新ブランド「スタジオソータ」誕生! 心機一転の意気込みと狙いとは──株式会社SO-TA安藤こうじ代表インタビュー!【オリジナルアイテムを抽選でプレゼント!】

2023年06月10日 12:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

今や日本を代表するホビーとして国内外で認知されているカプセルトイ。その中で、さまざまなクリエイターとのコラボレーションアイテムを発表する株式会社SO-TAが、新ブランド「スタジオソータ」の設立を発表した。

株式会社SO-TAは、カプセルトイやボックストイを中心に商品展開を行うホビーメーカーで、和テイストのアイテムや個性あふれるクリエイターの作品を多数発表している。アキバ総研の人気連載「ワッキー貝山の最新ガチャ探訪」でも、幾度となくその魅力を発信しつづけてきたが、このたび、新ブランド「スタジオソータ」を起ち上げたというニュースが舞い込んできた。

そこで、「スタジオソータ」設立の意図や意気込みをはじめ、株式会社SO-TAの歴史や目指すビジョンなどを、代表の安藤こうじ氏にうかがった。

背水の陣で挑んだ自社開発の道

 

──まずは株式会社SO-TAとは、どんな会社なのか教えてください。

 

安藤 おもちゃ屋さんだと思っています。カプセルトイとアミューズメント景品とホビーの3つにまたがっていろんな商品を作るという会社なんですが、ポリシーとしてはディテールのしっかりしたものを作りたい、できるだけ自分たちが作りたいものを作りたい、各商品の開発者が好きなものをやろうというのが基本にあります。ですので、毎回ジャンルがばらばらで方向性がひとつじゃない会社だと思います。

 

──SO-TAさんの商品は、わかりやすいキャラクター商品というよりも、工芸品にも通ずる魅力がある気がします。

 

安藤 日本は特にカプセルトイの発信地でもありますし、それをより深掘りする会社にしたいと思っています。外国人の方が日本に来られた時にカプセルトイをやって、「日本っぽいよね」って思われるような商品を心がけています。

 

──どういう経緯で設立されたのでしょうか?

 

安藤 もともと僕が「ガチャガチャの森」を運営している大長商事(現・ルルアーク)にいたんですが、所属していた販売部がなくなることになってしまったので、じゃあ新しく会社を起ち上げようということで同僚4人と独立して起ち上げたのが「株式会社SO-TA」です。

 

 

──安藤さんは、もともと造形などもされていたのでしょうか?

 

安藤 僕はもともと営業畑で、ルートセールスでカプセルトイの補充をやっていた人間なので何も作れないんですが、いつかメーカーになりたいという意志はずっとありました。

 

──SO-TA起業時のメンバーの構成を教えてください。

 

安藤 3人が営業であと1人が企画開発でした。大長商事がそこまで造形にこだわった商品を出していなくて、扱う商材もぬいぐるみとかクッションといった雑貨のアミューズメント景品が多く、金型を使った商品というのはそこまでやっていませんでした。ですので、当初はSO-TAもアミューズメント景品の問屋としてスタートしました。まずやっていたのがイオン系列のアミューズメント景品のOEMで、サン宝石さんの「ほっぺちゃん」というキャラクターの商品を一時期、たくさん作っていました。ただ、その時も造形自体は外部に依頼していたので、自分たちで作る感じでもありませんでしたね。

 

──そんなSO-TAさんが、自社開発を目指すようになる転機はいつ訪れたのでしょうか。

 

安藤 造形をするための機械を買った時です。それが2015年のことで、「FreeForm」という3Dで造形するソフトや3Dプリンターを、全然自分で使えないのに1000万円くらいで購入したんです。なんで購入したかと言うと、当時も今もカプセルトイ業界全体に言えるのですが、メーカーはいわばコンテンツ事業がメインで、造形会社に依頼して商品を作るのが中心。それは各社の人数が少ないため、分業制で成り立つ業界という事情があるんですが、外注するとなると「このカーブを少し直してください」とお願いするだけで5万円くらいのコストがかかってくるわけです。結局こだわったものを作ろうと思うと、どうしてもそういった費用がかかるので、そこをカットしていくしかないという状況がずっと続いていたんです。仮にそこを内製化すれば社内で修正が完結するのではないか、という風に思って、そのソフトと機械を購入したんです。でも結局誰も使えないから、使える人を雇わないといけない。

 

──買った以上は、それを使いこなさないといけませんからね。

 

安藤 もう、やらないといけないと。そこが転機です。自分が作れないので、作れる環境を作るしかないと思って機械を入れて、造形師も何人か入れて、造形のデータまでは全部自前で一気通貫でやっていこうと。

 

クリエイターとウィンウィンの関係で確立したSO-TAの独自性

 

──新体制になって、最初の商品はどの商品になりますか?

