムで見えるあのアウトプットにするために色を設定している。見ているのは(実際の色ではなく)皆さん自身が持っているイメージなんだよね」とおっしゃっていて。なので、世の中にある立体物は暗めに締めた青が多いんですけど、今回は明るめの青にしました。ただ、単色でつまらなくならないように、いくつかの色を混ぜて、濃淡をまぶしていただいてあるので、そこは面白く見ていただけるかなと思います。

 

 

色でいえば、バーニアは黄色というか山吹色っぽいイメージがありますけど、出渕さんは「カッパーのイメージ」とおっしゃっていたんです。でも、全部をカッパーにするとお客様のイメージとズレる気がしたので、カッパーの周りにちょっとパールを入れてメタリック感を出した山吹色を入れてツートンにしていただきました。こんな感じで出渕さんからはリアリティ部分でのアドバイスをいただき、僕らのほうでみんなが知っているキャラクターとしての要素を少し足し込んで提案した形ですね。最初は、もう少し普段の「METAL BUILD」っぽいメタリック感や華やかさの強いイメージで塗っていましたが、出渕さんの話をいただいて、シックな感じにしたといいますか、リアリティのある地に足がついたカラーリングに変更しました。

 

――「METAL BUILD」はディテールの細かさも魅力ですが、色に関してもかなりのこだわりがあるんですね。

 

洲崎 実際に見ていただくとわかりますが、細々といろいろな色分けがしてあります。色工程数を少なくしたい気持ちはあったんですけど……少なくなりませんでした(笑)。

 

――ダイキャストが過去最重量級なのもポイントだそうですね。

 

洲崎 そうなんです。ケンプファーはガンダムよりも靴(足)が大きいですし、膝裏や股間、肩の丸みを帯びた部分など、「METAL BUILD」の名に恥じない量のダイキャストを使っていて、過去最重量級のダイキャスト量になりました。「METAL BUILD」を触ったことのない人にも入ってきていただきたいので、ほかの立体物と比べて重さをしっかり感じられるのはよかったなと思います。

 

――下半身にダイキャストパーツが多めに使われているということで、安定感もすごそうです。

 

洲崎 今までのシリーズ商品を手にしている私から見てもすごいです(笑)。「METAL BUILD」は、『ガンダムSEED』のモビルスーツ(フリーダムガンダムなど)も背中にパーツをある程度積んでも本体が重いから、だいたいは自立できるんですよ。今回のケンプファーなら「携行用チェーン・マインラック」(以下、チェーン・マインラック)をつけても平気ですね。

 

■チェーン・マインラック、専用台座、後ろ姿などケンプファー好きには嬉しいポイント

 

――チェーン・マインラックは今回の目玉のひとつですよね。どのような経緯でこの装備の設定が生まれたのかお聞かせください。

 

洲崎 ケンプファーは、皆さんの中でイメージがはっきりしているモビルスーツだと思うんです。大きくフォルムやディテールを変える案もありましたが、きっとこれを買う人たちはそれを望んでいない。比較的オーソドックスなケンプファーを望んでいるだろうと思ったんですね。でも、やっぱりいつも通りではつまらない。クリエイター様や版元様と相談してアレンジなどをやらせていただいているシリーズですので、その中でご提案したのがチェーン・マインラックでした。劇中ではトラックからチェーン・マインをガツンと引っ張り出しますが、「あれって扱うときは持ち運ぶんじゃない? 持ち運ぶとしたらどうやって?」という話から、この形になっていきました。でも、こちらが想定していなかった楽しみ方も生まれたんですよ。

 

 

――具体的にはどういったことでしょうか?

 

洲崎 チェーン・マインは長いムチ状になるので、我々のフィギュアジャンルで言うと、若干飾りにくい印象がありまして。今回、チェーン・マインラックがあることで、「チェーン・マインラックから引き出す」というアクティブなポーズを、ある程度の保持力で身体にまとわせながらディスプレイできるようになりました。こういう飾り方も躍動的でいいな、とスタッフで話しながら写真を撮りましたね。

 

――格好いいですよね。武器はほかにも定番のジャイアント・バズや専用ショットガンなどがあります。

 

洲崎 今回、専用ショットガンにもダイキャストを使っています。武器にダイキャストは普段使わないのですが、素材を決定したスタッフがシリンダーの部分をいつの間にかダイキャストにしていたんです(笑)。格好いいし、このギラツキ感が楽しいからこれはこれでいいなと。

 

あと、個人的に嬉しかったことがあって、実は、シュツルム・ファウストの色はグレーだとスタッフ内でも思っていたんです。他商品とかだと成型色のグレーだから、そのイメージでグレーだという先入観があったんです。でも、アニメ本編を見ると緑色なんですよ。だからシュツルム・ファウストにちゃんと劇中通りの色がついているのも何気にオススメポイントです。

 

 

――アニメ準拠の色設定になっているのですね。

 

洲崎 はい。それに、劇中だと両足に1個ずつでしたが、今回は片側(片足)に2個つけられるようになっています。なので、劇中通りにも遊べますし、ちょっと違うことをしたい人は違うこともできる。そういう振れ幅があるように作ってみました。

 

