【本日発売】「ARMORED CORE VI 」レビュー! オリジナルの機体を組んで戦場を駆け抜ける、重厚なロボットアクションゲーム

2023年08月25日 12:000

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2023年8月25日より、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Steam向けタイトル「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」(以下、AC6)が発売される。本作は、フロム・ソフトウェアが手がけてきたロボットアクション「アーマード・コア」シリーズの約10年ぶりとなる最新作だ。

本稿では、そんな本作をひと足早くPS5版を遊んだうえでのレビューをお届け。

後編では、さまざまなシチュエーションが収録されたミッション、「スタッガー」システムを交えた戦闘などを解説していこう。

探索や戦闘、情報収集など、多彩なシチュエーションが収録されたミッション



本作は、ミッションをクリアして物語を進めていく形式。機体のアセンブルや敵機のデータと戦える「アリーナ」など、さまざまな機能を使える拠点を軸に、企業を始めとする勢力から舞い込んでくる依頼をプレイヤーが自由に選び、現地に行って目標をこなしたら、再び拠点に戻ってくるという流れをくり返す。

「AC6」は探索に力を入れており、立体的な巨大構造物で構成された基地や、水上に建設された広大な建造物の敷地内を自由に動ける。ACに乗って移動するのが前提になっているためか、あらゆる物が巨大でスケールが大きく、距離感を失うこともあった。

加えて、隠された道を探したり、敵機や物体を透視できるスキャンを使って動いたりしているだけでも時間が過ぎていく。ACに使うパーツや、物語を紐解くためのアーカイブなども点在しており、ミッションごとのボリュームはかなりのものだ。



探索が中心になってはいるが、それだけではない。ミッションによっては、敵が残した情報の回収もあるし、敵ACとの一騎打ちもある。さらに味方との共闘や拠点の防衛、見上げるような大きさの兵器の破壊など、さまざまなバリエーションが用意されている。ミッション中は無線を通してプレイヤーの強さや活躍ぶりが評価されるので、遊んでいるこちらとしてもモチベーションが上がる。



物語を進めていくと、チャプターごとに最後のミッションが出現する。いずれも大ボスともいえる強敵が待ち受けており、死んで覚えるのが前提の、いわゆる「死にゲー」とも言えるほどの難しさになっている。チャプター1の最後のボスで20~30回ほど、チャプター2の場合だと約15回はやられた。


とはいえ、単に難しいわけではない。致命的な攻撃の直前には予兆ともいえる特定の動きがあるし、最初は歯が立たなくても、特徴さえ覚えていけば必ず打破できるようにバランスが取れている。やられてもボス戦の直前から何度でもやり直せる点もうれしい。リトライ時ににはアセンブルを見直せるため、同じ機体構成で何度も挑まされるということにはならない。


ミッションという側面から書くと、こうした大ボスが登場するパターン以外であれば、どの作戦も基本的に何十回も死ぬほどの難易度ではなく、いずれもほどよい難しさ。そのため、ミッション自体をこなしていくテンポはいい。チャプター最後の壁として圧倒的な強さの敵が出現するのは、むしろ「AC6」を遊ぶうえでメリハリとして機能しており、個人的にはモチベーションや意欲を保ついい要素だった。


 

アリーナで敵を倒すと得られる「OSTチップ」を使えば、機体そのものの性能を強化できる。特定の属性を持つ武器の性能を引き上げたり、機体が受けるダメージ量を軽減させることも可能だ


何回も死ぬことで、自分の機体の構成を見直すきっかけも生まれる。力押しが効きすぎるとひとつの組み合わせを最後まで使うことにもなりかねないため、「アーマード・コア」シリーズの魅力でもある機体のアセンブルがおろそかになってしまう。筆者の場合だと、どうしても勝てないから試しに機体構成や武器の種類を変えてみたところ、それまでの苦戦が嘘のようにクリアできたというケースもあった。自分の知識が広がるとともに、アセンブルの可能性を知ることもできた。そうした意味でも、プレイヤーを圧倒する強敵がいるのはありがたかった。


各種バーツは売値も買値も同じ。つまり金銭的に一切損はない。これもさまざまなアセンブルを試しやすいと思える要因だった

操作は複雑だが、慣れるためのチュートリアルが充実



本作はACというロボットを用いたアクション+シューティングゲームでもあり、銃やブレードを交えた距離を問わない戦闘が展開する。武器の構成次第では、中距離や遠距離から銃撃に徹してもいいし、機動力重視の機体にブレードを装備させて、格闘戦を挑んだっていい。瞬間的に加速して前後左右に動くクイックブーストや、相手との距離を一気に詰められるアサルトブーストなど、各種ブーストも駆使すればスピード感も増すため、爽快感も強い。



ただし、それらを活用するためには、さまざまなボタンを並行して操作する必要がある。筆者が使ったデュアルセンスコントローラーの場合、移動用のLスティックに、カメラ視点用のRスティック、武器用のL1、L2、R1、R2に、ブースターのオン/オフ用の○ボタン、クイックブースト用の□ボタン、ジャンプ用の×ボタンは戦闘でよく使った(すべて初期設定の配置)。



筆者は最初に用意されている初期設定をそのまま使った。結果、左手は親指でLスティックを、人さし指で十字キーとL1を兼任、中指でL2を押すという形になった。右手に関しては、親指はRスティックに充て、人さし指は□、×、△ボタンに、中指をR1とし、薬指をR2に使っている。つまり、とても忙しい。