 

安藤 「だいきょ屋はんなり狐面根付」かな。

 

ターニングポイントとなった「だいきょ屋はんなり狐面根付」

──ペイントが非常に細かいですね。これを外注でやろうとすると、確かに大変だと思います。

 

安藤 彩色はめちゃくちゃ大変でしたね。この型自体も、スキャンして作りました。これが大変よく売れました。この商品が、個人作家さんとご一緒させていただくきっかけにもなりました。もともと「だいきょ屋」さんがデザインフェスタで張り子の狐面を売ってて、それに長蛇の列ができてて、それを見たスタッフが「これをカプセルトイにしたらいいんじゃない」って言ったことそもそものきっかけでした。

 

──デザフェスでクリエイターを発掘されてるんですね。個人で活動されるクリエイターの作品に、新たな商品の可能性を見出したのでしょうか?

 

安藤 可能性というよりは、僕らの会社が小さいので強力なIPが取れなかったからです。そこで、どうやって他社と差別化したらいいのかという時に、めちゃくちゃかわいかったり、ディテールは細かいけどまだ有名ではない立体作品を出している個人作家さんなら話を聞いてくれるんじゃないか、ということで、デザフェスで活躍されている方に声をかけさせていただいたというところです。

 

──デザフェスで活躍されている方も、全国で流通されるものを作ってくれるなら喜んで、という方も多かったのかもしれないですね。

 

安藤 そうですね。全国で名前が出るし、僕らも数がしっかり作れるし、お互いにウィンウィンかなと。

 

──そこからカプセルトイ事業も拡大されて、今もアミューズメント景品も並行して展開されているわけですね。

 

安藤 はい。昔はアミューズメント景品とカプセルトイの割合が8対2くらいだったのが、今は3体7くらいでカプセルトイの売上が高くなっています。カプセルトイとボックストイが今の主流ですね。

 

──じょじょに総合トイメーカーのようなラインアップに近づきつつある。

 

安藤 はい。いずれはそうなっていきたいと思いますし、単純にカプセルトイを売るだけじゃなくて、販促の場として我々が作家さんの作品を利用させていただきつつ、作家さんにも我々を利用してもらいたいと考えています。

 

──カプセルトイとボックストイで、同じ商品を並行して販売するというのは、SO-TA独自のスタイルです。

 

安藤 その理由のひとつに、もともと我々はディテールにこだわりたくて、従来のカプセルトイでなかなかできないような作り込みをやりたいという思いがずっとあるんですが、昨今の円安で本当に商品代金が上昇してきて、僕らがずっと担保してきたものが出せないという状況になってきたというのがあります。それでもカプセルトイを出したいという時に、どういう方法があるのかと考えたところ、金型代を薄めるためにボックストイも一緒に出して、カプセルトイと一緒に展開すれば、今のクオリティをある程度担保できるというビジネススタイルを、円安の中で仕方なくスタートしたんです。ただ、これが功を奏して、両方とも受注が伸びてきているので、賛否両論ありますけどこういうやり方もあるのかなと思います。

 

カプセルトイとボックストイの2ラインで展開する「Rabbit Void」


──ボックストイは追加パーツが充実していたハイエンド商品で、カプセルトイはシンプルな構成のエントリーモデルというようなイメージがあります。

 

安藤 まさにそうです。このスタイルは、みんなも真似してほしいですね。いろんなメーカーさんもこういうやり方があるんだと追随してくれたら、業界も広がると思います。

 

──クリエイターの作品を大切にするというイメージが強いSO-TAさんだけに、クリエイターからの売り込みもあったりするのでしょうか。

 

安藤 ありますね。それこそ下手したら週に1~2回くらい連絡がありまして、その都度、必ず企画会議にあげて検討しています。ありがたいことにSO-TAが好きな作家さんは、SO-TAで出したいと思ってくださっているようです。直接デザフェスのブースに売り込みに来てくれる方もいます。

 

──これまで出してきたアイテムの中で、特に反響のあったものはどれでしょうか?

