「機界戦隊ゼンカイジャー」の巨大ロボットが金属パーツ&新規造形パーツで大人向けにグレードアップ! 超合金トイ「DX METAL APPEND ゼンカイオージュラガオーン」企画担当者インタビュー

2021年10月26日 10:000

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数えればすでに45作という長期シリーズとなっている「スーパー戦隊シリーズ」。その最新作である「機界戦隊ゼンカイジャー」に登場する巨大ロボット、ゼンカイオーが大人向けの完成品トイとしてリリースされることになった。

その名も「DX METAL APPEND ゼンカイオー」!! 本作の商品コンセプトを式会社バンダイ トイディビジョン ブランドデザイン部の寺野彰さんにうかがってみた。

 

 

--新アイテム「DX METAL APPEND ゼンカイオー」についておうかがいします。まず「DX METAL APPEND」というブランド名にはどのような意味を込められたのでしょう?

 

寺野 やはり「DX」と付けたことが大きなポイントですね。「DX」は戦隊ロボにも使われた「DX超合金」に由来する言葉ですが、1992年に「進化合体DX大獣神」(恐竜戦隊ジュウレンジャー)から「超合金」が消え、「DX」にはスタンダード版玩具に対する意味合いだけが残りました。その後、そのスタンダード版も消えて「DX」はバンダイ公式玩具の象徴的な言葉に変わったんです。

 

--当初は「DX超合金」のブランド名も考えられていたそうですね。

 

寺野 そうです。まず「DX」は絶対に付けようと思っていました。ただ現在「DX超合金」は「マクロス」などでコレクターズ事業部も使っているので、使ってもよいかどうかの相談はしていました。ただ、僕自身がコレクターズ事業部で「超合金」を担当していたとき、このブランド名の魅力は古きよきレトロ感で、それゆえに若い年齢層には伝わりづらいと思っていたんです。そこで素材を強調する「METAL」と、付け加えるという意味の「APPEND」を合わせてブランド名にしました。 

--大人に向けたゼンカイオーを出そうとしたきっかけは何だったのでしょう?

 

寺野 これを企画した理由のひとつとして、大人向けアイテムが研ぎ澄まされてきたことがあります。通常の「全界合体 DXゼンカイオー ジュラガオーンセット」の価格が7,480円(税込)で、これはBANDAI SPIRITSのコレクターズ事業部の商品では「ROBOT魂」などに相当する価格帯になります。というのも、「ROBOT魂」のような小型商品でも造形や可動にこだわるためにパーツ数や彩色工程が増えて、それなりの価格になってしまうからなんですよ。逆に戦隊ロボは、3歳以上対象という厳しい検査をクリアするため、造形表現や素材の使用に限界があります。

そのように子供向け玩具と大人向け玩具は作り方からして明確に違いますが、20年前の「百獣戦隊ガオレンジャー」の「百獣合体DXガオキング」は少し大人向けに作られていました。あの頃はコレクターズ事業部が発足する前で、同じチームが戦隊ロボと「超合金魂」を両方とも担当していたと聞いています。そのために「超合金魂」の技術が戦隊ロボにも導入されていたそうです。ガオタイガーの白をパール塗装で表現していましたからね(笑)。もちろん、それは必ずしも戦隊ロボ本来の方向性ではありませんが、あの頃のクオリティを求めているユーザーもいると思っています。そこで子供向けを第一優先にしたものではありますが、「METAL BUILD」や「超合金魂」のような大人向け商品に仕様変更したいと考えました。

 

--ではユーザーへのアピールポイントを具体的にお願いします。

 

寺野 関節など強度が必要な一部のパーツは成形色のままですが、銀色の部分は基本的にはメッキ処理を施しています。

 

 

上あごの歯のプラパーツにはダイキャストと同じメッキをかけて質感を統一させました。ゼンカイジュランとゼンカイガオーンおのおのの脚パーツ、太股から下アゴにかけてのパーツ、ジュランソードの刀身、脚部アペンドパーツに付くジュラン(機界モード)の腕、ガオーンクローのツメはダイキャストに置き換えています。そしてジュランとガオーンの太股とシールドにはシルバーのメタリック塗装を施しています。あと撮影用スーツの塗装を踏襲した部分もあります。


彩色が増えた部分はほかにもあって、ゼンカイジュランの腕にあるオレンジの帯も、従来品では正面のみの塗装でしたが「DX METAL APPEND」版は1周させています。銀1色だったゼンカイジュランとゼンカイガオーンの頭部のマークにも金の塗装を加え、それぞれのツノの黒い部分も塗装を増やしました。


 

そして造形も変更しています。頭部はスーツに寄せた新造パーツに変え、さらに収納できるクリアランスの限界までサイズを大きくしています。そして脚部にはアペンドパーツを被せることで、足が太く、長くなりました。

 

脚部のアペンドパーツの有無を比較。明らかにプロポーションがよくなっている!

 

--素材や彩色の変更だけでなく造形面もグレードアップしているわけですね。

 

寺野 変形合体という遊びに「DXゼンカイオー」は合体のシークエンスを音声で楽しむという、仮面ライダーの変身ベルト的な要素を加えた商品なんです。そのコンセプトゆえに造形表現が足りない部分もあったので、この機会に造形も高めようと考えました。

 

 

--今後の戦隊ロボで注目してほしい点はどこでしょう?

 

寺野 今回の「DX METAL APPEND」のような商品が続けば、大人のユーザーさんも戦隊ロボに注目してくれるのではないかと思っています。造形や質感、重量感をグレードアップさせた「DX METAL APPEND」を通じて、フィギュアではなくオモチャならではのシンプルな構造や遊びの楽しさに驚いてほしいですね。

 

(取材・文/五十嵐浩司(TARKUS))

 

【商品情報】

■機界戦隊ゼンカイジャー DX METAL APPEND ゼンカイオージュラガオーン

・発売日:2022年2月26日予定。現在予約受付中。

・価格:16,500円(税込)

・発売元:バンダイ

 

(C)2021 テレビ朝日・東映AG・東映

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