さまざまな構成を試せる中毒性の高いアセンブルに、ボリュームやバリエーションが豊富なミッションが用意された「AC6」だが、この操作方法の難しさに限ってはやや難しく感じる。コントローラーを支えるための小指以外はほぼ全部の指をボタン操作に使うため、これにいかに慣れるかどうかが、本作を遊ぶうえで最も重要な部分と言えるだろう。


 

幸い、本作のボタン配置はLスティックとRスティックを除いてすべて変えられる。操作していて違和感が少しでもあれば、納得がいくまで配置をカスタマイズしてみてほしい。初期配置のほかにいくつかの操作パターンも用意されているため、まずはそちらを試してみるのも手だ。



操作方法に慣れるにあたって、本作にある「傭兵教育プログラム」も利用したい。こちらではACの移動や武器を使った攻撃、脚部ごとの特徴など、機体を動かすうえで欠かせない要素をひと通り学ぶことができる。

さらに、「AC TEST」ではカスタマイズした機体を動かし、操作感や武器の性能を自由に試せる。MTやACといった敵を呼び出して訓練もできるし、ポーズ画面でAPの回復や弾薬の補充も可能。さらにテスト中にアセンブルをいつでも設定できるおかげで、ジェネレーターとブースターの相性を試したり、武器の積載量による機動力の変化など、機体の細かな検証もしやすかった。


スタッガーシステムによって活発な戦闘が楽しめる


 

銃撃や斬撃、ミサイルなど、さまざまな武器を用いた戦闘が展開するのも「AC6」のおもしろさだが、そこに拍車をかけているのが「スタッガー」というシステムだ。スタッガーとは、機体が攻撃を受けた際に蓄積する「ACS負荷」が一定値に達すると起こる状態で、スタッガー状態に陥った敵は受ける攻撃がすべて直撃扱いとなり、ダメージ量が大きく増える。


スタッガーはほぼすべての敵に存在するため、いかにACS負荷を与えて相手をスタッガー状態に陥らせるかが勝敗のカギを握る。一定時間攻撃を受けていない敵はACS負荷が徐々に下がっていくため、積極的に攻めていくのが理想的。ダメージの量を問わず、攻撃さえ当てていればACS負荷は維持できる。



作品やジャンルを問わず、ゲーム中のバトルは、相手の動きを見てから対処するという後出しが有利な場合が多く、そのためにどちらかが先に攻撃するかで状況がこう着しやすい。「AC6」の場合は、こちらから仕掛けてもACS負荷を与えてからのスタッガー状態を狙うという大きなメリットがあるため、敵との戦闘は自然と活発になる。雑魚敵はもちろん、強敵揃いの大ボスとのバトルでも物怖じせずに突っ込むようなスタイルが、本作ではなにより奨励されるわけだ。



スタッガー状態の敵は一定時間動けないため、この間なら近接攻撃が通りやすい。ブレードやパイルバンカーといった武器は相手に接近する必要があるため、攻撃力は高いがなかなか当てられないが、敵がスタッガー状態なら話は別。「AC6」では近接攻撃を仕掛ける直前、少しだけ対象に追尾してくれることもあって、条件さえ整えば非常に当てやすくなっている。



今回のレビューでは先行プレイという都合上、オンライン機能には触れられなかったが、対人戦ではスタッガーシステムによって互いが積極的に動く、活発な試合が展開されるのではないだろうか。人間同士の戦いになるため、CPUが相手の本編とはわけが違う。蓄積しているACS負荷の量や、敵の防御性能と自分の武器の相性などを交えた読み合いも楽しそうだ。


シリーズ約10年ぶりの新作ではあるが、機体に用意された膨大なアセンブルや、傭兵としてミッションを受けていくプレイスタイルといった過去作の伝統は健在。そこに、「ダークソウル」や「SEKIRO」、「エルデンリング」など、これまでのアクションRPGで培われた、やり応えのある難易度設定や、攻めが有利なバトルシステムなども盛り込まれている。


いわば本作は、フロム・ソフトウェアの核ともいえる「アーマード・コア」シリーズと、昨今の名作タイトルのノウハウを融合させた、同社の総決算とも言えるタイトルだ。難しいのは事実だが、ていねいなチュートリアルやリトライ要素など、初心者向けの計らいも充実している。10年という年月によって、過去作のファンもなかば初心者のようなものなので、これを機に新しい層にも「アーマード・コア」を遊んでほしいと思う。


  • 【タイトル情報】
  • ■「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」
  • 対応機種:PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Steam
  • ジャンル:アクション
  • プレイ人数:1人(オンライン時は最大9人)
  • 発売日:2023年8月25日
  • CERO:C
  • 発売:バンダイナムコエンターテインメント
  • 開発:フロム・ソフトウェア
夏無内好

夏無内好

活動歴約10年のフリーライター。専門学校を出た後、大手のゲーム雑誌の記事作成や編集プロダクションの攻略本作成などを経験。週刊誌での長期連載やプレスリリースのリライトも経て、最近はアキバ総研などのウェブ系でも執筆を始める。 基本的に雑食で、RPGからアクション、シミュレーションやFPSまでなんでもやる。

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