 

安藤 やっぱり「指乗せドラゴン」ですね。これはすごかったですね。

 

指乗せドラゴン

──「紡ギ箱」シリーズのように、カプセルトイと思えないサイズとディテールの、可動モデルも出てますね。

 

安藤 可動モデルに関してはまだまだ修正しないといけない部分も多いんですが、(「紡ギ箱」のクリエイター)Yoshi.さんとご一緒させていただけたことでだいぶブラッシュアップできたと思っていて、今後もカプセルトイの定番として出していきたいです。このシリーズは、ユーザーさんが自分でパーツをくっつけたり塗装したりと、自由に改造してくれるのが嬉しいですね。

 

紡ギ箱シリーズ

──最近は「未来少年コナン」といったキャラクターものや、「ムシキング」のミニチュア筐体といったIPものも増えてきています。

 

安藤 昔から身の周りにあって、今はそんなにはねてるわけじゃないけど、定番的に人気があるものを選んでいます。

 

未来少年コナン アクションロボノイド

──SO-TAさんの商品は、どこか心に引っかかる懐かしさがありますね。

 

安藤 それに加えて、単純な昔ながらのアクリル商品だけじゃなくて、ロボならちゃんと可動したり、筐体なら本物と同じ形をしているとか、ホビー系の人たちに引っかかるポイントを作ることを心がけています。ファンの皆さんがめちゃくちゃ厳しいんですよ。けっこう辛辣なコメントをくれたりもするんですが、それが勉強にもなっています。この人たちを何とか納得させたいという気持ちもあって、そういうことをおっしゃってくださる方がいるほうが、会社としては造形力が伸びますね。

 

──そのほか、ガレージキットも展開されています。

 

安藤 ガレージキットは、SK本舗さんと作ったエスエス工房という別会社で開発しています。こちらは3Dプリンターによる出力代行サービスの会社で、ワンダーフェスティバルなどに出られるクリエイターの方の依頼を受けて、立体物を作っています。

 

そして新ブランド「スタジオソータ」へ……!

 

──前回紹介させていただいたICOMAさんの「TATAMEL BIKE(タタメルバイク)」は、発売前のバイクの商品化ということで、これまでにない展開のアイテムになったと思います。

 

安藤 これはICOMAさんもおっしゃっていたんですが、昔流行ったものを現代風にブラッシュアップして、それを提案できるフェイズまで持っていくことが大事と思っていて、カプセルトイでそれを昇華することで、単純に「昔のバイクはよかったよね」ではなくて、「これだったらかっこいいから欲しい」というところまで持っていく。そういうものをピックアップして、カプセルトイ化することでCM、販促としたいと思っています。

カプセルトイをカプセルトイだけで完結させるんじゃなくて、いろんなメディアに広がっていく。たとえばYoshiさんが「紡ギ箱」をゲームにしようとがんばられていますけど、そういう広がり方をしてくれたらいいなと思いますね。

 

 

──ちなみに「TATAMEL BIKE」の反響はいかがですか?

 

安藤 めちゃめちゃいいですね。今月先月出したものの中では一番売れています。1/12スケールなので、お客さんがキャラクターフィギュアと一緒に飾ったものをSNSとかであげてくれたりもしています。

 


──それがまた宣伝になる、ということでいいサイクルになっているわけですね。そんな新たな試みを続けるSO-TAさんですが、このたび「スタジオソータ」というブランドを新たに起ち上げました。

 

安藤 社名は変わらないんですが、これからはスタジオソータ名義でやっていこうと考えています。理由としては、ベタなのですがこれまではハイフンが入ることでエゴサーチされにくいという状況がありました。うちの宣伝方法がSNS主体なので、昔なら気にしてなかったのですが、今はすぐに出てくるようにしたい。検索ワードに引っかかりにくいという状況を解決して、さらにSNSでの宣伝に全振りしていこうというところです。