あと、専用台座も注目してもらいたいです。ケンプファーを低空飛行状態で飾れる商品は、これまで世の中に存在しなかったですから。この状態で飾ると、帆船模型じゃないですけど、こういった置物である、のような存在感もあります。

 

 

――地面すれすれを飛んでいるシーンを再現できるのですね。

 

洲崎 このままちゃんと武器を構えることもできます。普通の台座ではこういう飾り方はできないですよね。

 

――しかも台座には道路のディテールが入っていて。

 

洲崎 そうなんです。ケンプファーは道路で活躍するシーンの印象が強いと思ったので、台座のマーキングも道路をイメージしたものにしていただきました。

 

 

――そういうこだわりからも、関わった方がケンプファー大好きだと伝わってきます。ほかに目立つところとしては、先ほど説明いただいたバーニアの部分もインパクトがあります。

 

洲崎 ケンプファーはバーニアが後ろに集中していてすごく目立つので、彩色が施されていない商品との違いが結構出るなと感じました。バーニアが金属色でギラギラ光っている感じは、塗装されている完成品ならではですし、後ろ姿はすごく情報が多くて魅力的なんですよ。

 

――後ろから見るだけでも格好いいですよね。

 

洲崎 後ろ姿が格好よすぎて、メインカットを後ろ姿にしようかと思ったぐらいです(笑)。それも含めて、みんなが思い描いているケンプファーの魅力を、ここまで仕上がった状態で見られることはなかったと思います。自分で仕上げる以外は。このサイズ、この完成度でケンプファーが作られることってそうそうないですからね。

 

 

――確かに、ケンプファーはプラモデルやガレージキットなど、ひと手間かけて冠せさせる必要のあるアイテムが多いイメージもありますから、完成品が手に入るのは嬉しいですね。

 

洲崎 正直、安いものだとは思っていないです。でも、装甲が塗られていたら質感がどれだけ豊かなのか、ダイキャストはどれだけ重量感があるのか、塗装で仕上がっているバーニアはどういうものなのか……写真でご覧になっているものがそのまま手元に来ますので、ケンプファー好きの方には喜んでいただけるんじゃないかと期待しています。

  

■今後の「METAL BUILD」の1年戦争モノに関する展望

 

――実際に見せていただいて、出渕メカは立体にすると映えるなと改めて思いました。

 

洲崎 フォルムの完成度が高いですよね。デザイン的に何かの突起を足さないとダメだとは思わないし、シルエットを大きく変えないといけないとも思わない。もともとのフォルムの特異性が持つ完成度の高さを、今回改めて感じました。

 

――今後のラインアップについてもおうかがいします。先ほどアレックスの名前も出ましたが、一年戦争MSは今後も続いていくのでしょうか?

 

洲崎 未定ではありますが、宇宙世紀MSは一年戦争も含めてやっていきたいと思っていますので、ぜひアンケートなどでどんどん意見をお寄せいただけたらありがたいです。今回のケンプファーで入ってきてくれた人にも、次はこれを!と提案できるようなラインアップを考えていきたいですね。

 

――これは完全に余談なのですが、個人的にハイゴッグが大好きなので、そのあたりを期待したいところです……!

 

洲崎 ハイゴッグも検討のテーブルにはちゃんとあがりました(笑)。社内の人間にもハイゴッグ好きが多いので、真面目にハイゴッグを検討したんです。でもまだまだ検討すべき点が多くて……。でも、本当に皆さんからの声が多くて、かつ、「買うよ!」のお声が大きければがんばります!

「METAL BUILD」の密度でハイゴッグをやるなら、バラスト水を抜く穴があるとか、巡航形態になったときに本当に潜水艦のような形になるとか、やりようはあると思っていますから。アレックスを差し置いてハイゴッグか……って気もしますけど(笑)。

 

──そのあたりも含めて、“ワクワク”しながら続報を期待しています。まずはケンプファーを楽しみにしています!本日はありがとうございました。

 

 
予約受付は、2023年10月3日18時よりプレミアムバンダイにてスタート!

(取材・文/千葉研一&編集部)

 
【製品情報】
■METAL BUILD ケンプファー
・予約受付開始:2023年10月3日 18時
・お届け日:2024年2月発送予定

・価格:39,600円(税込)
・主な商品素材:ABS・PVC・ダイキャスト
・商品サイズ 全高:約180mm
・対象年齢:15歳~

<主な商品内容>
 ・本体
 ・交換用手首左右各3種
 ・交換用アンテナ
 ・ショットガン×2
 ・チェーンマインラック
 ・ジャイアント・バズ×2
 ・シュツルム・ファウスト×2
 ・ビーム・サーベル柄×2
 ・ビーム・サーベル刃×2
 ・ヒート・ホーク(ON/OFF)×各2
 ・チェーンマイン
 ・ジョイント一式
 ・専用台座一式

 備考
 お買い求めの前に:必ずお読みください。 
 ※実際の商品とは多少異なる場合があります。
 ※彩色などの外観は、商品個々で多少のバラツキが生じる場合があります。
 ※商品仕様や発送日は予告なく変更になる場合があります。
 ※予定数に達した時点で、ご注文の受付を終了させていただく場合があります。
  また、ご要望が多数の場合は、再度受付を行う場合があります。
 ※本商品は海外で販売の可能性があります。

 

Ⓒ創通・サンライズ

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