今まではクリエイターさんのことは知っているけど、SO-TAの商品として認識はされていませんでした。でも、今後は「スタジオソータが作った商品なら安心だよね」というような、ブランドとして確立していかないといけないと思っています。とはいえ、単純に名前が変わったからすぐそれができるわけではなくて、そこに安全性とか品質の底を上げていかないと、というところなんですが、ひとまずは親しみを持ってもらえるようにお年寄りからお子さんまでブランド名をしっかり覚えていただきたいですね。

 

 

──今後の商品展開、目標を教えてください。

 

安藤 カプセルトイは、エンドユーザーに作家さんの作品を知ってもらうためのツールとしてどんどん広めていきたいです。弊社としてもまずカプセルトイで知っていただいて、次にボックストイに触れていただいて、最終的に3Dプリンター出力品まで楽しんでいただく。これを全部同じIPで展開していく、ということを最終着地点にしようと思っています。あとはできるだけ中国で生産するのではなく、日本国内に工場を作って生産していくということが目標です。それぞれのカテゴリーで、それぞれのライトユーザーからコアなファンまでがつながっていけるビジネスモデルを追求したいですね。

 

あとは円安もありますが、どうしても中国で生産するとなると何かとコントロールしづらいです。ただカプセルトイなど1,000円以内の商品は、どうしても国内で生産するのは難しいという実情もあります。ですので、高い商品についてはできるだけ内製化して、日本国内で生産するというところを目指しています。

 

──ちなみに今、非常に盛り上がっているカプセルトイですが、今後の業界の見通しは明るいでしょうか?

 

安藤 うーん……。難しいところで、カプセルトイ業界全体の売り上げ自体はめちゃめちゃ上がってて、つい数年前は300~400億といわれていたんですが今は700億円規模と言われています。ただ、やっぱり円安で利益幅がどんどん小さくなっていってますし、カプセルトイのメーカーも今は40社ぐらいあって、発売されるアイテム数も月500を超えていて、まさにガチャガチャ戦国時代なんです。業界自体は大きくなっているので、市場規模は伸びていくしお客さんは楽しいかもしれないけど、メーカーとしては新規のメーカーが入ってきて熾烈な争いになるので、そこでどう差別化していくかが重要になっています。さっき言ったみたいに、ちゃんと下から上のユーザーまでフォローできるような体制にしとかないと、なかなか他メーカーに太刀打ちできなし、大きな資本を持っているところとも戦えない。あとは海外市場ですね。カプセルトイは中国をはじめ、だいぶ海外でも広がってきています。まさに今は飽和状態で、今後はいろいろと淘汰されていくと思っていて、そこでどう戦うかですよね。

 

──最後にうかがいたいのですが、そもそもSO-TAってどういう意味なんですか?

 

安藤 「states of the art」の略です。義理の弟がイギリス人なんですが、僕がお笑いのダウンタウンが大好きで、「ごっつええ感じ」を英語に訳したらどうなる?って聞いたら「states of the art」って返ってきたんです。だから「ごっつええ感じ」っていう社名なんです(笑)。

 

──まさかそんな意味だったとは(笑)。ありがとうございました!


プレゼントキャンペーン概要

<賞品>

■「スタジオソータ」始動記念! ここでしか手に入らない、アキバ総研モデルの「タタメルバイク」を抽選で8名様にプレゼント!

  • <応募要項>
  • ・応募期間:2023年6月10日(土)~2023年6月17日(土)23:59
  • ・当選人数:8名様
  • ・当選発表:賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます
  • ・賞品発送:順次発送予定・応募方法:以下の専用応募フォームにて受付
  • <注意事項>
  • ・応募には会員登録(無料)が必要です。
  • ・応募はひとり1回に限らせていただきます。
  • ・抽選結果・発送状況に関するお問い合わせには応じられません。
  • ・当選された賞品もしくは権利を第三者に譲渡・転売することを禁じます。
  • ・カカクコムグループ社員、および関係者は参加できません。
  • ・賞品の発送は国内に限らせていただきます。
  • ・梱包には細心の注意を払いますが、万が一運送中の事故により破損等した場合でも、返品・交換等は受け付けられませんので、あらかじめご了承ください。
  • ・下記の場合は、当選を無効とさせていただきますので、ご注意ください。
  •  同一住所または同一世帯で複数回ご当選されている場合
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